2011年8月6日 21時21分 更新:8月6日 22時29分
細野豪志原発事故担当相は6日、福島県郡山市を訪れ、東京電力福島第1原発周辺の12市町村長らと意見交換した。細野氏は、これまで認めていなかった原発から半径3キロ圏内の住民の一時帰宅について「積極的に考えていきたい」と今後検討する考えを示した。また、原発から半径20~30キロ圏内の「緊急時避難準備区域」に関し、「解除の本格的な検討に入りたい。週明けからさまざまな判断に入っていきたい」と地元との協議を始める意向を示した。時期についてはいずれも明言しなかった。
細野氏は会合後、記者団に3キロ圏内の一時帰宅について「安全性の確保が前提だが、事故から長い時間がたち、生活をされていた方の気持ちも限界にきていると感じている」と必要性を認めた。
出席者によると、5市町村にまたがる緊急時避難準備区域に関し、政府側の資料では一括解除する案も示された。ただ、細野氏は記者団に「市町村の状況がかなり違い、一刻も早くという考えの方と、慎重には慎重を期してという方がいる」と指摘。地元の意向を慎重に見極める姿勢だ。
細野氏は会合に先立って福島県庁で佐藤雄平知事とも会談し、3キロ圏内の住民の一時帰宅を検討する考えを伝えた。【笈田直樹、神保圭作】
事故が起きた東京電力福島第1原発の20~30キロ圏内のうち、放射線の年間累積線量が20ミリシーベルトに達する恐れがない地域を対象に、政府が4月、指定した。緊急時に備え、子どもや入院患者ら自力での避難が難しい人は区域内に入らないよう求め、自力で避難可能な人は勤務などのため区域内へ入ることを認めた。福島県広野町など同県内の3町村全域と2市の一部が対象となった。同時に20ミリシーベルトに達する地域が「計画的避難区域」に指定された。