番組・イベント最新情報「とれたてフジテレビ」
今年7月、人間国宝に認定された中村吉右衛門演じる火付盗賊改方長官・長谷川平蔵の活躍を描く『鬼平犯科帳』の新作が登場!
更新日:2011/09/05
金曜プレステージ
『鬼平犯科帳スペシャル~盗賊婚礼』
長谷川平蔵(中村吉右衛門)は先代の傘山に恩義を感じている長嶋の久五郎(松平 健)に身分を隠して接近する…。
薬種問屋の山城屋に泥棒が入った。平蔵は、大泥棒の二代目・弥太郎(市川染五郎)の仕業で、弥太郎が尾張の旅籠の娘・糸と婚礼を挙げることを知る。糸の正体を知った平蔵は…。
先代に恩義を感じている元盗賊、長嶋の久五郎を松平健が演じる。
9月30日(金)21時~22時52分
江戸時代後期、盗賊・凶賊たちから「鬼の平蔵」と恐れられた、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵を描いた池波正太郎の人気小説「鬼平犯科帳」。
1989年7月に中村吉右衛門主演でドラマがスタートしてから、これまでにレギュラー、スペシャルなど合わせて約150本を放送してきた人気時代劇だ。ファンの熱い要望に応え、4月15日(金)放送の『鬼平犯科帳スペシャル~一寸の虫』に続き、9月30日(金)に『鬼平犯科帳スペシャル~盗賊婚礼』<21時~22時52分>が放送される。
薬種問屋の山城屋に泥棒が入り、七百八十両が盗まれ、傘の絵の貼り紙が残されていた。十二年前、武州・川越城下の小間物屋、浅野屋が襲われた際にも傘の絵が残されており、傘山の弥兵衛という関東一円を荒らし回った大泥棒の仕業のようだ。長谷川平蔵(中村吉右衛門)は今回の盗みが二代目の傘山・弥太郎(市川染五郎)の仕業で、弥太郎は尾張の旅籠の娘・糸(黒川智花)と婚礼を挙げることを知る。糸の正体を知った平蔵は、先代の傘山に恩義を感じている長嶋の久五郎(松平 健)に身分を隠して接近する…。
今年7月、人間国宝に認定された中村吉右衛門は「これまで教えてくださった先輩たちや支援してくださった方々のおかげです。たいへん緊張しておりますし、責任が重くなったと感じております」と謙虚な姿勢を崩さない。ますます演技に円熟味を増す中村吉右衛門演じる長谷川平蔵の活躍を描く『鬼平犯科帳』の新作にご期待いただきたい。
コメント
長谷川平蔵 … 中村吉右衛門
人間国宝に認定され、ますます演技に円熟味を増す中村吉右衛門。
「今回はかつて大盗賊だった人の息子(市川染五郎)が跡目を継いで婚礼をするというのが大体の筋ですが、そこにさまざまな人間の葛藤がからみます。松平健さんにゲストに出ていただくのですが、松平さんとは初共演です。松平さんは足を洗った元盗賊で、礼儀正しいご本人とだぶる一途で真面目な男を演じてられています。松平さん演じる久五郎は命をかけて世話になった方の息子に尽くします。松平さんとのからみはそんなに多くはないのですが、鬼平と久五郎の間には心と心のぶつかりあいがあり、お互いに深く認め合うお芝居になっており、松平さんがすてきですのでぜひご覧いただきたく思います。久五郎が尽くす傘山の弥太郎を甥の市川染五郎が演じています。"殺さず、犯さず、貧しきからは盗らず"という三つのおきてを守っているのですが、婚礼が彼の不幸につながっていきます。言葉は変ですが、正しい盗賊をやろうとしているのが、染五郎の役です。日本人独特の人情はいつの世も忘れてはいけないものですので、時代劇を通して提示していきたいと思います。一作一作、新たな気持ちで臨んでいますので、どうぞ"鬼平犯科帳"をごひいきにしていただきたく思います。」
