中継映像を「ニコ動」と連動 新型ライブハウス相次ぎ誕生
nikkei TRENDYnet 8月29日(月)11時5分配信
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7月18日、ドワンゴと、その子会社で動画投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するニワンゴが、六本木ベルファーレの跡地に「ニコファーレ」というライブハウスを立ち上げた。 |
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7月18日、ドワンゴと、その子会社で動画投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するニワンゴが、六本木ベルファーレの跡地に「ニコファーレ」というライブハウスを立ち上げた。スタンディングで380名収容とコンパクトなサイズの会場だが、四方の壁面と天井にはLEDを配置。プロジェクターを通さずに映像を360度表示できるため、これまでにない多様で美しい表現ができる。
最大の特徴は、会場とネットとの連動性。ライブ映像をニコニコ動画で生中継できるほか、それを視聴するユーザーからの「コメント」を会場壁面のLEDモニターに流すことも可能。こけら落とし公演では、AKB48と東方神起が登場したが、ネットの観客による“声援”が、パフォーマンスするアーティストの周囲を次々と流れた。
さらに、ネットの視聴者に向けては、AR(拡張現実)技術を使って、バーチャルのキャラクターを合成してパフォーマンスを見せたりと、会場では表現できない演出で楽しませることもできる。
7月には映画『コクリコ坂から』の公開を記念し、映画のシーンを流しながらの手嶌葵ライブを開催。今後は音楽だけでなく、お笑いや討論会、360度スクリーンを使った映画上映会なども行う。
AKB48
東方神起
狙いはネットでの有料配信
この2日前、7月16日には秋葉原にアイドル専用のライブハウス「マップ劇場」がオープン。場所はAKB48劇場の向かいで、アキバ☆ソフマップの8階にあったイベントスペースを改装したものだ。
東京女子流*
アップアップガールズ(仮)
運営は、スカパー!でアイドル専門チャンネルを運営するつくばテレビ。同社の長谷川草太氏は「アイドルイベントを多数開催していた石丸電気SOFT本店が3月に閉店したこともあり、秋葉原に新たなアイドルの聖地を作りたいと企画を進めてきた」と話す。
劇場は毎日オープンし、月曜日は東京女子流*、火曜日は風男(ふだん)塾&中野風女(ふじょ)シスターズといったように、平日夜は出演者固定のレギュラー公演、土日や平日昼などは、単発イベントを組んでいく。レギュラー出演者は集客状況なども見ながら、3カ月ごとに見直していくそうだ。
収容人数は約100人と小規模だが、音響設備をはじめ、ムービングライトなど、ライブハウスとしては最新の設備を導入。今後、アキバ☆ソフマップの全国展開とともに、マップ劇場を全国へ拡大する可能性もあるという。
この両ライブハウスに共通するのは、新たな収益源としてネットでの課金を見込んでいることだ。
08年にニコニコ動画が始めたイベントに「ニコニコ大会議」がある。開催当初は無料だったが、昨夏からはイベント入場券とネット視聴チケットを有料で販売。過去の売り上げはリアルの入場券1万4000枚(6800万円)に対し、ネットチケットは5万1600枚(7300万円)と、それを上回っているという。
ドワンゴの夏野剛取締役は、ニコファーレの記者発表で「黒字化のめどは立っていません」と苦笑いしていた。だが、自社主催イベントでネットチケットを販売するほか、会場に贈る「デジタル花」や、蛍光色で書き込みができる「サイリウムコメント」といった有料アイテムを用意するなど、新しい収益源を模索する。
つくばテレビもオンデマンド形式ではあるが、すでに自社番組の有料ネット配信をスタートしている。マップ劇場でのイベントも年内には配信を始める意向だ。前出の長谷川氏は、「劇場は毎日コンテンツを生み出す場」と言う。
USTREAMなどにより、ネットでライブを楽しむ層は確実に増えている。そこにお金を払う習慣ができるか。両ライブハウスの今後の取り組みが注目される。
(文/海老沼邦明)
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最終更新:8月29日(月)11時5分
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