1 | 2 Next >>
2011-08-27 04:05:18

雑記。

Theme: ブログ
ずいぶんとご無沙汰しております。

無為無策で放置していたのではなく、各所交渉は進めていたのですが…各部パーツの擦り合わせが難しいですね。
そして、やはり最大の難関は回路です。
思ったほど高効率の回路を組めるところが少ない点、そしてその回路のお値段が…。今のところ、メーカーとしてはかなり致命的な金額になってしまいます。Nitecore IFE1の無段階調光回路はすごいよ、コストパフォーマンス的に…。もうしばらく交渉&メーカー探しを続けたいと思いますが、どうなることやら。楽しみにしていただいている方は、どうか気長にお待ちくださいね。



機会を得て、知り合いのマニアと野外照射会を行いました。
山奥のちょっとした場所で行ったのですが、有意義な経験をしました。
特に、以前より興味があったSUREFIREの大型TIRレンズを試せたのは良かったですね。光量自体は飛び抜けているという訳ではないそうですが、スポットへの配分が多いので遠距離では見やすいライトです。
印象に残ったライトを挙げて行くと…。


SUREFIRE M3X
長い! M3LTに比べると汎用的な配光。遠射ではM3LTの方が見やすいですね。スポットが細いので、遠距離では見える範囲が狭いのがその理由。

SUREFIRE M3LT
案外使いやすい超スポット系ライト。周辺光がほとんどないため、遠距離での照射でも周辺光の反射が邪魔にならないのが良。

SUREFIRE AZ2
やはりLowの4灯は良い。Highの配光に多少使いにくさがあるが、Low-Highの切り替えなど、道具としての使い勝手は最高クラス。

LUMINTOP TD15X
旬のライトですね。質感などはよく個人的には十分以上。M3Xの倍に近いスポットサイズで、遠距離は苦手(もちろん、それでもIFE1クラスよりは良い)ですが中距離の明るさ感はかなりのもの。ただ、操作方法が多少冗長ですね。

HDS EDC Clicky 170N Executive
やはり、サイズ、配光などバランスをふまえた上での使いやすさはピカイチ。弱点は、電子スイッチの連続クリックは操作感がよろしくないこと程度。

SUREFIRE 旧A2
今見ると明るさは物足りないですが、さすがキセノン、よく集光しており使えない訳ではありません。Lowはなんとか移動できる明るさですが、AZ2を見た後だとムラは目立ちますね。

上記をふまえて、やはりA2系の「多灯式HighLow切替」は良いですね。
初期製品では無理ですが、いつか開発&採用したいものです。
パテントはどうなっているんでしょう、SUREFIRE以外から似た製品がでていたから大丈夫かな?

私の所有しないライトを貸していただいた知人達に感謝。
  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-07-21 03:01:13

HDS EDC Clicky/Rotary 日本語カスタマイズ設定方法。

Theme: その他の考察

標題の機種のカスタマイズの方法が、あまりにも意味が分からなかったので本気で解読してみました。これまではなんとか設定していたものの、偶然の要素が大きかったようですね…。日本の正規代理店サイトにも説明書きが置いてあるのですが、ニュアンスがわかりにくく翻訳されているように思います。


そこで、拙いながら操作方法をまとめてみました。複雑な処理のライトですから、下記の操作では成立しないものもあるかもしれません。私が持つEDC Tactical、Executiveでは問題がないと思うので、大丈夫ではないかと思いますが…。


※頂いたコメントにより、Rotaryにも使えるようです。こうさん、ありがとうございました。


●0.基本用語

  • リセット→設定をゼロにするリセットとは意味が違う。再セットに近い。(1.)も参照
  • OK合図→弱から中ぐらいの明るさで、だんだん明るくなりながら4回点滅し、消える。設定OKの合図。
  • NG合図→中ぐらいの同じ明るさで5回点滅する。設定NGの合図。


