乱脈経営により、先月19日に営業停止処分を受けた第一貯蓄銀行が、ソウル・江南地区の風俗店約70カ所に対し、1500億ウォン(約97億8200万円)以上の違法・不正な融資をしていたことが分かった。
ソウル地方警察庁の広域捜査隊は先月30日、第一貯蓄銀行のY専務(52)ら役員8人を書類送検した、と発表した。また、担保に関する書類を偽造したり、金額を水増しして融資を受けたりした風俗店の店主93人や、担保に関する書類を集めたY容疑者(58)、ブローカーのK容疑者(56)も書類送検した。
第一貯蓄銀行の役員8人は、2009年3月から今年1月にかけ、江南地区のルームサロン(高級個室バー)やナイトクラブなど73カ所に「江南風俗店特価商品」との名目で計1546億ウォン(約100億8200万円)の不正な融資をした疑いが持たれている。
警察によると、役員らは風俗店の店主らの信用状態や返済能力などについての審査が不十分なまま、信用調査書を偽造したり、店主らが従業員に給料の前貸しの形で金を貸した際に受け取った書類を担保にして巨額の融資を行った。店主らは、従業員たちが前借りの形で金を借りる際に作成する書類を偽造したり、金額を水増ししたりして、第一貯蓄銀行から容易に融資を受けていた。
警察は「店主らに違法な形で融資された1546億ウォンのうち1221億ウォン(約80億円)がまだ返済されていない。また、73カ所の風俗店のうち30カ所はすでに廃業し、25カ所は返済が不可能な状態に陥っている」と話した。
店主らは第一貯蓄銀行から融資された金で、個人の借金を返済したり、遊ぶための金として使っていた。このほか、風俗店を経営する「ヤンウニ派」「OB派」「中央洞派」「五差路派」などの暴力団も、同じ手口で第一貯蓄銀行から224億ウォン(約15億円)の融資を受け、流用していたことが分かった。