米債務上限法:オバマ大統領が署名し成立

2011年8月3日 11時25分 更新:8月3日 13時5分

米政府債務の上限引き上げ法案可決を受け、ホワイトハウスで記者会見するオバマ大統領=2011年8月2日、AP
米政府債務の上限引き上げ法案可決を受け、ホワイトハウスで記者会見するオバマ大統領=2011年8月2日、AP

 【ワシントン斉藤信宏】オバマ米大統領は2日、米議会を通過した政府債務上限引き上げ法案に署名し、同法が成立した。債務上限(現行14兆2940億ドル)を最低2.1兆ドル(約162兆円)引き上げることが可能となる。同法成立は米国債の債務不履行(デフォルト)回避期限当日という綱渡りだった。今後は年末に向けた財政赤字削減の抜本策に焦点が移るが、12年大統領選をにらみオバマ政権と共和党との攻防は一段と激化しそうだ。

 1日の下院での可決に続き2日の上院採決では賛成74、反対26で、賛成票が可決に必要な60票を大きく上回った。これを受けオバマ大統領は「第一歩だ。今後も一層の財政赤字削減に向け超党派で努力する必要がある」との声明を発表した。政府は直ちに4000億ドルの借り入れが可能になり、債務不履行は回避された。

 米政府は、債務上限引き上げと引き換えに財政赤字を今後10年間で9180億ドル削減する。これとは別に超党派の特別委員会が11月下旬までに1.5兆ドルの具体的な削減策を提案し、12月下旬までに米議会が採決に付す。赤字削減策を決められない場合、政府予算から最大1.2兆ドルの歳出が強制的に削減される(トリガー条項)。

 大統領の法案署名は政治的成果をアピールする機会として演出されることが多いが、今回はメディアには公開されず、報道官を通じて発表された。与野党合意には大統領が主張した富裕層への増税などが明記されず、不満から下院採決では与党・民主党の賛否が二分されるなど、大統領の不本意な気持ちをにじませた形だ。

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