11月27日投開票の大阪市長選で、橋下徹知事(42)が率いる首長政党「大阪維新の会」は4日、橋下知事を擁立する方針を決めた。橋下知事は今月21日にも府議会に辞職の意向を伝え、23日に開かれる維新の全体会議で市長選への出馬を表明する見通し。市長選には再選を目指す平松邦夫市長(62)と前共産党市議、渡司(わたし)考一氏(59)が出馬表明しており、三つどもえの戦いになる公算が大きくなった。
一方、橋下知事の辞職に伴う知事選の候補者について、維新は元経済産業省官僚の古賀茂明氏(56)やテレビキャスターの辛坊治郎氏(55)に打診したが、いずれも固辞。維新幹部はこの2人以外で「知事の意向に沿う維新の会の外部の数人に絞った」としており、23日の党の全体会議での発表を目指している。
橋下知事はこれまで「候補者が誰もいなければ、自分が(市長選に)出る」と述べる一方、候補者が2人そろった場合は自らは出馬しない意向を示し、去就は明らかにしていない。しかし維新は市議会で過半数を占めていないため、「大阪都構想の実現のためには橋下知事の突破力にかけるしかない」と判断した。【堀文彦、林由紀子】
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■ことば
橋下徹知事が昨年1月発表した構想。政令指定都市の大阪、堺両市を解体し特別区に分割。府下市町村に合併を促し、30万人程度の中核市規模とする。府と政令指定都市の二重行政をなくす狙いで、都は産業政策などを一括して行い、特別区では区長は公選し、身近な住民サービスを行う。
毎日新聞 2011年10月5日 東京朝刊