やっと20歳を迎えた石川遼の酒、煙草、結婚観とは?
Number Web 9月30日(金)19時0分配信
その日の食卓にいつもとさして変わるところはなかった。あえて違いを挙げるとすれば、近所に住む母方の祖父母が遊びに来ていたこと。あとは風呂上がりにケーキと一緒にシャンパンと赤ワインのボトルが用意されていたことぐらいだった。
ANAオープンで国内今季4度目の予選落ちを喫して、何年かぶりに自宅で過ごした9月17日。石川遼は20歳の誕生日を迎えた。
15歳で「ハニカミ王子」として鮮烈にデビューしてからもう5年が経った。驚くべき成長曲線を描いてきた石川の大きな節目の日。しかし、部屋にいた妹や弟もことさらにバースデーソングを歌うこともなく、なんとなくリビングに集まって、なんとなく家族で一緒の時間を過ごした。
石川はシャンパンボトルを手に取って栓を開けると、グラスに注いだシャンパンをなめるようにして少しだけ口をつけた。
「なんか苦い。甘くないなあ」
それが“大人”になった石川の感想だった。
■勝利の美酒はOKでも勝利の紫煙は「絶対に吸わない」。
「優勝した後の1杯、というのをやってみたいとは思ってますよ。でも、問題はそれがいつおいしいと感じるかですよね。20歳になったからって急にお酒がおいしくなるわけじゃない。最初はコーラの方が絶対においしいと思う」
ツアー初出場で初優勝を飾ったマンシングウェアオープンKSBカップに始まり、10代のうちに勝ち取ったツアー優勝は9つ。勝利の美酒がコーラのおいしさを上回る時には、そこからいくつの優勝を積み上げているだろうか。
20歳になって解禁となるのはアルコールだけではない。たばこだって吸えるようになる。父・勝美さんをはじめ、サポートスタッフには喫煙者が多いため、石川は「僕の肺は真っ黒だと思いますよ」と苦笑いしていたこともあるほどだ。
ジュニアの頃から父がたばこを吸いながら運転する車に乗って各地を転戦していたし、プロゴルファーには精神安定剤的にたばこを吸う選手もいる。石川にとってたばこは決して縁遠いものではないはずだ。ただし、それで本人が吸うのかというとまた別の話らしい。
「近くで吸われるのが気になるんですよね。焼き肉みたいに臭いがつくじゃないですか。お父さんも最近は家では外に出て吸うようになったんですよ。今は吸う人はどんどん居場所がなくなってるし、肩身狭いでしょうね。まあ、僕は絶対に吸わないと思います」
勝利の美酒に酔いしれることはあっても、紫煙をくゆらせて勝利の味をかみしめる石川の姿は今後も見ることができないようだ。
■女性ファンには重要問題!? 石川遼の結婚観は……。
そして、これは20歳になってすぐというわけではないものの、石川もそのうち結婚して家庭をもつようになるだろう。果たして結婚というものに対しては、どんなイメージを抱いているのか。
プロ1年目の2008年、結婚式場を会場にして行われた日本プロ選手権の前夜祭で自らの結婚観を話していたことがある。
「僕は早く結婚したい。自分の夢を叶えてからですけどね。そんなことを言ってたら、ずっと結婚できないかな(笑)。目標を達成したら、そこから頑張れなくなりそうじゃないですか。だからその後は子供をつくって、いいお父さんになりたいです」
このときはまだ16歳の高校生。結婚観というほど立派なものではなかったかもしれないが、20歳になってあらためて尋ねてみた答えはこうだった。
「結婚は早くしたいですね。やっぱりモチベーションになると思う。子供はそうでもないかなあ。若いパパっていうのもかっこいいと思いますけど」
海外に目を向けると、同世代のロリー・マキロイが女子テニス世界ランク1位のキャロライン・ウォズニアッキとの熱愛を報じられた。世界的なアスリート・カップルながら本人たちも大っぴらに交際を認め、石川も「見ました。デート中にインタビュー受けたりしてましたよね」と苦笑するほどのアツアツぶりを見せつけている。
尊敬するタイガー・ウッズは女性問題で身を持ち崩し、プレジデンツカップでは多くの選手が夫人や恋人を同伴する姿も見てきた。そうした経験は少しずつ石川の結婚に対する考えを醸成してきているはずだ。
■20代の石川を待つのは甘い時か、「なんか苦い」日々か。
15歳で脚光を浴びたときから、石川は大人びた子供であった。その子供が大人としてどう成熟していくのかもまた興味深い。酒やたばことの付き合い方、そして結婚、もちろんゴルフがどう成長していくのかを含めての話である。
20歳になって最初の試合だったパナソニックオープンも優勝争いに絡むことのないまま34位に終わった。今季の石川はなかなか結果が出ずにもがき苦しんでいる。この先も誕生日に味わったシャンパンのように「なんか苦い」日々が続いていくのか。それとも10代と変わらずコーラのように爽快で甘い時間が続いていくのか。
