全日本空輸(ANA)が世界で初めて導入する最新鋭旅客機ボーイング787の1号機が28日、米国から羽田空港に到着した。機体の35%は日本製で、炭素繊維の複合材を使うなどして従来機より燃費が約2割改善した。ANA機のトイレには、TOTO(北九州市)が航空機用に開発した温水洗浄便座「ウォシュレット」が世界で初めて標準装備された。
温水洗浄便座の設置は「顧客からの要望」(ANA)に応えたもの。震動や気圧の変化など航空機ならではの厳しい使用環境に耐える製品をTOTOが3年がかりで開発した。787の開発は当初スケジュールより3年以上遅れ、温水洗浄便座は一足早くANA国際線用ボーイング777のビジネスクラス用トイレに一部設置済み。標準搭載される787では、水タンクが設置できない機体最後尾のトイレを除く6カ所に設置された。
ANAは10月26日の成田-香港のチャーター便で世界初の営業飛行を開始し、計55機導入する計画。日本航空も国際線用に35機導入予定で、両社の787全機に温水洗浄便座が搭載される。
787の発注は800機以上あり、TOTOは「世界に広がってほしい」と期待している。(坂田恵紀)
=2011/09/29付 西日本新聞朝刊=