●1.リセットの仕方


点灯させたまま電池ケースを外し、ライトが消えたらすぐ再装着する


→ライトが5秒間ぼんやり光り、勝手に消えるとリセット完了

※リセットと言っても、各種操作の準備手順のようなもので、なにか設定が消える訳ではない。



●2.工場出荷状態に戻す時

リセット操作を行い、5秒間のぼんやり点灯中にスイッチを長押しする(10秒間)。
10秒後にライトが消えたら指を離してOK。


→明るさ設定は初期設定に戻る。明るさカスタマイズも不可モードになる。



●3.カスタマイズ可能モードにする

リセット操作を行い、5秒間のぼんやり点灯が消えたら10秒以内に20回以上クリックを始める(多い分には良い様子)。

最初は1クリックごとについたり消えたりするが、20回を超えるとつきっぱなしになるので、そうなったら長押し。

ライトはしばらく点灯した後、OK合図のあと勝手に消える。消えたら指を離してOK


→これで明るさカスタマイズモードになる。このモードはカスタマイズ不可操作を行うまで引き継がれる。

※なので、明るさカスタマイズ可能モードのままにしておけば、通常使用中に光量を変えられる。



●4.カスタマイズ不可モードにする

リセット→20クリック→長押しまでは上(3.)と同じ。長押ししたら2秒ほどで(OK合図がでる前に)指を離す。


→NG合図がでて、カスタマイズ不可モードになる。これはカスタマイズ可能操作を行うまで引き継がれる。

※不可モードにしておくと、点灯中の操作ミスで明るさが変わる事を防げる。


●5.明るさを変更する

先にカスタマイズ可能モードにしておくこと。→(3.)


カスタマイズしたいモードで普通に点灯させる。


※クリック、ダブルクリック、トリプルクリックの3モードをカスタマイズ可能。長押しのモードは不可能。


ダブルクリック+長押し(スイッチを押す長さで書くと短・短・長押し)をする。長押しは2秒くらいで離して良い。


→これで明るさ変更メニュー始まる。
クリックで一段ずつ明るくなる。(段階が反転している時は暗くなる)
ダブルクリックすると、クリックのたびに一段ずつ暗くなるようになる。
ストロボやビーコンは最上段と最下段の間に入ってる


好みの明るさやモードに設定したら、長押しする。すぐにOK合図がでて、勝手に消える。これで確定(=明るさ変更メニュー完了)。

※変更メニューの途中で10秒ほど放置すると、NG合図がでて明るさ変更メニューがキャンセルされる。



4.のカスタマイズ不可モードにしておけば、他人に変えられなくていいですよ(と書いてある)。

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-07-05 23:21:20

配光についての考察

Theme: その他の考察

配光の好み。

配光の好み、いろいろありますね。最近は、Wolf-Eyes社のT3、ZEBRALight社のSC600が発売されたせいか、ワイドな配光を賞賛する声が多く聞かれました。古くは、SUREFIRE社のL4が初めて世に出た際も、そのワイドな配光を気に入ったという声が多く聞かれたように思います。

日本フラッシュライト制作委員会(仮)-WOLF-EYES T3 日本フラッシュライト制作委員会(仮)-ZEBRA LIGHT SC600 日本フラッシュライト制作委員会(仮)-SUREFIRE L4
画像は日本の正規代理店、Pro Light Japan 社から引用しました。

個人的には、ワイドな配光はあまり好きではなく、かといってレンズ式の激しいスポットも使い道が少ないため、リフレクタ式の狭めの配光が好きです。個人的な予想ですが、自転車用などアウトドア用途から入った人はスポットに近い配光を好み、屋内作業、手元作業の必要性から入った人は、ワイドな配光を好むような気がします。


スポットな配光は屋外向きか

SUREFIRE社のLEDモデル、アウトドアズマンが発売されたとき、レンズ式の狭い配光に
「どこがアウトドアだ!!」
とのファンからの突っ込みが多くありました。


確かに、アウトドアでの足元を照らす移動用、手元を照らす作業用としては、大変不適なものに感じます。


確かにアウトドアズマンはやり過ぎなのですが、屋外での活動にはスポット気味な配光が良いかなと思う事もあります。いわゆるフラッドな(照射角が広くスポットが少ない)ライトで、森の中の道や洞窟/トンネルの中で奥を照らすと、周辺光の反射が邪魔をして遠くまで見通しにくいからです。また、周辺光が強いライトは霧・雨でも反射がきつく、見づらい部分も考えるべきポイントになりますね。


1000ルーメンワイド配光を何に使うか

最近、1000ルーメンの3LEDタイプのライトを購入してみました。室内、屋外で使ってみましたが、さすがになかなかの明るさ。特に室内では、今流行りのLED電球よりよほど明るいですね。


ところが屋外に持ち出すと、スポットがほとんどないせいか遠距離まで飛ばず、足元へ向ける明るさであれば30-50lmもあれば十分という気もして、あまり良いものとは感じませんでした。また、1000ルーメンを絞り出すとなると、Li-Ion16340を2本使用して10数分ほどでプロテクトがかかってしまいました。


やはり、1000ルーメンという明るさは趣味的なものかもしれません。私が主眼に置くEDCモデルであれば、やはり実質120ルーメンもあれば十分かなという気がします(商業的なバランスを考慮して200+程度になるかもしれませんが)。120lmでLi-ion16340を使用し、1時間持つなら、そのほうがはるかに有用、という気がしますね。ただ、「夢のようなもの」はないかな…?

