「涼宮ハルヒ」シリーズは非常に息の長い作品だと思うのですが、人気の秘訣は一番どこにあると思いますか?

ハルヒってインパクトがあって、パワフルで変わった女の子に見えるけれど、実は身近にいる存在なのかなって私は思っています。というのも、学生時代とか、必ず誰しも思ったことがあるんじゃないかということをストレートに言葉にする子なんです。宇宙人に会いたい、こんなことが起きればいいのに、、、と。ひょっとして、ハルヒは私達の中にもいるんじゃないかなと思います。それが共感のポイントだったり、こんな風になってみたいと憧れる秘訣なんじゃないかと思っています。

2006年の第1シリーズからここまでの5年間、普通のアニメシリーズとしては、長いスパンで演じられていると思うんですけど、平野さんにとって「涼宮ハルヒ」はどういった存在ですか?

そうですね。やはり確実に私の代表作なので、ハルヒを演じられなかったら、今の私は無いと思います。私自身演じていて、どの役もすごく思い入れがあるのですけど、ハルヒは距離感がすごく近かったんですよ。自分自身と役の距離っていうのがすごく近くて、重ねられる部分も多かったので、演じやすいキャラクターだったと思います。
涼宮ハルヒ 劇場版&TVシリーズ

ハルヒを演じる前と後でご自身の中で変わったということがあったら教えて下さい。

まず、私のことを知ってくださる方がすごく増えました。主題歌も歌わせて頂いたり、色々な可能性をこの作品が与えてくれたと思っています。自分の音楽活動に影響したり、役への取り組み方とか何から何まで全部ハルヒが今の私に繋がっていると思います。ハルヒがあんな性格なので、物事をズバッと言うじゃないですか。躊躇せずに自分の意見を言えるのって、見ているこっちが気分が良くなるので、そういう女の子が回りにいたら友達になりたいと思いますし、私もハルヒのように主張していかなきゃなとは思いました。

初めてハルヒを演じた時の印象はどうだったのですか?

まず原作を読んだのですが、文字だけで見た時の印象があまりにも強すぎて、私だったらハルヒをどんな風に演じるだろうと凄く迷いました。やはり、女の子に好かれる女の子であって欲しいなという気持ちがあったりして。しかし、アニメの作画が出来て、表情がコロコロ変わる、ハツラツとしたハルヒを見たときに、やっと今のハルヒのイメージが湧いてきたんです。第1シリーズの時は時系列順に放送されたわけではなかったので、それが話題を呼んだりもしたんですけど、演じている私達も良く分からないまま、ぐちゃぐちゃの時系列で収録をしていたんですよ。なので、初めはキャラクターの距離感がまだ全然掴めない中でキャストとスタッフが一丸となりひとつひとつ積み重なって出来ていった作品だったなと思います。
涼宮ハルヒ役 平野綾 スペシャルインタビュー

「涼宮ハルヒの憂鬱」(2006年・2009年放送版)©2006谷川流・いとうのいぢ/ SOS団 ©2007,2008,2009谷川流・いとうのいぢ/SOS団
『涼宮ハルヒの消失』(2010年劇場版) ©2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS
「平野綾」撮影:中川容邦