「官僚による税金無駄遣いの政治を変えるのが今度の選挙」と訴える菅代表代行(調布駅前で。写真=筆者撮影)
衆院が解散して1週間が経った。政権奪取を目指す民主党と壊滅的な議席減が予想される自民党の勢いの差が週末の選挙戦にも現れた。
自民党は内閣支持率低迷の要因ともされる麻生首相の失言がまた飛び出した。首相は25日、横浜市での講演で社会保障の将来像をめぐって「高齢者は働くしか才能がない。80歳を過ぎて遊びを覚えても仕方がない」と発言。世間のヒンシュクを買った。
一方の民主党は週明け早々の27日(月)にマニフェストを公表する。前日の26日、菅直人代表代行が街頭演説した調布市(東京22区)で有権者の声を聞いた。全員が「政権交代した方がいい」と答えた――
「政権交代は当然。(麻生首相の失言は)バカなことを言ってるね。ふざけるんじゃない」。(60代女性・世田谷区在住)
「ずっと自民党支持だったが、今度はちょっと…。生活できるように何とかしてほしい。75歳過ぎると仕事がないから…」。(70代女性・狛江市在住)
「これまでは自民党だったが、今度は民主党に入れる。(麻生首相の失言は)あれはちょっとひどい」。(50代男性・調布市在住)
「自民党はモタモタしている。(麻生首相の失言は)『また出た』って言う感じ。麻生さんは世の中を知らない。今の日本があるのは、高齢者の人が頑張ってくれたおかげ。KYですよ」。(60代夫婦・調布市在住)
「これまでは自民党支持だったが、もういい。とりあえず民主党に一回やらせたい。自民党は小泉さんに代わった時が限界だった。政治家の言葉が軽くなった。骨のある政治家がいなくなった。(麻生首相の失言は)麻生さんらしい。アホタレだ」。(50代・男性・調布市在住)
「『改革、改革』と言いながらメスを入れられなかった」。(40代男性・調布市在住)
「自民党政治は政・官・業の癒着で限界にきた。(麻生首相の失言は)許せない」。(60代女性・調布市在住)
「自民党政権は長過ぎた。権力が集中するのは問題」。(30代女性・調布市)
「自民党は官僚の言いなりになっている。民主党になったほうが何かやってくれるんじゃないかという期待がある。ダメだったら自民党に戻したらいい」。(20代男性・都内在住)
炎暑のなか有権者はしたたる汗を拭いながら、菅代表代行の話に耳を傾けていた。菅氏は「役人に皆さんの税金の使い方を任せていたら無駄遣いが止まらなくなった。こうした今の政治を変えるのが今度の選挙です」などと訴えた。
27日、発表される民主党のマニフェストは、無駄遣い根絶をベースした予算編成になっている。筆者が「麻生さんの失言にはあえて触れなかったんですか?」と聞くと、菅氏は「あえてと言うわけじゃないけど、きょうはマニフェストを中心にね」とニンマリ。マニフェストの作成にモタつく自民党を尻目に余裕の笑みを浮かべた。
政権交代の法則