輪るピングドラム・第12話
16年前のあの日、冠葉と晶馬、そして陽鞠の父と母の剣山と千江美は地下鉄を舞台に同時多発テロを行った。そしてその一つの電車に苹果の姉の桃果が乗って犠牲になった。うわぁ16年前の事件か。テロの方法が爆破テロの様になっているが、モデルは地下鉄サリン事件だな。
それにしても晶馬に剣山と千江美がその事件を犯した組織の主導的立場の人間と言わせてしまって、この後どうするんだろう。何故剣山と千江美が「これで世界はピースされる」とか言う人間になったのかとかこの先で語ったりするのだろうか。しかも陽鞠はこの事件より後に生まれているのだ。事件発生から一年程度は剣山と千江美は捕まっていなかったと言う事か。
そしてこの事件で心に傷を負った人間がもうひとり。桃果と当番の約束をしていた多蕗はその日目覚ましがならなかったせいで約束の時間に遅刻する。その為に多蕗自身は事件に巻き込まれなかったものの、恐らく多蕗を待ったせいであろう桃果は「いつもより一本遅い電車」に乗ったせいで事件に巻き込まれて死んだ。それはどれ程の影響を多蕗に与えたのだろう。ここまでの多蕗にはそんな雰囲気が微塵も感じられなかったが。
それにしても丸ノ内線でいつもより一本遅い電車ってなあ。平日朝の丸ノ内線は3~4分間隔だぞ。それでも乗る時刻はいつも決めていたのか。それから小学生で電車通学って、なかなか結構な小学校に通っていたみたいじゃないか、二人とも。
「長い回想」を聞き終わった帽子様はおっしゃる。
「お前達はピングドラムを失った。世界は再びヤミウサギを呼び込んだ」
なんか分からんが、これで帽子様の電池が切れる。陽鞠を生きながらえさせる事が不能となる。崩れ落ちる帽子様は陽鞠を助けたいのならピングドラムを手に入れろと言う。
ピングドラムは本当にあの日記帳なのだろうか。
陽鞠は病院に担ぎ込まれ、冠葉は晶馬から陽鞠が倒れたと言う連絡を受ける。帽子が利かないと。病院の処置室の中で冠葉は何とか帽子様の力で陽鞠を生きながらえさせ様とする。ここで冠葉が妙な事を言った。俺の命を分け与えたじゃないか、その取引を忘れた訳じゃないだろうと。いつ取引した。あれか、第1話で帽子様が冠葉の胸に手を突っ込んで何か取り出した時か。あれは問答無用だったと思うが。
再度の取引もかなわず陽鞠の生命反応は停止する。
女神様は罰を与える為に一番理不尽な選択をしたと言う。
今回、絵が印象的だった。すぐ上の選ばれた子羊がそうだったが、多蕗が子供の時の地下鉄事件の描き方も、小さい子供が何か得体の知れない恐ろしい事が起きていると言う、そう言う過去の記憶を充分に表現した絵だった。
で、地下鉄事件にまで話がふくらんで、どうすんだ。