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-06-16 19:34:01

RESPECT04 SUREFIRE

Theme: リスペクトモデル

SUREFIREの基本、名作6Pが廃盤確定になってしまいました。時代の流れとはいえ、残念です。


6Pはドロップインモジュールを使用する事により、明るさの変更が可能です。フィラメントしかなかった頃から、公称60分のものと20分のものがあり、使い分けが可能でした。とはいえ、私は金銭的にビビってしまい、60分のものしか使用した事がありませんが。


フィラメント時代の設計を流用し、ドロップインモジュールの入れ替えだけでLEDモデルが発売されました。中国メーカーを中心に、互換性のあるハイパワーモジュールも増え、お手軽に最新のLEDを搭載したモデルを手にすることが出来るようになりました。


しかし、製品として完全に時代遅れなのは否めません。特に、放熱に関しては最悪というか、時代の差すら感じます。

  • ドロップインモジュールと本体の間にスキマができる構造になっている。
  • 発熱部の周りをネジ部分が覆っている。

これらの点を考慮すると、SUREFIREは"発熱部の熱を外に伝えない"設計になっていると言えます。フィラメントの熱はLEDの比ではなく、本格的に放熱してしまうと短時間で火傷を負うほどライト本体が高温になってしまうからです。時代の流れにより、当初の設計が逆効果になってしまったのがわかりますね。



RESPECT 04 SUREFIRE


SUREFIREの魅力は、LEDの明るさや工作精度、表面処理の質などだけではありません。現在では安くて明るく質の良い商品が多くでていますから、カタログスペックやコストパフォーマンスという点では最先端では無いでしょう。フラッシュライトの最大の魅力である「明るさ」を失ったSUREFIRE製品を、それでも推すには理由があります。

  • ドロップインモジュール
  • 強靭なコンバータ
  • コンバットグリップ
  • TIRレンズ
  • 2段階加圧式スイッチ
  • 特徴的な配光きりかえ

ドロップインモジュール

日本フラッシュライト制作委員会(仮)

先に長々と書きましたので多くは割愛します。MAGLITEの場合、バルブ寿命はバルブの交換で対応していましたが、SUREFIREの場合はリフレクター、電池接点を含むモジュールでした。交換部品が割高になるという当初のデメリットはあったものの、制御回路を必要とするLED時代にはMAGLITEよりもスムーズに時代の変化に対応したと感じます。また、自分の好みや時代の変化に応じてモジュールの交換だけで対応できるというのも、楽しく手放しがたい機能でした。


強靭なコンバータ

SUREFIREの多くのLEDモデルは3.7V降圧コンバータを搭載しています。使用開始からゆるやかに電圧が低下してゆき、公称点灯時間の前後では急速に電圧降下、その後電池が持つ限り暗く点灯します。どちらかというと古典的な制御回路ですが、公称定格6Vにも関わらず、8.4Vでもとりあえず問題が無い事が経験的に知られています。また、逆に3.7V(リチウム充電池の定格電圧)あればほぼ公称通りの明るさがでますので、3.7~8.4V程度の広い電圧に対応できることになります。さすが、軍でも使用されているというだけ有り、頑丈さは回路にも及んでいると感じます。(ただし、マニアによる経験的な知恵ですので、保証はされていませんし私も致しません。)


コンバットグリップ

前回書きましたので、割愛します。拳銃と併せて使う人ではなくても、散歩や荷物を持ちながらの使用にはとても便利で、私にとっては無くてはならない機能の一つです。


TIRレンズ

日本フラッシュライト制作委員会(仮)-KXc2

説明が難しい、TIRレンズ。通常のフラッシュライトで言えば、ほぼ「スポットしかない」とも言える配光です。薄く周辺光はありますが、中心のくっきりした光に比べるとあまり意味が無い程度。スポットの太さは通常のフラッシュライトに比べると太く、アカリセンターさんブログでは、「帯状の光」と形容される事が多いようで、なるほど言い得て妙だなという気がします。

その「太いスポット」への集光率がなかなかのもので、公称200lmでも300lm+級のリフレクタモデル程度には飛びます。私自身はレンズ集光はムラが気になり好まないのですが、SUREFIREのTIRは使えると感じています。


2段階加圧式スイッチ

日本フラッシュライト制作委員会(仮)-SUREFIRE AZ2

妙な名前のスイッチだと常々感じますが、2段階調光の機能としては最も使いやすいものの一つではないでしょうか。とっさにHiモードに移行できるアクセシビリティは随一のもので、リング調光よりもいいという人がいても不思議ではありません。ただ、これも多段階や無段階調光が当たり前になった現代では、2段階調光そのものが古くさく感じる部分でもありますね。