長嶋の久五郎 … 松平 健
先代の傘山に恩義を感じている元盗賊、長嶋の久五郎を松平健が演じる。
「時代劇は久しぶりでうれしいです。“鬼平”は吉右衛門さんのお父様のころから拝見していたのですが、出演できるとは思いませんでした。楽しくやらせていただいております。時代劇はいいですね。吉右衛門さんとは初共演で緊張しましたが、たいへん気さくな方で、いろいろな話をしていただき、気を遣っていただきました。吉右衛門さんの舞台は拝見しているのですが、“鬼平”は舞台とは違うリアルなお芝居でちゃめっ気のようなものを感じました。私が演じる久五郎は元盗賊の役で、裏街道を歩いてきたので、姿勢的に猫背になっています。殿様の時は、背筋がぴーんとなり、裏街道の方の演技を観察していました(笑)。いろいろな役をやりたいので、元盗賊の役はとまどいはないですね。久五郎は義理人情を重んじる人物です。“鬼平”の魅力は、吉右衛門さん演じる長谷川平蔵がまさにぴったりはまっており、日本人の根本にある人情がたっぷり入っている点、大人の世界であることだと思います。今回はまた新たな松平健をお見せできると思いますので、ぜひご覧ください。」
傘山の弥太郎 … 市川染五郎
大盗賊の二代目、傘山の弥太郎を演じる市川染五郎。
「2008年放送の“引き込み女”以来、二度目の“鬼平犯科帳”出演となりますが、違った役で鬼平に参加でき、うれしく思います。私が演じる弥太郎は盗賊の頭の二代目で、盗賊なりの信念、理不尽な盗みはしないという盗っ人なりの規律、厳しさを持っています。人間的な部分が描かれる役どころをうまく表現できればと思います。吉右衛門さんは舞台では数々共演しておりますが、私には手の内というほどの手の内はないのですが、役者としての自分の性質を知っているので、見透かされる緊張感があります。今回、松平健さんが元盗賊で出演されるのですが、“鬼平”ならではの男のかっこいい生きざまが描かれています。人生の経験をたくさんしてきたが、不器用で人間臭い役を松平さんが演じられています。“鬼平”の魅力は“善”は“善”、“悪”は“悪”とオールオアナッシングではなく、“悪”も人間なんだというように余韻を感じさせられるところだと思います。」
あらすじ
薬種問屋の山城屋に夜、泥棒が入った。主人の文蔵夫妻は全く気付かず、翌朝、文蔵と番頭二人が商いに使う一日分の金子を引き出すために金蔵に入って初めてわかった。火付け盗賊改方長官の長谷川平蔵(中村吉右衛門)らが山城屋で現場検証を行っている。盗み取られた金は七百八十両。賊は傘の絵の貼り紙を残していた。そして、下働きの女が姿を消していた。主人の文蔵によると、居なくなった娘はお粂(田村友里)といい、山城屋で足かけ四年も働いている正直者で、親元も素性が確かで、由松という男やもめの一人娘だそうだ。その二人が真の親子かといぶかった平蔵は、与力の木村忠吾(尾美としのり)と同心の三井忠次郎(中村吉之助)に調べさせる。お粂の実家は下総葛飾郡・八幡宿にあって、煮売り屋の小店を営んでいるという。由松は山城屋が襲われた前日には家をたたみ、近所の人たちには生まれ故郷の信州へ帰ると言い、姿を消していた。盗みに入るための引き込み女を山城屋に奉公させるために親元まで作り、五年も歳月をかける。近ごろ、珍しい本格的な盗めだ。
