3次元有限要素法(マトリックス法)解析の基礎3

前回までで 部材の剛性マトリックスを導出しました。
今回はちょっと話が変わって 全体座標系の話です。まぁ ここが 3次元解析のキモです。

前回までの剛性マトリックスは1つの部材(要素) の 力と変位の関係式でした。

しかし、実際は、複数の部材で構成されたものを計算しなければなりません。
そこで、新たに全体座標(大文字の X, Y, Z) を定義してその座標系の中に 部材を追加していきます。

このときの 部材の座標系 と 全体座標系とを相互に 変換する方法を以下に書きます。

変換するときのルールは以下ですが、このイメージがきちんとできなくても 問題ないです。

下図のように部材の x軸 に垂直は面 P を考えます。その平面 P と 全体座標の XY面 が交差するところに y軸を考えます。 次に 今考えた 部材の x軸, y軸 と右手の関係をなす z軸を考えます。ここに y軸の正の方向は, z軸の正方向が 全体座標の Z 座標値が増大する方向を向くように定めます。

memo:

後に「コードアングル θ」というものが出てきますが、それは 上図 平面P上で, x軸に沿ってねじった角度をいいます。

 

ここで 要素座標系(x,y,z) を全体座標系(X, Y, Z) に変換することを考えます。

全体座標系で、x方向に 1.0 m , y方向に 0.5m, z方向に 0.7m 移動した場合
要素座標系では いくつ移動したことになるでしょうか? ・・・みたいなことです

これは、難しいので、丸暗記します。

全体座標系における 要素両端の座標を(Xi, Yi, Zi), (Xj, Yj, Zj) で表します。

全体座標系から要素座標系への変換式は下式になります。

全体座標系 での 移動量( Ux, Uy, Uz) , 要素座標系での 移動量( ux, uy, uz) とすると

ux = lx・Ux + mx・Uy + nx・Uz
uy = ly・Ux + my・Uy + ny・Uz
uz = lz・Ux + mz・Uy + nz・Uz
例題

全体座標系における 要素両端の座標を(0, 0, 0), (2.0, 3.0, 4.0) の 要素が、
全体座標系で、x方向に 1.0 m , y方向に 0.5m, z方向に 0.7m 移動した場合
要素座標系では いくつ移動したことになるでしょうか?

この関係式をまた、行列として 表すと 下のようになります。

uxi

uyi

uzi

θxi

θyi

θzi

uxj

uyj

uzj

θxj

θyj

θzj

 

lx

mx

nx

 

 

 

 

 

 

 

 

 

fxi

ly

my

nx

 

 

 

 

 

 

 

 

 

fyi

lz

mz

nz

 

 

 

 

 

 

 

 

 

fzi

 

 

 

lx

mx

nx

 

 

 

 

 

 

Mxi

 

 

 

ly

my

nx

 

 

 

 

 

 

Myi

 

 

 

lz

mz

nz

 

 

 

 

 

 

Mzi

 

 

 

 

 

 

lx

mx

nx

 

 

 

fxj

 

 

 

 

 

 

ly

my

nx

 

 

 

fyi

 

 

 

 

 

 

lz

mz

nz

 

 

 

fzi

 

 

 

 

 

 

 

 

 

lx

mx

nx

Mxi

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ly

my

nx

Myi

 

 

 

 

 

 

 

 

 

lz

mz

nz

Mzi

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