中国は、独自の宇宙ステーション建設に向けた第一歩となる実験機の打ち上げを、29日夜、行いました。実験機は予定どおり分離され、打ち上げは成功しました。今後2か月以内に、中国としては初めての宇宙空間でのドッキングを行う計画です。
打ち上げは、中国内陸部にある酒泉衛星発射センターで行われ、日本時間の午後10時16分、宇宙ステーションの実験機「天宮1号」を載せたロケットが発射台を離れました。ロケットは順調に上昇し、実験機は予定どおり分離され、打ち上げは成功しました。「天宮1号」は、ほかの宇宙船とドッキングを行う際の目標となるもので、今後2か月以内に中国としては初めての宇宙空間でのドッキングを行う計画です。今回の打ち上げは、中国政府が2020年ごろに実現を目指す独自の宇宙ステーション建設への第一歩となるもので、酒泉衛星発射センターでは温家宝首相が打ち上げの様子を見守りました。中国は来月1日が建国記念日の「国慶節」で、このタイミングでの打ち上げは、宇宙開発技術の進歩をアピールし、国威発揚を図るねらいがあるとみられます。一方で、中国の宇宙開発は軍事分野との密接な関わりが指摘されていて、今後、軍事利用につながることへの警戒感が国際社会で強まることも予想されます。