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国際
「比メイドに永住権」世論二分 香港 移民50万人流入?
2011.10.4 07:29
【北京=矢板明夫】外国人メイド(家政婦)に永住権を与えるべきかどうかをめぐり、香港の世論が真っ二つに割れている。香港の高等裁判所が9月末に出したある判決がきっかけとなり、賛成派と反対派が連日デモを行うなど対立を深めている。
香港紙によると、香港の家庭で25年も働いたのに、香港に7年以上住んだ外国人に通常与えられる永住権が得られなかったのは違法だとして、フィリピン人メイドが訴えた裁判で、香港高裁は9月30日、外国人メイドの永住権申請を制限している現行の入管条例を「香港基本法(憲法に相当)に違反する」との判決を下した。
この判決が確定すれば、香港で7年以上働いているとみられる外国人メイド約12万人の大半が永住権を申請する可能性があり、さらに家族を呼び寄せるとなると、増加分は50万人を超えるとされる。
人口約700万人を抱え、ただでさえ過密な香港に新たな大量移民が流入する事態となる。
外国人メイドを支援する民主派政党や人権団体は、同判決について「外国人労働者の基本的人権が守られた」と歓迎している。
しかし、香港の外国人メイドの大半はフィリピン人で占められており、昨年秋、香港の観光客がフィリピンで射殺された事件以後、香港人の対フィリピン感情が悪化していることもあって、判決に反対する意見が大半のようだ。
親中国系政党、民主建港協進連盟は、判決に抗議するデモを呼び掛けると同時に、香港基本法の最終解釈権は北京の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)にあるとして、全人代に香港の裁判所と異なった同法の解釈を求めている。
しかし、こうした動きに対し、「1国2制度で守られている香港の司法独立を放棄するのか」といった批判の声も上がっている。
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