アメリカ西部の農場がことし7月以降に出荷したメロンからリステリアという食中毒の原因となる細菌が検出され、これまでに全米でこのメロンを食べた13人が死亡したことが確認されました。
アメリカのCDC=疾病対策センターによりますと、西部コロラド州のグラナダにある農場がことし7月以降に出荷したメロンを食べた人が発熱やおう吐などの症状を訴えていたことから、調査したところ、メロンや農場の施設から「リステリア」という食中毒の原因となる細菌が検出されました。CDCによりますと、これまでにこのメロンを食べてリステリア菌に感染した人は、全米の18の州で合わせて72人に上り、このうち60歳以上の男女を中心に13人の死亡が確認されたということです。この農場は今月14日以降、メロンの自主回収や廃棄処分を進めていますが、CDCでは引き続き消費者に対して警戒を呼びかけています。リステリア菌は、自然界に広く存在する細菌で、高齢者や妊婦、乳幼児などが感染しやすく、アメリカでは過去にもチーズやホットドッグなどの食べ物を通じて集団感染が起き、多数の死者が出ています。リステリアは、自然界の土壌や水の中に広く分布する細菌で食品などを介して感染すると発熱や吐き気、それに下痢といった症状が出るほか、重症化すると髄膜炎や敗血症を引き起こすこともあります。厚生労働省の研究班によりますと、国内では平成13年に北海道でナチュラルチーズを食べた38人が感染して発熱などを訴えた集団食中毒とみられる事例が確認されているということです。
厚生労働省によりますと、今回、感染の原因となったアメリカの農場のメロンは輸入されていないということです。