20代の味はどんなものだったのかは、石川が30歳を迎えた時にぜひ聞いてみよう。
(「青春GOLF ――石川遼に密着!」雨宮圭吾 = 文)
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石川はシャンパンボトルを手に取って栓を開けると、グラスに注いだシャンパンをなめるようにして少しだけ口をつけた。
「なんか苦い。甘くないなあ」
それが“大人”になった石川の感想だった。
■勝利の美酒はOKでも勝利の紫煙は「絶対に吸わない」。
「優勝した後の1杯、というのをやってみたいとは思ってますよ。でも、問題はそれがいつおいしいと感じるかですよね。20歳になったからって急にお酒がおいしくなるわけじゃない。最初はコーラの方が絶対においしいと思う」
ツアー初出場で初優勝を飾ったマンシングウェアオープンKSBカップに始まり、10代のうちに勝ち取ったツアー優勝は9つ。勝利の美酒がコーラのおいしさを上回る時には、そこからいくつの優勝を積み上げているだろうか。
20歳になって解禁となるのはアルコールだけではない。たばこだって吸えるようになる。父・勝美さんをはじめ、サポートスタッフには喫煙者が多いため、石川は「僕の肺は真っ黒だと思いますよ」と苦笑いしていたこともあるほどだ。
ジュニアの頃から父がたばこを吸いながら運転する車に乗って各地を転戦していたし、プロゴルファーには精神安定剤的にたばこを吸う選手もいる。石川にとってたばこは決して縁遠いものではないはずだ。ただし、それで本人が吸うのかというとまた別の話らしい。
「近くで吸われるのが気になるんですよね。焼き肉みたいに臭いがつくじゃないですか。お父さんも最近は家では外に出て吸うようになったんですよ。今は吸う人はどんどん居場所がなくなってるし、肩身狭いでしょうね。まあ、僕は絶対に吸わないと思います」
勝利の美酒に酔いしれることはあっても、紫煙をくゆらせて勝利の味をかみしめる石川の姿は今後も見ることができないようだ。
■女性ファンには重要問題!? 石川遼の結婚観は……。
そして、これは20歳になってすぐというわけではないものの、石川もそのうち結婚して家庭をもつようになるだろう。果たして結婚というものに対しては、どんなイメージを抱いているのか。
プロ1年目の2008年、結婚式場を会場にして行われた日本プロ選手権の前夜祭で自らの結婚観を話していたことがある。
「僕は早く結婚したい。自分の夢を叶えてからですけどね。そんなことを言ってたら、ずっと結婚できないかな(笑)。目標を達成したら、そこから頑張れなくなりそうじゃないですか。だからその後は子供をつくって、いいお父さんになりたいです」
このときはまだ16歳の高校生。結婚観というほど立派なものではなかったかもしれないが、20歳になってあらためて尋ねてみた答えはこうだった。
「結婚は早くしたいですね。やっぱりモチベーションになると思う。子供はそうでもないかなあ。若いパパっていうのもかっこいいと思いますけど」
海外に目を向けると、同世代のロリー・マキロイが女子テニス世界ランク1位のキャロライン・ウォズニアッキとの熱愛を報じられた。世界的なアスリート・カップルながら本人たちも大っぴらに交際を認め、石川も「見ました。デート中にインタビュー受けたりしてましたよね」と苦笑するほどのアツアツぶりを見せつけている。
尊敬するタイガー・ウッズは女性問題で身を持ち崩し、プレジデンツカップでは多くの選手が夫人や恋人を同伴する姿も見てきた。そうした経験は少しずつ石川の結婚に対する考えを醸成してきているはずだ。
■20代の石川を待つのは甘い時か、「なんか苦い」日々か。
15歳で脚光を浴びたときから、石川は大人びた子供であった。その子供が大人としてどう成熟していくのかもまた興味深い。酒やたばことの付き合い方、そして結婚、もちろんゴルフがどう成長していくのかを含めての話である。
20歳になって最初の試合だったパナソニックオープンも優勝争いに絡むことのないまま34位に終わった。今季の石川はなかなか結果が出ずにもがき苦しんでいる。この先も誕生日に味わったシャンパンのように「なんか苦い」日々が続いていくのか。それとも10代と変わらずコーラのように爽快で甘い時間が続いていくのか。
20代の味はどんなものだったのかは、石川が30歳を迎えた時にぜひ聞いてみよう。
(「青春GOLF ――石川遼に密着!」雨宮圭吾 = 文)
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最終更新:9月30日(金)19時0分
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