特徴的な配光きりかえ

日本フラッシュライト制作委員会(仮)-SUREFIRE AZ2

現行機種ではA2L・AZ2に代表される、LEDの配光切り替えです。Lowモードでは中心の大光量LEDは点灯せず、周辺のLEDのみが点灯し、芯の無いワイドでフラットな配光を実現します。Hiモードでは中心のLEDも追加点灯し、通常のフラッシュライトのようなスポットと周辺光になる訳です。

私自身は上記2機種を持っておらず、古いA2をコレクションしているだけですが、当時から現代に至るまで「光の使い勝手」は最高クラス。弱光量は手元足下を照らす事が多く、フラットな配光が望ましい。一転、遠距離を照らす場合にはスポットが強いモデルでなければ不便ですから、これほど合理的なモデルも珍しいでしょう。ネックはやはり、お値段でしょうか。私自身も、高く評価しているにもかかわらず高価な上記2モデルは見送っています。A2L/AZ2よりも小型のモデルに好みが移行した事もあって、なかなか手が出しづらいですね。



SUREFIREEのフィラメントモデルが大量に廃盤になると知り、とりいそぎまとめてみました。明るさという点では中国メーカーの方が有利な頑丈ですが、今回取り上げたようなアイディアはとても秀逸で他社では得難く、やはりNo.1のフラッシュライトメーカーだと感じています。


今回、良い画像がなかったため、アカリセンター様からお借りしています。スタッフの対応など、安定感・安心感では日本屈指のショップですね。


  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-06-11 00:36:57

近況のご報告、製品の追加について

Theme: 基本的なコンセプト

1CR123A機は大筋でめどが立ちました。あとは単純に資金の問題と、狙い通りの製品が仕上がるかどうか(特に回路に不安感が…)の問題だと考えています。


私事になり、またフラッシュライトファンの皆様には申し訳ないのですが、別事業を優先的に行うことになり、多少フラッシュライト関連は停滞しています。企画/デザインなど手元でできる作業は進め、公開したいと思いますので、おつき合い頂ければ幸いです。


ひとまず1AA、2CR123A機の企画を煮詰めたいと思います。基本的に、EDC(普段使い/Every Day Carry)ライトが好きですので、当面はSUREFIRE 6P未満のサイズが多いでしょうね。



1AA機

コンセプトとしては、いつもどおりEDC+Tでしょうか。EDCライトというと小さく軽くが基本ですが、プラスT(タクティカル)により、手になじむサイズやとっさの操作性が要求されます。タクティカルというと少しおどろおどろしい感じもしますが、人間工学的に性能を追求する場合には必要指標になると考えています。

例えば、リング式無段階調光は大変便利ですが、タクティカルとしては多少不安が残ります。知らないうちに低光量に設定してしまったり、スイッチに親指をかけた状態ではとっさに調光できないなどがその理由です。


サイズとしては径22mm×全長105mm程度が目標値で、どちらも若干上回る可能性があります。1CR123A機では、肉厚の最薄部が1mmm以上(SUREFIRE 6Pに匹敵)になるよう設計しましたが、1AA機ではもう少し薄く、0.7mm~0.8mmを考えています。SUREFIREで言えばLX2やL1がこれに近いですね。

アクセサリを視野に入れると、FENIXのディフーザーチップやOlightのビームシェーパーを高く評価しており、なるべくそれを流用できるように設計したいのですが、上記のライトは21mmに近いサイズですのでかなりシビアです。


調光については現時点では、ダブルクリック式、トリプルクリック式が最も良いと考えています。どんな状態で使用しても、とりあえず点灯させればHiモード。持ち変えることなく指の操作で光量切り替えができ、ゆっくりとしたON/OFFなら光量が変わらず、間欠点灯を繰り返すことができるのがその理由です。ただ、フォワードクリッキースイッチやモメンタリスイッチでこの方法は珍しいので、最初は慣れが必要だと思います。


1CR123A機で採用したドロップインモジュール(DIM)方式は継承したいと思います。私自身は未だにOSRAM Golden Dragon PlusやXR-Eのような光量が少なくとも発光面積が小さい方が好みですが、X-MLのような大面積大光量を好む方もおり、LEDの進化や好みに合わせて調整できたら楽しいですよね。場合によっては、調光方式も変えられますから、幅広く追従してくれる企業が増えると嬉しいのですが…。


現時点では、Li-Ion14500での運用は視野に入れていません。二次電池と一次電池で性能差が大きいことに疑問を感じる事、初心者が多い機種に多少厄介な電池を採用したくないからです。せめて、PSEを取得した充電システムが普及してくれば考えるのですが…。ただ、DIM方式ですから、これも交換でどうにかなりますね。



