【ワシントン宮崎昌治】米国で同性愛の世帯数が2010年に約64万6千となり、00年の調査より8割増加したことが国勢調査局の調査で分かった。米国では04年のマサチューセッツ州を皮切りに同性婚を合法化する州が増えているほか、軍も今月、同性愛の軍人を正式に認めたばかり。
調査によると、同性愛者の世帯数は64万6464。うち2割に当たる13万1729世帯が「結婚している」と答え、残る世帯は「未婚」と答えた。世帯数はカリフォルニア州が約9万8千で最も多く、ニューヨーク州、フロリダ州、テキサス州が4万台で続く。
00年調査で同性愛者の世帯数は約35万8千だったが、当時は同性愛の結婚は「違法」。その後、04年にマサチューセッツ州、08年にはコネティカット州、09年にアイオワ州とバーモント州、ニューハンプシャー州、首都ワシントンなどが次々と合法化。ニューヨーク州でも今年7月から合法となった。
他州に住んでいても、同性婚を認める州に婚姻届を出せば合法となるケースも多いため、同性愛者の結婚は全米に広がり、世帯数の増加を後押ししている。同局は「差別や偏見で同性愛を隠している世帯もあり、実数はさらに15%ほど多いだろう」と分析している。
同性愛をめぐっては、米軍も9月20日、同性愛を公表して軍務に就くことを禁じた「ドント・アスク・ドント・テル」(聞かず、言わず)と呼ばれる規制を正式に撤廃した。
=2011/10/01付 西日本新聞朝刊=