最新号:2011年9月29日号
2011年5月19日号
「青パト」に正義感のせて
○…防犯ボランティアに若い世代を取り込もうと、警察庁が16歳から30歳未満の人に参加を呼びかけ、昨年8月に結成した「神奈川防犯シーガル隊」。その一部のメンバーとともに青色回転灯を自家用車に装備し、防犯パトロールを行う「青パト隊」を発足、自ら指揮を執って週2回程度、栄区やその周辺地域、繁華街のある中区の防犯パトロールに乗り出した。
○…昨年の夏、偶然目にした警察庁のホームページで「シーガル隊」の募集を知り、入隊。もともと防犯に関心があり、青パトにも興味を持っていた。昨年末のシーガル隊の活動時、居合わせた警察関係者に青パトの話をすると、「やりたい?できるよ」とその場で決まってしまった、と笑う。警察への申請・認可を経て巡回を始めたのは今年2月から。「意外と治安は良いが、放置自転車やバイクが多い」と地域の印象を話す。
○…巡回を始めて間もなく起きたのは大地震。大学の授業が休みで栄区内にいたこともあり、発生直後、警察署に駆け込み「何かできることはないか」と尋ねた。信号機が停電して渋滞が発生している交差点で、通りかかった友人とともに通電まで車両誘導にあたった。電車が止まり帰宅困難になった高齢者に「ずいぶん遠くの駅までの道を聞かれ、驚いた」という。手信号の意味を知らない一般ドライバーも多く、「もっと周知してほしい」と話す。
○…大学では法律を専攻し、ツーリングサークルの代表も務める3年生。間もなく就職活動も始まるが、子どもの頃から興味があった警察官の採用試験も受験するつもりだ。「正義感が強いと良く言われる。スーツ姿で犯人を捕まえる刑事に憧れる人が多いが、交通関係に興味がある。法律の知識や防犯活動の経験も生かせれば」と夢を抱く。「青パトなど、普通に生活していたらできないことが経験できることがシーガル隊の魅力」。若い仲間の参加を期待している。