2CR123A機


相変わらず、コンセプトはEDC+Tです。クラスとしては、SUREFIRE E2シリーズや、FENIX PD30などが対抗機種でしょうか。1インチボディ、できればコンバットグリップを装備し、INFOCE 6VXに近いコンパクトさを目指しています。数値で言うと、径25mm×135mmが目標で、おおよそ達成できるとは思っています。ただ、1CR123Aの設計経験から、そのためには光学系とヘッドパーツのの大幅変更が必要で、DIM以外の互換性が確保できるかどうかは不透明です。


光学系は、リフレクタではなくレンズ式を考えています。1CR123A機の記事でたびたび解説したように、放熱をある程度アルミ製リフレクタに頼っていましたので、別途ヒートシンクを用意するか、レンズの固定台を金属製にするなど、代案が必要になるのが頭の痛いところです。どのみち、配光はワイドよりになる予定ですので、浅いリフレクタに変更する可能性があります。


最大の関心事は、Li-Ion18650を採用するかどうか、でしょうか。通常使用は普及している規格の二次電池(=専用バッテリーではない)、緊急時には汎用の一次電池を使用できるのが基本で、これを逸脱したくはありません。しかし18650か17670かでボディの太さや規格に影響が有り、コンパクトな規格の採用やCR123Aを使用した場合のガタツキなどを考慮すると17670が好ましく、容量や放電能力、普及率を考えると18650が圧倒的に凌駕しています。ただ、世界的な潮流は18650ですから(最近は17670採用のノートPCも少ないそうです)、デザイン性やコンパクト性をすてて18650に傾いています。



そろそろそれぞれにコードネームをつけないと、機種名なのか電池なのかがわからなくなってしまいますね…。本格的に1AA機、2CR123A機の記事を書く前になんとかしましょう。

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-05-22 02:56:18

予算の問題。

Theme: 1×CR123Aモデルについて

1×CR123Aモデルの話です。


ゴールデンウィーク頃に、各パーツの見積もりを依頼したのですが、なかなか笑える金額になってしまいました。
直販ではなく、代理店を1店通す金額でご紹介しますと…。


ボディ(チタン)約75,000円
ドロップインモジュール約12,000円
スイッチ部分(自主開発Ver)約8,000円
リフレクタ約9,000円
その他約3,000円

暫定価格、107,000円…。はははは…。
廉価な商品と何が違うのか、一応ご説明致しますね。

ドロップインモジュール(DIM)

一応、こちらの希望は全て通しました。モードとしてはダブルクリックでHi-Midを切り替え、トリプルクリックでLowに移行します。XP-G R5の値段も上乗せしてありますが、場合によってはまだ上がるそうです…。YSカスタムの純日本製モジュールがあんなに高い訳ですね…。


スイッチ

自主開発バージョンで計算しました。構造がシンプルなため、アルミ3パーツ、プラ2パーツ、(接点バネ含め)バネ3本で構成されています。ここで金額を押し上げているのがプラパーツで、金型を初期ロット100本で割ると、……な金額に。信頼性にはかなりの自信がありますが、小型化が難しく、スイッチ部分が25mm径以上のモデルでない限り採用できません。どこまで意味があるのやら…。


リフレクタ

こちらも新規作成です。径20mm、長さ20mmのかなり深型を考えており、ヒートシンクを兼ねるため肉厚です。メッキが意外にかさみましたが、良く言われるような「触れると劣化する?」という質問は「そんな馬鹿なメッキがあるものか」と笑われました。ライト界で流通しているメッキは相当粗悪品なのでしょうか…?

配光はタイトスポットを狙っています。メインのLEDをXP-Gで考えているため、発光面積のサイズによってある程度ばらけるでしょう。計算上はそのままX-MLに対応できるはずですが、このあたりは経験がモノを言いますから、完成後に合わせてみるしか手が無いですね。


その他

その他に含まれるのは、主に風防(ガラス)、Oリング、プラシートです。風防ガラスは直径20mm厚2.5mm、耐衝撃ガラスという選択肢もありましたが、かなり透過率が落ちます(そして価格が…)。そこでミネラルガラス(プラスコーティング)にして、緩衝材にプラシートを入れ、直接金属部品と接触しないように考慮しています。
各部位の防水はなるべく汎用のOリングでまかなうように考えています。万一制作会社がつぶれても、自分でメンテナンスできるように…。


価格は頑張りたいと思います。現状では、外側をアルミモデルに変更し中華パーツを全力で投入すれば3万円クラスですね。小ロット品としては十分な価格でしょう。しかし、それでは自作(自主企画)する意味が無いとも思いますが…。

