街中で犯人を追う生活安全課の竹内警部補(渡瀬恒彦)。が、たちまち息を荒げると蹴躓いて転んでしまう。幸い若い刑事たちによって犯人は無事拘束されるが、ぶざまな自分に年齢を感じている。
そんな竹内の署管内で若い女性が絞殺される事件が発生した。後輩の磯貝(杉本哲太)によると、下半身は裸、顔には真っ白いハンカチが載せられていたという。確か15年前にも同じような手口の殺人事件が…。記憶を甦らせる竹内に磯貝は2つの事件の関連を調べるという。
一方で竹内は長岡警備課課長(平泉成)に呼び出され、石鍋元首相の跡を継いだ娘の石鍋キリ子代議士(高畑淳子)のSPになって欲しいという。何者かに脅迫を受けているが、国民的な人気を盾にやりたい放題。キリ子はSPが気に入らないと言っては次々とクビにし、ベテランがいいと竹内を指名してきたという。
実は竹内は以前首相時代の石鍋のSPだったが、15年前に警護していながら暴漢に襲われる失態を演じ、以来SPの仕事から遠ざかっていた。そんな竹内を娘のキリ子はなぜ指名してくるのか。「自分には断れない」と長岡に頭を下げられ…。
15年前の女性殺害事件を調べ始めたという磯貝の報告に、石鍋総理のSPをしていたころの思い出を甦らせる竹内。その女性が殺される5日前、竹内は被害者からマンションの部屋番号を書いたメモを渡され、助けて欲しい、守って欲しい、と言われていた。男につきまとわれて困っているという女性をなんとかしたかった竹内だったが、当時は石鍋のSPとしての仕事に忙殺され対処できず。警護の途中、何者かと言い争う女性を見かけたが、その直後何者かに殺害されたという。おまけに彼女の8歳の娘まで巻き添えに。
事件を聞き、集中力を欠いた竹内は、首相が暴漢に襲われるというミスを犯してしまった…。
そんな苦い思い出もあることから、竹内は石鍋家を訪ねると、キリ子と会い、年齢を理由に話を断ろうとする。しかし、キリ子は父の石鍋が襲われた事件を持ち出し、貸しがあると迫る。言い訳もできない竹内はただ頭を下げるが、キリ子はそんな竹内を激しく非難。「借りは返してもらう」と強引に竹内を自らのSPにしてしまう。
真田(金児憲史)と由紀(金子さやか)という若いSPとキリ子の警護にあたる竹内だが、脅迫状が送り付けられているにも関わらずキリ子は気まぐれに行動。さらに行く先々で中高年の女性に取り囲まれ、竹内らはその対応に振り回される。
キリ子が地元・京都へ戻った。支持者に囲まれもみくちゃにされるキリ子を必死でガードする竹内らSPたち。さらにキリ子は予定表にない行動をとり、弟・洋介(中村繁之)と突然会食を始めようとする。さらに夜は夜で由紀に足をもませたり、真田に無理な買い物を言いつけたりとやりたい放題。竹内は秘書の花輪(綱島郷太郎)にスケジュールを守るよう要請するが、そんな話をしている間にキリ子が姿を消してしまった。