しがないディーラーのブログ

ヘッジファンドのマネージャー(元証券ディーラー)の相場ネタ


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そんな厳しい状況下でも相場を張れることが嬉しくてしょうがなかった。

睡眠時間が3時間しかなくても、いくらキツイこと言われても苦じゃないぐらい。
たった1枚のポジションが宝物だった。

トレード出来る日はものすごく真剣に1枚を「運用」していた。

1枚でも10万~20万は一日で稼げた。
その頃はボラティリティがあったから。

板も今のように無駄に厚い状態ではなく、10円刻みのところは数十枚、100円台の節目にようやく100枚~200枚って状態だった。

500枚売り…なんて出ようものなら、ザラ場で売り気配が出て、そのまま持っていかれるような相場。

みんな一カイニヤリなんてあまりせず、相場を取りにいっていた気がする。
その板ではそんなチマチマした商いしてもしゃあなかったから^^;

チーフですら10枚~30枚程度。それ以上、傾ける時は余程自信があるときか、なんらかのヘッジで売買する時だった。
それでも月1000万以上~数千万は稼いでいたかな。
東証一部の売買代金が一日数千億程度だった頃の話だ。

流動性が少なかった分、ボラティリティはあり、みんな相場を読んで流れを取ることが主流だった。

だからわずか1枚でもそれなりにやりようはあったし、面白くもあった。

ただそれも一年以上続くとストレスが溜まってくる…。
月間マイナスは一度もなかったし、1枚で月100万程度は取れていた(日経平均先物で1000円以上は抜けていた)。
毎回、月末の面談でポジションアップのお願いをし続けてもOKが出ない。
テープレコーダーを再生しているかのように

「お前にはまだ早い」

の一言。

ある日、自分はオーバーナイトで売りを一枚残した。
自分なりに自信があったからそうした。

その晩、NYダウは▲554.26ドル安と急落した。
もちろん日経平均先物も翌日急落。
前日終値17050円から翌日の寄付きは16350円。
一時、16000円割れ目前まで迫る下落となった。

自分は悠々と買い戻して800円超の値幅を抜いた。
その日の引け後、チーフは自分に

「昨晩ニューヨーク下がると思っていたのか?」
「はい。」
「OK。じゃあ明日から2枚な。」

とても小さな前進だった…。