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-05-17 12:42:38

RESPECT03 HDS EDC Clicky 170

Theme: リスペクトモデル

個人的に敬意を払いたいと思うモデルをご紹介したいと思います。


RESPECT03 HDS EDC Clicky


日本フラッシュライト制作委員会(仮)-HDS Clicky 170

HDS EDC Clicky。十分コンパクトではありますが、1×CR123Aのライトとしては少し大型の部類でしょうか。最大径25.4mmを守って製作されているので、SUREFIRE L1やE1Bに比較すると携帯しやすいイメージがあります。(事実上の大きな差異は無いとも言えますが)。


このライトは、まずは設計思想が秀逸です。「家に帰るためのライト」ということで堅牢に製作されています。コンクリートにぶつけても壊れないというデモンストレーションはファンの目を引きますね。実際、レンズや電池をバネやゴムで浮かせて保持するなど、様々な対策がとられているようです。手に持った感じはSUREFIREに負けず劣らずの塊感で、さぞや頑丈なのだろうと期待してしまいます。私個人では、岩にぶつけてみる勇気がないので実際どうかはわからず申し訳ございませんが…。


頑丈なコンセプトのEDCシリーズの中で、Clickyシリーズの最大の特徴は電子スイッチの採用とそれによるモード制御です。ダブルクリックでHiとMidを入れ替え、トリプルクリックでLow、長押しでTurboまたはストロボというのは、実際使用してみるととても直感的に使用できます。

Hiモードで120lm、Midモードで30lm、Lowモードで0.33lmという光量の配分もとても合理的で、それぞれタクティカル、アウトドアでの移動、手元の照射(インドアでの移動)などの用途を担当できます。「家に帰るためのライト」であるならば必要十分です。ある程度スポット気味のリフレクター配光を好むのであれば、配光にも満足できるのではないでしょうか。私もその一人ですので、170 Tacticalの細いスポットと狭めの周辺光は大変使いよいものでした。


仮に、出勤中に東日本大震災のような巨大地震に遭遇し、停電の中を長距離歩いて帰宅する必要があるとすれば、Clickyシリーズはとても頼りになると思います。1×CR123Aのライトで、この安心感に匹敵するのは、SUREFIRE L1くらいでしょうか。もっとも、そういう場合はどんなライトだって心強く感じるものですけどね。


SUREFIRE L1 明るさは二線級だが総合では最高峰か。日本フラッシュライト制作委員会(仮)-SUREFIRE L1


ただ、いくつかの不満な点もあります。まず第一に、高度すぎる電子制御により、逆に人間に負担を強いている点です。モードは実際には20通り前後設定できますが、その手順が煩雑でなかなか覚える気になりません。初期モード設定は秀逸だと感じますが、電池の入れ替えの際に手順を誤ると、設定モードに入ってしまい実用上の問題を感じます(某掲示板では、壊れたと勘違いしている人がたびたび登場します。)。また、先述の通り電子スイッチですので、OFFにしても微弱な待機電流を消費しています。電池の消耗という意味では実用上の問題は無いと感じていますが、やはり抵抗感はありますね(1週間ほどで電池がなくなるという報告もあるようです)。


ユーザーではなくデザイナー視点で言うならば、以前ラインナップしていたツイストスイッチのTwistyのほうがコンセプトに則していますね。今の電子スイッチでは、岩にぶつけるパフォーマンスはできないでしょう。タクティカルというジャンルは本当に特殊で、これに対応する必要が無ければツイストスイッチで十分なんです。今私が企画しているライトで、高価格になってもメカニカルスイッチに固執しているのもそのあたりの事情があります。


HDS Twisty スイッチが露出しておらず堅牢。
日本フラッシュライト制作委員会(仮)-HDS Twisty 140


最大の問題点は、経営者が極めて不誠実なことです。細かいいきさつは省略しますが、私個人は二度と直接買う事はないでしょう。日本の正規代理店、Pro Light Japan社に在庫がある時にそれを買うのが一番不満が少ないようです。


  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-05-10 05:00:00

モード切り替えについての考察

Theme: 1×CR123Aモデルについて

更新が滞っており恐縮です。
GW前後、私事が忙しくなっておりました。
出資者となりうる方と会い、いくつかプランを提示しましたが、ライト事業部は見込みなしと判断されてしまいました(笑。
もう少し地道に説得を続けます。

●スイッチの話

スイッチについてもずいぶんとまとまってきました。
現在、スケッチと簡単な設計図を作成し、理論的な矛盾の無さを確認中です。
見落としや考察違いがあると数万円数十万円単位でムダにしますから、なかなか手が進まない部分ではあります。
既存の汎用スイッチをインストールする事も考えましたが、そちらへの切り替えは簡単ですので、ひとまず自主開発で進める事にしました。

