センター長挨拶
平成15年度に新設されました本センターは故永井隆博士の遺志を継承し、原爆被爆者の高度先端医療を推進すると同時に、世界の放射線被ばく者(ヒバクシャ)に対する国際貢献を目指しています。名誉センター長として、原爆復興にあたられました当時の久松シソノ看護婦長に就任頂き、永井隆精神の継承を第一に、各種がんの集学的先端医療の推進に各診療科と共同であたります。また原爆後障害医療研究施設との連携や、長崎大学21世紀COEプログラム「放射線医療科学国際コンソーシアム」の一翼を担い、幅広く国際社会で躍できる人材の育成を目指しています。その為若手医師の研修として、外来の化学療法や臨床治験を専門医とともに分担して、分子診断や分子標的治療法を取得し、包括的全人的患者ケアとキュアの診療に参加します。研修後も世界のヒバクシャ医療や国際貢献、さらに原子力災害時に速やかに対応できる医療専門家としての素養を身につけ、幅広く社会医学も研鑽して頂きます。長崎大学附属病院ならではの極めてユニークな診療と研修体制を整備し、生命の畏敬を第一とする医療人の育成に努める予定です。現在の診療体制は内分泌系がん患者を中心とする内分泌内科・腫瘍内科で外来を担当し、入院は旧第一内科を中心に、旧第二外科、放射線科などと連携して行います。長崎日赤原爆病院とは緊密な連携を取り、また長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM)事業の一翼を担っています。特殊分野ではありますが、世界をリードできる放射線医療科学分野の創生と展開に大志を抱いていますので、お気軽にご連絡・ご相談下さい。
永井隆記念国際ヒバクシャ医療センター
センター長 山下俊一