日本女子プロ将棋協会(LPSA)が主催する、カフェ形式の将棋入門講座が9月30日、東京都港区のホテルで開かれ、女性の初心者ら約50人が、ワインを味わいながら将棋を楽しんだ。
LPSA所属の中倉彰子女流初段、中倉宏美女流二段の姉妹や島井咲緒里女流初段らが出席した。石橋幸緒代表理事(女流四段)が「今日はホスト役に徹しますので、皆さん、将棋を楽しんでください」とあいさつした。
「プロ将棋10倍面白く見る方法」と題して、将棋のネット中継を担当している青葉記者(37)と銀杏記者(28)=両者ともペンネーム=が、名人戦や順位戦、王将戦などの裏話を披露した。青葉記者は東京大将棋部出身で、03年から名人戦の速報を担当。年間100局以上の中継をしている。青葉という筆名は、名人戦が青葉の茂る4月から6月にかけて行われることから名付けたという。
銀杏記者は立命館大で将棋部主将を務め、関西学生名人の経験もある。06年からネット中継に加わった。両記者は羽生善治前名人の「羽生にらみ」や、大豪・加藤一二三九段の貫禄ある対局写真、持ち時間6時間で終局が翌日に及ぶことも珍しくない順位戦を戦い終えたA級棋士が朝方、居酒屋で対局を振り返っている場面などの秘蔵写真を見せながら、棋士と将棋の魅力を語った。
クイズも出題され、タイトル戦で羽織を裏返しに着た対局相手に、裏返しだと教える際には、助言していると誤解されないように、耳うちでなく大声で伝える▽宏美女流二段は実は、なでしこジャパンの澤穂希選手と東京都府中市内の中学校で同級生だった--などの解答正解者に、協賛社のサンギから賞品が贈られた。
チェスに似た立体型の駒を使って、女性同士や、男性対女性の自由対局も行われ、参加者は、ほろ酔い気分で将棋を楽しんだ。会場の一角では、将棋漫画「ひらけ駒!」の作者、南Q太さんのサイン会も開かれた。
また、女流王将戦三番勝負が8日から行われる。里見香奈女流王将に挑戦する石橋女流四段が「出雲の稲妻と呼ばれる里見さんに、アラサー(30歳代)の力を見せたい」と締めくくり、大きな拍手を受けた。【山手秀之】
2011年10月3日