文部科学省は30日、福島第1原子力発電所の事故で放出されたとみられるプルトニウムが、原発敷地外で検出されたと発表した。すべて福島県内で、北西に約45キロメートル離れた飯舘村のほか、双葉町、浪江町の6カ所。国の調査で事故に伴うプルトニウムが原発敷地外で見つかるのは初めて。福島第1原発から出た放射性物質は北西方向へ飛んでいく傾向があった。
6月6日から7月8日までに100カ所の土壌を採取し、シリコン半導体検出器を使って分析。文科省は検出したプルトニウムの分布を示すマップを作成。プルトニウム238の最大濃度は1平方メートルあたり4ベクレルで、浪江町で見つかった。
プルトニウムは本来自然界には存在しない元素だが、1950~70年代に実施された大気圏内核実験によって日本にも飛来し、土壌中にたまっている。文科省の調査では、全国の土壌から1平方メートルあたり最大8ベクレルの核実験によるプルトニウム238が検出されている。
文科省の担当者は「今回検出されたプルトニウムの濃度は過去に検出されたものと同水準で、健康への影響という観点では、正常値を超えているセシウムなどの方がはるかに重要」と説明している。
今回の調査では、福島第1原発から放出されたとみられるストロンチウム90も45地点で検出された。原発から南西に80キロメートルほど離れた白河市などでも検出された。
プルトニウムやストロンチウムは重い金属で本来、遠くまで飛びにくい元素。原発から離れた場所でも検出されたことは、福島第1原発で炉心溶融や建屋の爆発などの深刻な事態が発生したことを改めて裏付けるものといえる。
プルトニウムはウラン燃料が核分裂した際に作り出される。非常に毒性が強く、一度肺に取り込むと体外に排出されにくく内部被曝(ひばく)が問題になる。半減期は検出されたプルトニウム238が87年、239は2万4千年。
福島第1原子力発電所、プルトニウム、東京電力、文部科学省
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