前のエントリーでもご紹介しましたが、高信頼性メカニカルモメンタリスイッチ(長いな)がいい感じです。

  • IPX8程度以上の防水(一応20~50mクラスを目指していますが…)
  • ロックアウト機能(物理的に回路をカットオフ)
  • ねじ込みで常時点灯

と、SUREFIREのモメンタリに近い性質を持たせられられそうです。
ただし新規開発ではお値段が、ね。
見栄えの良いメカニカルスイッチならば許していただけるでしょうか。

もう一つ、雑談として工場から頂いた案として面白いのが、ロータリーロッキング式のクリッキースイッチ。
スイッチの中に、溝を彫り込んだバレルをいれ、それと突起の噛み合わせでクリック動作を実現します。
ノック式ボールペンのロッキングに使われているそうです(主流ではないとか)。
特徴としては、摩耗以外の破壊がほとんど考えにくいということ。
間欠点灯も可能で、フォワードクリッキー。
内部ででロッキングバレルが回転するので、メカニカルで面白いとの事ですが、フラッシュライトのスイッチの中は見えませんよね。
クリック動作でジャキっ!といい音がするかもよとの事ですが、いいのでしょうかそれは。

もしそれが予定通りの信頼性を発揮するなら、面白いとは思いますが、どう考えてもお値段が…。

●モード切り替え

いろいろ考えてはみるものの、なかなかまとまらない問題の一つです。

世界のフラッシュライトを見渡しても、フォワードクリッキースイッチを採用する商品は調光に苦労しています。
例えば競合するライトとして、Olight T15とFENIX LD10を挙げましょう。
どちらも1AAのライトですが、前者はフォワードクリッキー、後者はリバースクリッキーです。
LD10が基本的にはスイッチの半押しで調光できるのに対し、T15はヘッドをひねって戻す動作が必要です。

フォワードクリッキー機にはそういう問題がつきまといます。
しかし逆を言えば、それほどフォワードクリッキーのほうが優れている、あるいは人気があるということになります。

自分のライトの事を考えれば、基本はモメンタリーで、オプションでフォワードクリッキーが使えれば良く、幸いな事にこの2つのスイッチの調光操作は似た感じになります。
現時点で最も優れていると考えるのは、ダブルクリック、トリプルクリック方式です。

HDS社のものやJETBEAM車のピストンドライブが有名ですが、どちらも電子スイッチとなっており、待機電流が微弱ながら発生します。
個人的に待機電流は大嫌いですので、「一瞬の通電」(以下、パルス)の回数を検知し、パルス1回→ダブルプッシュ、パルス2回→トリプルプッシュと判断します。
(モメンタリ主体なのでクリックではなくプッシュ)

例:オフ状態から

  • そのまま点灯=Hiモード
  • 一瞬点灯(パルス)→消灯→すぐに点灯(全押し/クリック)=Midモード
  • 一瞬点灯(パルス)→消灯→一瞬点灯(パルス)→消灯→点灯=Lowモード

オン状態からの操作は、一度消灯してから上記の動作を行えばOK。

【長所】

  • 緊急性の高いHiモードを間違いにくく、スムーズに移行できる。
     (Low/Midで点灯中も、一度消灯→点灯すればHiになる)

【短所】

  • モメンタリの場合、Mid/Lowモードでのねじ込み点灯がおかしなことになる
    (スイッチを押して点灯をキープしたままテールキャップを回さなければならない)
  • クリッキーの場合、オン状態からのMid/Lowへの移行が冗長
  • クリッキーの場合、クリックと半押しを使い分ける必要がある

よくある「瞬断」ではなくパルス電流を検知する方式なのは、MidやLowモードで点灯中にスムーズにHiへ移行させるためです。
また、モメンタリとクリッキーで操作感が異なりますので慣れが必要かもしれません。

3モードを効率よく切り替える方法のご提案がありましたら、ご教示くださいね。

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-04-20 19:03:33

スイッチとモードについて

Theme: 1×CR123Aモデルについて

更新が滞りがちで大変不本意です。
はやくいくつかの仕様をまとめてしまわないと、見積もりもとれやしない。

スイッチについて

この1CR123A機(そろそろコードネームをつけないと呼びにくいな)のスイッチは2種考えています。

A案:McClicky フォワードクリックスイッチ
B案:自主開発モメンタリースイッチ


B案の出来がなかなか良く、まだ簡単な設計段階ですがモメンタリー+ロックアウト+ツイストON、全て使える予定です。少部品、高信頼性といいことずくめですが、少々重いかもしれません。
そしてゴムブーツではないメカニカルスイッチ化が可能。
少なく見積もっても、IPX8程度の防水力は保てますので(ただし水中操作は保証外)、外観の高級感でも機能面でも納得できるのではないでしょうか。


しかし、納得できない点が3つあります。(3つも!)


