新聞案内人詳細

2011年10月04日

松本 仁一 ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員 経歴はこちら>>

事故から14年後、チェルノブイリ汚染地帯を歩いた(1/4)


 2000年8月、チェルノブイリ原発に近いベラルーシの高濃度汚染地帯を歩いたことがある。ウクライナ国境まで10キロ、原発まで30キロのベリベラグという廃村だ。原発事故から14年がたっていたが、それでも村の地表からは毎時45マイクロキュリーの高い放射線が検出されていた。
 案内してくれたのは菅谷昭医師だった。現在の松本市長だ。チェルノブイリはウクライナ共和国にあるが、国境を接して風下にあったベラルーシでは当時、被ばくによる子どもの甲状腺がんが多発していた。菅谷医師は信州大学医学部助教授のポストを捨てて96年にベラルーシに移り住み、甲状腺がん患者の治療に当たっていた。
 ゴメリ市とチェルノブイリを結ぶ幹線道路は、原発から40キロの地点で封鎖されていた。道路封鎖線のわきにトレーラー住宅があり、そこから数人の警官が出てきて通行禁止を告げた。ベリベラグの村はその先にある。菅谷医師がベラルーシ国立がんセンターの身分証明書を見せ「自分は医師であり、被ばくの実態を視察している」と説明して封鎖線を通してもらった。

新聞案内人コラムへ投稿する

前回の新聞案内人

竹森 俊平
竹森 俊平 慶應義塾大学教授 経歴はこちら>>

ユーロを救う法

 つい最近、証券会社の国内専門のアナリストと話をして、「復興対策の遅れはマーケットにどう影響しているか」と聞いたところ、「復興対策?今は誰もがギリシャ問題で頭が一杯で、復興対策どころではない」とい・・・>>続き

2回前の新聞案内人

吉井 妙子
吉井 妙子
スポーツジャーナリスト

古閑美保引退の真実

 女子プロゴルフ界のリーダー的存在で、ツアー仲間やファンにも愛されていた元賞金女王の古閑美保選手が、9月27日に引退を表明した。  この突然に引退表明には、ツアー仲間さえ驚いたらしい。私のところ・・・>>続き

3回前の新聞案内人

西島 雄造
西島 雄造
ジャーナリスト、元読売新聞芸能部長

断捨離して人生のエンディング

 断捨離の文字が書籍の広告や記事で目につく。身の周りを見回しても、戦後66年の暮らしが残した“文明生活”の残滓のように、不要・無用のものがあふれている。もったいない、いつか使えるだろうと、ケチとは・・・>>続き

ご購読のお申し込み

3紙おすすめイベント

特集・座談会シリーズ

JGA 3大オープンゴルフ特集
9月29日開幕!ゴルフ3大イベント「日本女子オープン」「日本オープン」「日本シニアオープン」を特集します。
シリーズ座談会「日本のビジョン
三紙の論説、編集委員が徹底討論。第3回は混乱する日本政治の再生を考えます。
シリーズ座談会「日本のビジョン」
朝日・日経・読売の編集委員が徹底討論。第二回は財政や税、復興資金などを多角的に考える「どうする復興財源」です。
シリーズ座談会「日本のビジョン」
朝日、日経、読売の論説・編集委員が徹底議論。第1回は原発事故を経た日本のエネルギー政策。
出来事ファイル 2008-2011年
あらたにす開設以来の月別主要ニュースを号外と写真を中心に振り返ります。
「2011年の世界」3紙座談会
国際問題担当エディター・編集委員が2011年の世界の注目点を議論しました。
少年の主張全国大会(わたしの主張2010)
全国の中学生による2010年「少年の主張」全国大会の模様をお伝えします。
【特別リポート】欧州財政再建と市民-英国の現場から
福祉切り下げや増税など、痛みを伴う改革への市民の反応を報告します。
3社論説トップ鼎談2010
鳩山政権が初めて迎えた新しい年。直面する「政治とカネ」「日米関係」「デフレ」などの問題に議論を交わしました。
麻生内閣総理大臣と鳩山民主党代表による党首討論(2009年8月12日)


3社論説トップ鼎談2009
あらたにす開設1周年 今年も論説委員会トップ3人が激論。
3紙「年金提言」座談会
老後を支える年金制度の改革案を議論しました。
2008年 3社論説トップ鼎談
社説を書く論説委員会トップ3人が年頭に激論。

ブログパーツ