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玄海原発4号機自動停止 復水器に異常 | ||
九州電力は4日、東松浦郡玄海町の玄海原発4号機(118万キロワット)が午後1時40分に自動停止したと発表した。蒸気を冷やして水に戻す復水器で異常信号が作動した。九電によると、放射性物質漏れはない。福島原発事故後、トラブルで停止した原発の再稼働についての規定はなく、運転再開の見通しは立っていない。九電の原発6基のうち稼働しているのは玄海1号機(55・9万キロワット)だけとなったが、「当面は電力需給に支障はない」としている。
復水器は、タービンを回した蒸気を水に戻し、蒸気発生器に送る設備。タービンを効率よく回すために真空状態を維持している。同日午後1時半から関連機器の補修作業をしていたところ、維持できなくなったことを知らせる信号が作動した。
復水器の真空状態は停止後に回復し、原子炉は高温停止状態で維持している。今回のトラブルで、非常用炉心冷却装置(ECCS)は作動していない。九電は「補修作業との関連も含め、原因を突き止めたい」としている。
4号機の自動停止は2008年6月以来。復水器の異常停止は1985年8月、1号機で空気抽出機の目詰まりが原因で手動停止している。
4号機は12月中旬にも定期検査に入る予定だった。九電はこのまま検査に入る可能性について「原因を調査している段階で、先のことは分からない」と説明。国は定期検査で停止中の原発再稼働については安全評価など再稼働の手順を示しているが、トラブルによる停止からの再稼働は定めてない。経産省原子力安全・保安院は「原因究明を行い、事故内容を踏まえた上で具体的対策を検討する」としている。福島原発の事故以前は、原因と対策の報告を受けた保安院が内容を評価して再稼働を許可していた。
4号機の停止で、九電の電力供給力は1577万キロワット(発電所内使用分含む)となるが、九電は需要が減る10、11月に火力発電の点検を予定しており、実際の供給力は約1370万キロワットに落ち込む。
今年3月に作成した計画上の10月と11月の最大需要は1200万キロワット台で、九電は「10月は問題ない。11月は気温次第だが、今のところ大丈夫ではないか」と見通す。玄海1号機も12月には定期検査に入り、供給が計画上の需要を下回る冬の需給対策については現在検討している。
九電から報告を受けた佐賀県は、徹底した原因調査を行い、対策に万全を期すよう要請。玄海町の岸本英雄町長は「作業に怠りがあったとすれば相当遺憾。2、3号機の再稼働のハードルも高くなった」と話した。 |
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2011年10月04日更新 |