  • 開発に時間とお金がかかる。納得できません。(裕福ではないのです…)
  • パテントを持っているSUREFIRE社がきっと納得しません。(構造は異なりますが似てしまう部分も)
  • お値段の高さにお客様が納得しません(新規開発ですからね…)

致命的な欠点という訳ではないのですが、クリックスイッチ慣れしている方も多いので、モメンタリースイッチは好まれないかもしれませんね。ということで、現状ではMcClickyスイッチが最有力なのですが…日本製ではないのが残念…。


McClickyと自社開発モメンタリーでは、防水方法が全く異なるため互換性を確保することができないので、早くどちらかに決めてしまわないと設計ができないのです。悩むなあ。


モードについて

企画中の1CR123Aはタクティカル+防災を想定しています。
防災と言っても避難所で細々と使うコンセプトではなく、電源がおちたビルや地下から外部へ、会社から自宅までを停電の中徒歩で帰宅、というシチュエーション。
またタクティカルのほうも、完全武装で屋内へ突入!ではなく、路上で犯人を照らして牽制する、あるいは犯罪意欲を喪失させるのが目的です。


このコンセプトでに必要なモードは、2つだけ。


  • 100~120lm(タクティカル用途)
  • 15~30lm(脱出・移動用途)

ただし、ランタイムの保険として、3~5lmほどのモードが入るかもしれません。新鋭のLEDライトとしては物足りないかもしれませんが、必要な明るささえ満たせば、あとはランタイムが長いほど良いですからね。ただ、やはり明るさを求める方はおおいと思いますので、通常版は200lm以上/50lm/5lmなどにしておいて、ダウンオプションにするかも知れません。もちろんこのライトはDIM(ドロップインモジュール)を想定していますから、(モノが出さえすれば)明るさはあとからどうにでもなりますが…。


余談ですが、タクティカルライトの元祖、SUREFIRE 6P(フィラメント)の初期光量が100lm前後、あるいは同じ1CR123A機として(将来的に)競合するL1が実質100lm&15lmほど(公称65/10lm)の設定になっていますね。このあたりは後から気付いて感心しました。

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
2011-04-12 18:41:11

悩み。

Theme: 1×CR123Aモデルについて

本業が多忙につき少し更新が滞ってしまいました。

現在企画中のこの1CR123Aタイプのライトですが、コンセプトはおおよそ固まっています。


  • 物理的(耐衝撃)、化学的(耐イオン、耐溶剤)、電気的な信頼性、防水性
  • 発展性を高くするためのドロップインモジュール、統一規格、高互換性の確保
  • 毎日携帯して「頼りになる」ライトであること

しかし、そのためにはいくつかの犠牲も必要なのです…。例えば、当初、ヘッド部、テール部をSUREFIRE社と互換性を持たせる事を検討しました。ところが、同社は根本的にLi-Ion18650電池での運用をしない設計、放熱性を重視しない設計など、将来性に疑問が残る点があり、あきらめざるを得ませんでした。


また、1CR123Aでフォワードクリッキースイッチを装備し、全長90mmを切るようなライトもあるのですが、そのようなサイズ、軽さもあきらめる必要があるでしょう。


それらをふまえた上で、まだあきらめきれない問題もあるのです。


日本フラッシュライト制作委員会(仮)-基本設計の悩み


それが上記図の問題。スケッチ自体は少し古いものですが、ヘッド部分の違いに着目してください。基本的にType1は、リフレクタ、回路部分(モジュール)をヘッドの下から挿入しますが、Type2/3の場合リフレクタは上から、モジュールは下から入れる事になります。


その違いにより、Type1は20mm径(以上)のモジュールを採用出来ますが、Type2/3では18mmが上限になってきます。18mm径あれば簡単な調光には問題はないのですが、熱的にも将来性の上でも余裕は欲しいですね。外形が20mmあれば、一般的な17mm基盤を用いて一般の人も自作しやすい、という考えもあるのですが、それは考え過ぎか…。また、熱伝導率がおちるネジ部分がモジュールまわりにないため、放熱しやすい利点もあります。
(※ただし、主要な熱はリフレクター経由で放熱する想定です)


しかし一方で、全長が多少長くなり、フィンガーレストのサイズがかなり小さくなります。できればコンバットグリップのように、人差し指と中指の間でしっかりつかむ握り方での運用を行いたいので、フィンガーレストを確保出来ないのは非常に困った事なのです。


これが、Li-Ion18500(全長50~52mm)サイズの電池であれば理想的に両立出来るのですが…。現時点では、取り扱いに重点を置き、Type3を中心に考えています。しかし、たびたび思考が戻ってしまうのも事実。悩むところです…。

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする
1 | 2 Next >>
アメーバに会員登録して、ブログをつくろう! powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト