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きょうのコラム「時鐘」 2011年10月2日
小紙松井番記者から聞いた話。試合前の打撃練習で、ピンポン球を打つように次々とスタンドに放り込む選手がいる。われらがゴジラではなく、イチロー選手
試合では一転、強打でなく巧打を選ぶ。人気稼業なのに、わが道を行く無愛想。周囲に肩透かしを食わせるのも、この選手の「魅力」だろう。連続200安打の記録が途絶えて「なぜか晴れやか」とは、なかなか言えない 試合に臨む時のように、「無念の談話」も入念に準備したのだろう。不調の時は「折れた心を元気な体が支えた」そうである。並の選手なら、強い心で体を支えたと言う。違うんだな、分かるかな、と少し得意げなイチロー選手の顔が浮かぶ つい最近、似たような言葉の勉強をした。「誠心誠意」ではなく「正心誠意」。違いについて聞かされたが、あいにく忘れた。口先だけでなく、実際にやってみせてくれないと、理解するのは難しい 「イチロー語録」は面白い。好調な出足がかえって誤った判断を招いた。そんな反省の弁もあった。これは分かる。過信は禁物、高い支持率は要注意。野球にも「正心誠意」にも通じるだろう。 |