酒井祐助(勝野洋)が平蔵の居間に入ってきて、二枚の傘の絵を差し出す。一枚は昨夜、山城屋の金蔵に残されていたもの。もう一枚は、十二年前、武州・川越城下の小間物屋、浅野屋が襲われた際のものだ。犯人は今も挙がっていないが、当時の川越藩の厳しい探索で、絵の謎解きはできていた。傘山の弥兵衛という関東一円を荒らし回った大泥棒で、五十人からの手下がいるらしい。十二年前も家人の全く気付かないうちに千二百両を盗み取って、煙のごとく消えたという。
駒込の山里にポツンと一軒、田舎風の店構えの料理屋「瓢箪屋」。のれんを分けて、旅姿の男が入ってくる。長嶋の久五郎(松平健)が勘助(中村歌六)に会いに来たのだ。久五郎は尾州名古屋の鳴海の繁蔵(布施博)の使いで、傘山の弥太郎(市川染五郎)から、明後日に返事を欲しいとのことだ。勘助は、傘山の二代目(弥太郎)は先代にそっくりになってきたと話す。久五郎は傘山の先代に恩義があるようだ。
鳴海の繁蔵からの手紙を読んだ弥太郎は、手紙の中に書いてある婚礼のことは本当だと勘助に話す。八年前、傘山の先代が亡くなる時の遺言で、鳴海の先代と親同士の約束をしたという。嫁に決めたといわれても、相手もまだ十か十一の娘で、手紙を見て、思い出したという。名前は糸(黒川智花)で、今の鳴海の二代目の妹だ。鳴海の先代は傘山の先代と同様、立派な盗賊で、盗っ人稼業をしながらも「殺さず、犯さず、貧しきからは盗らず」の方針だったが、鳴海の二代目には悪いうわさがあるという。
村松忠之進(沼田爆)の薦めで、瓢箪屋を訪れた平蔵は味には満足したが、主の勘助の足さばきから、何者かの盗っ人宿だとにらむ。平蔵は伊三次(三浦浩一)に瓢箪屋の正体を気付かれぬようにじっくりと時間をかけて調べることを命じる。
傘山の二代目の返事を持った久五郎が、鳴海の二代目を訪れる。糸を嫁にもらうが、稼業でのお付き合いは辞退したいというのだ。鳴海の二代目は怒りを覚える。
伊三次は傘山の二代目が尾張の旅籠の娘と婚礼を挙げることをつかんだと平蔵に報告する。瓢箪屋に打ち込んで締め上げて吐かせると意気込む酒井に対して、平蔵は「盗賊の婚礼、見てみたかねえか?」と言う。さらに、傘山の二代目と婚礼を挙げる糸という娘の正体を知った平蔵は、先代の傘山に恩義を感じている久五郎に身分を隠して接近する…。
先代の傘山に恩義を感じている元盗賊、長嶋の久五郎を松平健が演じる。
傘山の弥太郎(市川染五郎)は二代目・鳴海の繁蔵(布施 博)の妹の糸(黒川智花)と婚約をあげるが…。
番組概要
タイトル
『鬼平犯科帳スペシャル~盗賊婚礼』
放送日時
9月30日(金)21時~22時52分
キャスト
長谷川平蔵 … 中村吉右衛門
久栄 … 多岐川裕美
小林金弥 … 中村又五郎
酒井祐助 … 勝野 洋
木村忠吾 … 尾美としのり
小房の粂八 … 蟹江敬三
伊三次 … 三浦浩一
大滝の五郎蔵 … 綿引勝彦
おまさ … 梶 芽衣子
傘山の弥太郎 … 市川染五郎
勘助 … 中村歌六
鳴海の繁蔵 … 布施 博
長嶋の久五郎 … 松平 健
ほか
スタッフ
- 企画
- 能村庸一
武田 功(松竹) - プロデューサー
- 成河広明
佐生哲雄(松竹)
足立弘平(松竹) - 原作
- 池波正太郎「盗賊婚礼」(文春文庫刊)
- 脚本
- 古田 求
- 音楽
- 津島利章
- 美術監修
- 西岡善信
- 監督
- 石原 興
- 制作
- フジテレビ
松竹
2011年9月5日発行「パブペパNo.11-215」 フジテレビ広報部 ※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。