I-RabBits


ライブバンドとして進化、よりLOUDに、PUNKに、エモーショナルに、
アグレッシブになったI-RabBitsの勢いを凝縮したフルアルバム!


 ピアノエモーショナルロックバンドI-RabBits(アイラビッツ)。今夏は『COMIN’KOBE”11』、『京都大作戦』『FREEDOM NAGOYA'2011』、『長田大行進曲 2011』と数々のフェスに出演し、ガールズバンドの概念を根底から覆すライブでオーディエンス、出演者、関係者から絶賛。5回目となる主催イベント『響姫祭』(渋谷3会場同時開催)も大成功に収めた。そんな彼女らが3年ぶりにリリースしたMini Album『I LOVE IT』もロングセールスと続ける中、9月にはLIVE BEST ALBUMを限定販売! そして10/19には2nd Full Album『FREASURE』を発売する。

 

■6月ぶりのインタビュー(7月、JUICE WEB限定インタビュー)以来ですので、やはりまず、『京都大作戦』のことについてお伺いしたいですが。

マイコ:
『京都大作戦』はもうなんか、ドリーム! でしたね!! バックステージの屋台は無料で食べ放題、飲み放題で……

イノ:
そんな裏話?(笑)それを広げるんだったら、こいつ(※マイコ)「全種類制覇する!」って……

みづき:
冷しマンゴー(※マイコの大好物)があるの見て、「絶対食うだろうなって」。

マイコ:
3回くらい食べました!!(笑)

■屋台、全メニュー制覇したんですか!? 凄い種類ありましたよね!?

マイコ:
イノとかが食べてるのを少し貰ったりっていうのを入れれば、全部制覇したと思います!

イノ:
「おかげで太った」って(笑)。

■あの炎天下の2日間、野外にいて、動き回って、ライブもやって、太ったって……(笑)。

マイコ:
2日間、夢のようだったんですけど、帰って体重を見て、「夢じゃなかった」って(笑)。

■えーっと、ライブの話とかを聞かせて頂いてもいいですか?(笑)

マイコ:
あ、はい(笑)。『牛若ノ舞台』っていう小さい方のステージではあったんですけど、最初お客さん50人くらいだったんですよ。

イノ:
ちょうど難波章浩さんのライブの時間(※メインステージと交互の開演)だったので、セッティング中はもう人が全然いなくて。

マイコ:
これはもしかしたら『京都大作戦』史上最少動員を記録しちゃうんじゃないかって。でも、リハーサルで“未完成なあいのうた”を歌ってる間に、どわどわ人が入ってきてくれて。最終的には2,000人くらいなってたみたいで。ありがたかったです。音楽に対して純粋な人が集まってるなーって感じてて。いい音楽をやったらそこに集まってくれるし、いいこと(パフォーマンス)やったら感じてくれるし、何の壁もなくそこに飛び込んで来てくれて。だからいつも以上にいいライブが出来たと思います。

イノ:
マイコが客席の真ん中まで……騎馬戦?

マイコ:
違う、あん時は肩車!

■そうそう! それもアイラビのファンじゃない、初めて見る人を、一番背が高いというだけの理由で指名して肩車してもらったんですよね!?(笑)

マイコ:
そうだったみたいです(笑)。

イノ:
2日間ライブを見た中で一番良かったですとか言ってくれる人もいて。

マイコ:
うんうん! 「ベストアクトでした」って。

イノ:
個人的にはセッティングの時にRIZEのKenKenが目の前にいて、めっちゃくちゃ緊張しました。

■大ファンなんですよね?(笑)

イノ:
はい。スタッフの人に「ベースの音ください!」って言われて心臓がボワって、飛び出るぐらい(笑)。KenKen見てるし! って。おかげで本番は全然緊張しなかったんですけどね。

みづき:
本番で一番緊張してたのはマイコですね。

イノ:
ステージ出てった瞬間に、もう全然段取り覚えてない感じで。なんでそこでクルクル回ってんの? みたいな(笑)

マイコ:
フワフワしてましたねー! でもいい意味でブチ切れて……怒ってるって意味じゃなくて、線が1本切れて、いい感じのライブが出来たんじゃないかなって(笑)。フワフワしてましたねー……なんかもう、夢みたいで。

みづき:
夢みたいだったね。

トモ:
『京都大作戦』終わって、社長が「夢は終わっちまったな」ってつぶやいてたのが印象的でした(笑)。

マイコ:
でもKYOTO MUSEっていうライブハウスの店長さんが「“大作戦ドリーム”を続けていこう」って、『京都大作戦』で無料チケットを配って後日フリーライブをするという企画を立ててくれたんです。でも無料って怖くて、当日までどれくらいのお客さんが来てくれるかわからない訳ですよ。だからドキドキしてたんですけど、ふたを開けてみればもう、パンッパンで。半年前、2月に『I LOVE IT』のツアーで初めてKYOTO MUSEに出たときは20人だったお客さんが、200人以上に膨らんだんです。これはもう、“京都大作戦ドリーム”としか言いようがないですよね。

■つなげていかないといけないですね! そして7/24には名古屋の野外フェス『FREEDOM』にも出て。その時が、さっき出た“騎馬戦”ですよね?(笑)

マイコ:
はい、客席に出ようとしたらファンの人が率先して騎馬戦みたいに腕を組んでくれて、そこに乗ったんですけど、実質、足だけ持ってる人とかいて、4人いても、1人に重みがかかってて(笑)。

■皆さん、中学、高校時代を思い出してやってみたけど、正しい形になってなかった、みたいな(笑)。

マイコ:
野外フェスはハマリますね! ちょっと違う感覚があって。お客さんもたぶんそういうのを楽しみに来てると思うんですけど。

イノ:
フリーダム……(笑)。
(※突然ボソっとしゃべって笑い出したイノ氏)

■どうしました? 突然!

イノ:
ステージから見て右側が芝生の土手だったんですけど、寝転がった状態で曲に合わせてゴロゴロと上から転がってくる人達がいて。

みづき:
新しい盛り上がり方してたよね(笑)。

イノ:
モッシュ、ダイブに続く“ゴロゴロ”!

■それ、気づきませんでした! 見たかった!(笑) 『FREEDOM』の時のI-RabBitsのライブの時に印象深かったのは、マイコちゃんが騎馬で客席に降りて訴えかけて、歌った時に、うんと後方の土手から沢山の人が近くで見ようと駆け下りてきてたことと、イノくん落下事件ですね(笑)。

イノ:
落ちましたねー。忘れられない……始まってダーンって音を出した瞬間に落ちました(笑)。

みづき:
ステージ上から姿を消しましたから。

マイコ:
たまってたよね。

みづき:
ライブやりたい欲が。

トモ:
ちょうどレコーディング中だったんですよ。

マイコ:
それで勢い余ってイノは落ちちゃった訳だけど(笑)。

イノ:
ハッハッハッハッ!(爆笑)

マイコ:
いやメンバー同士、たまってたのは知ってたから、でもまさかイノが始まって30秒でステージから飛び降りてフロアに突っ込んでくって! どんだけたまってたんだ! 発射しすぎだろ! って思ってたら。単純にコケてたっていう(笑)。

イノ:
ベースを必死に守りながら(笑)。あれは、ギリギリ前に行こうとしてステージのふちにあったケーブルに足を乗せちゃって……。

マイコ:
あれ結構ステージ高かったからね! メインステージだったから。

トモ:
落ちた瞬間のイノと目が合ったんですよ。まんまるい目してました。自分でも何が起こったかわからない、みたいな(全員爆笑)。

マイコ:
とっさに(ベース)弾いたの?

イノ:
覚えてない……でもちょうど煽ってるところだったから問題なかった(弾いてなくても)……で、ステージに上がって、みづきに「入るよ」って合図して。

みづき:
これほんとに続けていいのかなーって思ってて。「大丈夫!?」って(笑)。

イノ:
後ろ振り返って「大丈夫!」って(笑)。で、もう開き直って最前に行こうと思って。

■結果的に、そういうの含めて、いつも以上に勢いのあるライブになった訳ですね(笑)。背中の擦り傷、スゴかったですけど(笑)。夏休みの良い思い出ですよね!(笑)

マイコ:
フェスは夏休みって感じしますよね!! ウチらレコーディングもしてたから、ぶっちゃけこの夏はプライベートな時間が全然なくて、フェスが夏休みの思い出です!

■正直、数年前に初めてライブを見たときから気になるバンドではありましたが、こんなにもフェス、野外イベントが似合う“ライブバンド”になるとは思いもしませんでした。1年くらい前から、ライブごとにみるみる変化してきたように感じてますが、意識の変化とかキッカケとかはあったんですか?

マイコ:
やっぱり10-FEETとの出逢いはデカかったですね。対バンさせて頂いて、何が凄いってお客の顔がハンパなくいいんですよ! ライブ感っていうか……ライブってこうだよなー、みたいな。モッシュやダイブがどうとかってよりも、テンション振り切ってるときの人間の顔って、MAXイイ顔になるんで。その顔が見たいっていうのが単純にありますね。モッシュが起こる起こらないじゃなくて、モッシュしたくなるくらい興奮するライブをしたい。

イノ:
ウチらも、8/12の京都のフリーライブ、『アフター響姫祭』のアンコールでPV撮影をさせてもらったんですけど、フロアで一緒になってモッシュとかしてみて……モッシュとかダイブとかワチャワチャになってる感じは楽しかったんですけど、1曲でバテました。フラフラになりました(笑)。

マイコ:
あれをやり続けてるお客さんは凄い!!(笑)

■メンバーがフロアでそんなんなってるPVなんですね!(笑)

トモ:
演奏シーンも撮って、曲を流しながらお客さんに混じって暴れてる映像も撮ったんです。

マイコ:
お客さんが本気なんで!!

■ワンマンライブのアンコールのテンションですしね!

イノ:
最終的に僕はハジキ出されて後ろの方にいました(笑)。

みづき:
メンバーがどこにいるか探すのが難しいかもしれないです(笑)。

トモ:
僕はすぐ見つかるかも(笑)。

■え、それは?

マイコ:
あ! ダイブしてた!! (笑)

■えー!! 意外!! メンバー4人の中でも一番意外!!(笑)

トモ:
僕もそんなつもりなくて、両隣のお客さんと肩組んでたんですよ。そしたら後ろの人に背中ガンって持ち上げられて……。

マイコ:
で、そのトモさんのダイブ、私、支えてました!(笑)

トモ:
(ダイブの)ルールとか全然わかんなくて、ワンコーラスとかで降ろしてくれるのかと思ったら全然降ろしてくれなくて、もうずーっと(笑)。

マイコ:
そんな『アフター響姫祭』も含めて“京都ドリーム”ですね。

■この後『響姫祭』の話も聞こうと思ってたんですが、その話で思い出しましたけど『響姫祭』でマイコさん、フロアに降りて「本気でかかってきて!」とか言って、モッシュ始まった瞬間に思いっきり体当たりされてふっとばされてましたよね!(笑)

マイコ:
はい(笑)。ふっとんだ後、見えなくなるっていう……私ちっこいんで(笑)。

イノ:
歌声が力ないなぁとは思ってたけど。

マイコ:
違うの、顔とマイクの間に人が入っちゃって、マイクに声が届かなくて。

みづき:
演奏は普通にやってたので、だんだん「これどうなるのかな?」って(笑)。

■そんなこともありつつ(笑)、『響姫祭』、5回目、どんどん良いイベントになってきましたねー!

イノ:
『響姫祭』も『京都大作戦』の影響は多々ありますね!

トモ:
冷しきゅうりとか(笑)。

イノ:
そうめんとか(笑)。

■そこ!?(笑) もっとイベントとして何か、みたいな話が欲しいです!!(笑)

みづき:
お客さんの盛り上がり方が変わった気がしますね。当たり前のようにモッシュ、ダイブが起こったり。

イノ:
サブタイトルもついちゃったし。

マイコ:
「五回目も豪快に! お淑やかじゃなくてごめんな祭」……『京都大作戦』に出ちゃった年の『響姫祭』ってコトで記念の意味も込めて、TAKUMAさん公認でパクらせてもらいました(笑)。

■出演したバンドさんの反応は?

マイコ:
打上げでしゃべってて、みんな「来年も出たい!」って言ってくれて。一緒に『響姫祭』を大きくようとしてくれて、「いつか武道館でやってほしい」、「その時に自分がそこに立っていられるように頑張りたい」って。なんか嬉しいですよね。自分達だけじゃ出来なくても、こんだけ集まって一緒にやってくれる人がいたら、やれる気がするって。思いました……イノが暴れてる傍らで(笑)。

イノ:
記憶がないんですよねー。起きたら体の左側が動かなくて。階段から落ちたのかなーと思ったら、机にダイブしてたらしいです(苦笑)。

■いいイベントだったからこそ、ハジけるのもわかりますが、体は大事にして下さいね(笑)。

イノ:
あ、でも強そうになってました。腹筋割れてたし。(※おなかに落書きされてたそうです)

みづき:
体の中心部に「命」って書かれてたりね。

■中心部……(笑)。打上げ参加できなかったのが残念です(笑)。

マイコ:
『響姫祭』は、来年はもっともっとデカくしたいですねー! しなきゃいかんですねー。

■次回は名古屋?

マイコ:
あ、今後は年1回、渋谷になりそうです。その分、力を注いで。

イノ:
密度濃く!

みづき:
もっと土台の所から確固たるものを作っていかないと、と。

マイコ:
今回が大成功だったからこそ、それを超えるためには次に何をしようか、っていう、楽しみと、闘志と。

■JUICE10月号が発行される時には終わってますが、『長田大行進曲2011』も出演されるんですよね!

マイコ:
そうなんです! これも衝撃的だったんですけど、5月の『COMIN’KOBE』というフェスに出た時にガガガSPの前田さんがライブを見て下さってて、太陽と虎というライブハウスでI-RabBitsの連絡先を聞いて下さって、直々にオファーを頂いたんですよ! 「こう見えてピアノロックっていうジャンルが好きなんやー」って! あの豪華な出演者、少ない枠の中に選んでもらえた事が、ほんとに嬉しいなと。

みづき:
ライブもですけど、マイコの人間の部分もあったみたいですね。

イノ:
COMIN’KOBEのステージでマイコが「夢は叶う!」って大絶叫してね。

マイコ:
してたね!(笑)あれ、盛岡まで響いてたらしいから!

全員:
えー!?(笑)

マイコ:
いや、ほんとほんと! Ustreamでパブリックビューイングで中継されてたみたいで。盛岡にライブに行った時に、お客さんに「見てましたー!」って言われて。

■そうなんだ!! やーでも、去年から、2011年は兎年だし、久しぶりのリリースもあるし、I-RabBits、飛躍の年にする! って話を聞いてましたが、ほんとに飛躍してますよね!

マイコ:
ですよね!? やっぱキテますよね!?

■自分で「キテる」って言っちゃってるし!(全員爆笑)

マイコ:
ツアーに行って、ウチらの歌を知ってくれてるお客さんが増えたのも嬉しいし、ウチらとやりたいって言ってくれるバンドが各地に増えたのも嬉しいし。このまま突っ走りたいですね!

イノ:
最速のスピードで!

■最速のスピードで!(笑)(※“未来地図”歌詞より)そしてリリースも続きますが、9/7にはライブCDが。

マイコ:
はい。5月29日に代官山UNITでワンマンをやった時に、全国のお客さんからワンマンが見たいっていう声がたくさん届いて。で、6月24日に追加ワンマンをやったんですけど、それも東京だから誰もが来れる訳じゃなくて。で、6月24日にやった内容も、7年間やってきてのベスト的な内容だったので、じゃあこれをCDにしようって。

イノ:
新しい曲と昔の曲10曲ずつやったんです。だからほんとは全曲入れたかったんですけど、CDの容量的に入らないので、悩んで悩んで、ギリギリまで悩んで、74分ジャストにまとめました。昔のアルバムがもう手に入らないって言われることもあったし、これが出せて良かったなと。

■お客さんの声とかもすごい入ってて、臨場感あるし、7年前とは声も演奏のクオリティも変わってるから、ライブの人気曲が新たにCDになったことは、CDを持ってる昔からのファンにも嬉しいと思います!

イノ:
変わった部分もあるけど、でもウチらの根源的な部分は変わってないってことを伝える意味でも、このタイミングで出せて良かったです。

■そしてフルアルバム、『FREASURE(フレジャー)』!『TREASURE(宝物)』、『PLEASURE(歓喜)』、『FRIEND(友達)』の造語だそうですが、どういう思いでこのタイトルに?

イノ:
スタジオに(マンガの)ワンピースが置いてあって、やたら盛り上がってて、『TREASURE』にしようかとか言ってたんだよね。でもそれじゃああんまりっつって。

マイコ:
で、今回『フレンド』っていうのがテーマにあって。2曲目の“WABF”も、「WE AER BEST FRIENDS」ですし。盟友のバンドが活動休止ってことがあったりして、いろんな思いを込めてフレンドってことを盛り込みたかったんです。でも“WABF”は、なかなか歌詞が書けなくて、私のベストフレンドであるメンバーに協力してもらって書き上げたんですけどね(笑)。

■“WABF”はライブで聴いてたのですが、歌詞を読みながらCDを聴いて、改めて良い曲、良い歌詞だなぁと思いました。すごいパワー溢れる応援歌で。

イノ:
歌詞はレコーディング最終日にも上がってなくて。

マイコ:
メンバーみんなで夜なべして歌詞を書き上げて、そのまま名古屋へ行って『FREEDOM』に出て、ほんとは東京に戻る予定だったのを、また大阪のレコーディングスタジオに戻って歌入れをしたんです。

イノ:
「私、ライブってものを忘れてた! これでいい歌が歌える!」とか言って。

■じゃあレコーディングが予定通りに終わらなくて良かった、結果オーライってことですね!(笑)

マイコ:
そうなんですよ! 『FREEDOM』の後だからこそ歌えた歌なんですよ! 人生なんてそんなもんだと思うんですよ! その時は失敗だと思っても、後で考えれば「あれがキッカケだったやん、絶好の!」っていう。

イノ:
……それでいいと思います(苦笑)。

■でもほんと、CDからもライブ感が伝わってくる感じで。

マイコ:
お客さんがライブで盛り上がってるのを思い浮かべながら書きましたし、歌いましたから!

イノ:
とりあえずライブでやるようなことを全部やれるような。

■うんうん、モッシュにダイブ、更にヘドヴァン! みたいな(笑)。


マイコ:
ROTTENGRAFFTYの影響も大きいかもしれないですねー!

■ロットンも京都ですよね! やっぱり京都ドリームだ!


マイコ:
ウチらスポンジなんで! カッコいいと思ったものは何でも吸収してしまう、そういうスタンスなんです。

■私はライブもいっぱいお邪魔してるし、どんどん変化していくアイラビを目の当たりにしてて、どんどん期待もしてきて、今回のアルバムは期待通り……期待以上でした!


マイコ:
周りの人に聴いてもらった段階で、“未来地図”は皆、驚いてくれたみたいで。“ゴーインマイウェイ”ぶりのイノとの共作で、歌詞は私が書いてるんですけど、ミラクルなパターンなんですよ。イノが曲の主軸をとる場合、大抵オケが先に出来上がって、メロディーと歌詞を私が後から載っけるんですけど、正直オケの時点でカッコ良すぎて私が悩むっていう。このカッコいいオケに何かいいもん載せたいなーと思えば思うほど悩んで。だから“ゴーンマイウェイ”の時もそうだったんですけど、レコーディングの時点ではメンバー皆メロディー知らず、歌詞も知らずでオケのカッコ良さだけを録るんですよ。私が歌入れする時になって、初めて歌を知るっていう(笑)。

みづき:
でもその分、自由に、好き放題出来る部分があって。

マイコ:
そう、だからノビノビ感が出てるって思うんですよね。歌に縛られず。で、それを聴きつつ私も歌を考えて。

■歌詞が、今だから書けた歌詞なのかなって感じました。


マイコ:
そうですねー!! いい意味で焦りが消えた 焦りがどこから来るかって言ったら、自分の中で理想の道、近道を想定してて、それと比べると自分達は遠回りしてるんじゃないかって思っちゃってたんですけど、遠回りと思った道を通ったからこその出逢いがあったり……『京都大作戦』もそうですし、見つけられたものがあったりして。だから、どんな道を通ってもそれは遠回りなんかじゃなくて、生きてる限り色んな景色を見ていけたら幸せだなって思えるようになったら焦りが消えて。いい感じで音楽活動やライブが出来るようになったんですよね。そういう思いを歌詞に詰め込みました……ね、イノくん?

イノ:
そうらしいです(笑)。

みづき:
歌詞で思い出したけど、“WABF”の歌詞をギリギリ追いつめられて皆で夜なべして書いてる時、Aメロがすっごいくだらない歌詞になりかけたよね。(イノ、笑いながら崩れ落ちる)もうこれで良くね?みたいになってて。あれ危険だったよね?

トモ:
バナナボートでどっぴんしゃんどっぴんしゃんして……

マイコ:
こんなに4人で書くこと珍しいから楽しくなってきちゃって(笑)。

みづき:
また「バナナボートでどっぴんしゃん」の語呂が良かったんだよね。

マイコ:
で、「どっぴんしゃんって何だっけ?」「ずいずいずっころばしだよ!」ってなって、ずいずいずっころばしの意味調べたりして。超くだらない歌詞になってましたね(笑)。

イノ:
朝の4時、5時までやってたんですけど、この曲、展開が超多いじゃないですか。Aメロ、Bメロ、Cメロ、Dメロ、Eメロぐらいまであるんですよ。だからちゃんと歌詞の流れを作るのが凄い難しくて。だから「語呂がいい、語呂がいい」でメロにはまる歌詞が出来てくんですけど、「こっからここ、意味つながんなくね?」ってなっちゃって。

マイコ:
でも最終的に奇跡的に意味がつながったんだよね!

イノ:
おーっ!! みたいな(笑)。

■じゃあこのいい感じの流れの歌詞は、奇跡、偶然の産物なんだ(笑)。


マイコ:
それは否めないです(笑)。でも思いはあったんですよ! こういう歌詞にしたい、みたいな。私が主軸はとってるんで。で、3人が好き放題バカ言ってる中、私はちゃんと舵をとってるつもりだったんです。だから私はちゃんとやってたよ!

イノ:
よく言うよー!

マイコ:
意図的に皆の意見に馬鹿ノリしつつ、

■いろんなアイデアを引き出しつつ、ふくらませつつ、ちゃんと軌道修正はしてた、と(笑)。


イノ:
やーでも、AメロBメロCメロ、「いっせーのせ、レディゴーレディゴー」までの歌詞が結構もう意味が出来上がっちゃってたんですよ。で、あと2展開あるのに、どういう歌詞つければいいんだろう? って、すーごい苦労したのを覚えてます。

マイコ:
その後半2展開、ほぼ私、書いたよ!(←やたら得意気)

イノ:
あれは確かに、よくハマったなと。

マイコ:
そこはもう、尊敬してほしいとこ! 歌詞を書く先輩としてね!(笑)

■そうそう、「いっせーのせ!」のとこ、一体感あってすごいいいなと。


マイコ:
実はI-RabBItsのインディーズデビューのCDに“純情ダンス”っていう曲があって、「いっせーのーせ」使ってて、結構、私達にとって原点的な掛け声なんですよ。「ワン、ツー、スリー、フォー」とか「スリー、ツー、ワン、ゴー!」とか、そういうカッコいい系じゃないよね、I-RabBits、とか言って(笑)。

イノ:
とにかくいろんな人に助けられて出来た歌詞ですね。ちょうどMISTYのヴォーカルが来てて。彼は英語の歌詞を書くから、そのへんのセンス……ふって言った単語がいちいち格好良かったりするんですよ。

マイコ:
あいつ英語の先生だったりもして。ポイポイ出てくるんですよ、カッコイイ英語が。

■へー!


イノ:
けど実際のっけてみるとイメージに合わないというか……

みづき:
ウチらっぽくないんだよね(笑)。

マイコ:
で結局戻っちゃったっていう(笑)。

■まったく生かされず?


マイコ:
「いっせーのーせ」になりました(笑)。

■最後のガヤみたいなのも楽しげでいいですよね!


マイコ:
あれ……(笑) みづきのアヒル声みたいなのが……(イノ爆笑)

みづき:
ほんとに一番最後の一声が僕なんですよ。

イノ:
あれ何回聞いても笑っちゃう。

マイコ:
笑っちゃう!

■あのガヤは、メンバーと……?


マイコ:
プロデューサーのTETSUさんです! 5人で何回もやったのを重ねて。

イノ:
エンジニアさんに「違う人格を出して!」とか言われて。

マイコ:
そしたら最終的にみづきが……(全員爆笑)

イノ:
あれ絶妙だよね!

マイコ:
まぁその“WABF”と“未来地図”、アルバムの2曲目と1曲目で、I-RabBitsの両極端な面を出せたかなと思ってます!

■3曲目に、『I LOVE IT』にも収録されていた“未完成なあいうのうた”が収録されていますが。


マイコ:
まーだ未完成ですから! この曲!(笑) やっとI-RabBitsが再発進した『I LOVE IT』の中でも大事なこの曲を、もっと色んな人に聴いて欲しいということで。

■4曲目“ラッキーガール”、ライブで聴き慣れすぎてて、CD未収録だったのが意外でした!


マイコ:
3年間CD出せてなかったですからね(笑)。ちょうど3年前くらいに書いてて、ワンマンとかではやってて、お客さんの支持が高いので、今回入れようと。お客さんが好きな曲をPick Upしたかったので、“アイキャンエニモー”も“ハローグッバイ、そしてサンキュー”も入れたんです。

イノ:
全曲ブラッシュアップされてて、一番最初に録った“アイキャンエニモー”聴いた瞬間に「あーもうこれシングルカットで行けねぇ?」みたいな。

トモ:
言ってたね!

■フルアルバム予定でしたけど曲が良過ぎるからシングルにしました! みたいな?(笑)


マイコ:
で、“ユアライブ”は新曲です! 3月11日に震災から1週間ツアーがとんで、その1週間でイノはピアノのインストをYou Tubeに上げたり……やっぱり私達、なんにも出来ないですから。もがきながら、その中でも何か出来る事を、ってイノがそれを作ってて、じゃあ私は何が出来るかなって作った歌で。普段、私は曲をすごく作り込むタイプなんですよ。AメロがこうあってBメロはこうで、サビはこう広がって……って。でもこの曲は一切、何も考えないで書きました。

■わき上がる感情そのままに、ってことですねー。ライブでは何度も聴いてましたが、改めて部屋で歌詞を見ながら聴いて泣きました。


イノ:
最後がいいよね。

マイコ:
「生きていてくれてありがとう」? 正直この曲はツアー再開してすぐから衝動的にやり出しましたけど、ライブでやりながら歌詞は毎回、変わりながら……サビの頭とかだけは固定ですけど、後は毎回違う歌詞を歌ってました。で、「生きていてくれてありがとう」って言葉は……どっかのライブで思い浮かんでとっさに歌ったんですよね。

みづき:
富山じゃない? REDJETSが……。

マイコ:
そうだ! REDJETSっていう富山のバンドがいて、大事故をして生死を彷徨うぐらいICU入りっぱなしのメンバーがいて。でも回復して、復帰したイベントに呼んでくれたんですよ。その時、もう生きててくれて再会できただけでありがたくて。で、まだ仙台にライブに行けてないんですけど、行ったら、そこにいてくれてありがとう、生きててくれてありがとうっていう気持ちになるのが凄く想像できて。それで、歌詞にしました。そういうの多いんですよ、私。ステージで思い浮かんでっていう。“未完成なあいのうた”もそうですし。結構個人的なことをわーっと書いてるんですけど、あの時、直接被害を受けてない人で、同じような状況だった人、多かったと思うんですよ。節電ムードで、テレビは同じ映像ばかりで、自分が何をしたらいいのか悩んで……。だからあの時の私をありのままに書くことによって、あの日の事を忘れないってことにつながるかな、と。

■ほんとに、あの日の自分を思い出したし、マイコちゃんのその時の気持ちを想像したり……ぐっときました。あと聞きたかったのが、“スターティンオーバー” のAメロで歌ってるのはトモさん? いい声だなぁと。 


トモ:
あれ、当日初めてAメロ聴いたんですよ! で突然「歌って!」って(笑)。

マイコ:
レコーディングの後半だったんですけど、Aメロがずっと定まらなくて、でも「ともさんに歌ってもらおう!」って思いついて、それありきで書きました(笑)。

みづき:
そういうのやろうとは言ってたんですよね。実は昔、トモがBメロ丸々歌ってる曲もあったん
ですよ。

イノ:
ライブの1曲目を3人でやってた時もあったよね!

マイコ:
あーそうだそうだ!

みづき:
『ハリウサギノジレンマ』のボーナストラックで収録されてる、トモがメインボーカルの曲があって。

マイコ:
今回も入れようよ!

イノ:
今から!?

■今からは無理だと思いますが(笑)新鮮な感じがしましたし、今後うまく生かせば曲に広がりが出ますよね。あと、まだレコーディング前ということですが“幸連鎖 w./mindnightPumpkin”っていうのは……。(※インタビュー時点ではレコーディング前)


マイコ:
はい、ミッパンのホーン隊に入ってもらって。ツアー先で、たびたびコラボとかしてたんですけど、今回、音源に残そうってことで。

■ラストはアルバムタイトルでもある“FREASURE”。


マイコ:
これはメイン曲、推し曲にはなってないんですけど、私の中では超好きな曲なんですよ! まだこれから録るんで、聴いて頂けてないんですけど(笑)。

■推し曲っていうのは?


マイコ:
“未来地図”と“WABF”ですね。

イノ:
どっちもいい曲だと思うんですけど、両方を聴いてもらって初めて、今のI-RabBitsがわかってもらえるかなって。

マイコ:
で、“未完成なあいのうた”聴いて、“ラッキーガール”聴いて、そこまで聴いてもらったらもう……

■買って全部聴いてくれ、と?(笑)いやほんと、いいアルバムだと思うので、たくさんの人に聴いてみてほしいですね! そして、ツアー……今、一覧を見せて頂きましたけど、凄いですね!!

TETSU(プロデューサー):
まだ増えますよ! 47都道府県、60何本ツアーになるんで。今まで行ってないとこも全部行こうと。今回、メンツも凄いいいんですよ。

イノ:
(スケジュールを見ながら)初めて行く場所も楽しみですし……前回、UPLIFT SPICEと一緒に行ったときの水戸が印象的で……楽しみですね。お客さんがなんか変な動きをしてて、何をしてるかわかんなかったんですけど、どうやらアップリのPVをマネしてたらしくて……(笑)。

トモ:
曲に合わせて土下座とかしてるんだよね!(笑)

マイコ:
だから今回ウチらもPV2曲作るんですけど、何してやろうかー?って(笑)

■水戸のファンを意識してのPV制作なんだ!?(笑)


マイコ:
これマネしてくれる!? みたいな(笑)。

■ツアーを重ねていくと各地で色んな思い出を共有できていきますよね。


マイコ:
各地、ほんと盛り上がり方とか違うんですよ! 昔は正直名古屋と東京だけ盛り上がってたりもしたんですけど、今はどこへ行っても盛り上がってくれるんですけど、地域によって色んな盛り上がり方があって面白いですね。

■私も名古屋、東京、京都で見てますけど、お客さんたちも1回のライブが楽しければもっとバンドを好きになって、もっと楽しもうと思って、そしたらそこには同じ気持ちの人、本気で楽しみたい人がいっぱいいて、思いを共有して、お客さん同士の輪もつながっていって、次のライブがもっと盛り上がって、楽しくなって、っていう、いいサイクルが出来てるなぁと。またこの怒濤のツアーの中で、いろんなもの、見せてもらえるのを楽しみにしてますね! では。最後に読者にメッセージをお願いします!


トモ:
僕、10月24日が誕生日なので、北海道で迎えるんですよ……こわいなぁ。

■あ、プレゼントの催促かなと思ったら。打上げがコワイってパターンですね?(笑)


トモ:
はい……それはともかく(笑)、CD聴き込んでライブに来てほしいし、リリースツアーだからやっぱりそういうお客さんも多いと思うし、めちゃくちゃ楽しみにしてます! 是非一番近くの場所……だけじゃなく、ガンガン参加して下さい! お願いします!

みづき:
2011年、兎年、2月にまずCD出して、フェスにも出て、いろんな人に存在を知ってもらえてからの今回のフルアルバムということで、もっともっとたくさんの人に知ってもらえたらと思います。

イノ:
みんな堅いなぁ……やっぱり3年間リリースが出来てなくて、今回……堅いなぁ、やめた!(笑)えーっと、1st Album『ハリウサギノジレンマ』がヤフオクで5,000円ぐらいになってるらしいです。

マイコ:
そうなのー!? ウケる!!(笑)

イノ:
それは、もう手に入りにくいからだと思うんですけど、今作はまだ全然手に入りますけど、サインつきだと1万円とかで出品されるように頑張りたいです!

マイコ:
ライブバンドにやっとなれたと思うんです。自分達でもライブバンドだと思ってるし、皆さんにもそう思ってもらえるようになったと思うんです。でも、今までのCDはそういう録り方してないし、それが伝わらないと思うんです。でも今回、エンジニアさんに限りなくライブに近い音で録りたいですってお願いして作り上げたので、このアルバムを聴いて、ライブでこう光ってやるぜ! みたいに脳内で思い描いてもらって、ライブハウスに来てほしいですね!



Interview & Text : 佐々 知香

 

liveinfo


2nd Full Album『FREASURE』Release Tour 2011→2012

10/23(日) 北海道@小樽CRU-Z<ワンマン>
10/27(木) 北海道@函館Baycitystreet
10/29(土) 北海道@苫小牧ELLCUBE
10/30(日) 北海道@札幌BASSIE HALL
11/03(木) 愛知@新栄Daiamond Hall
11/04(金) 滋賀@滋賀U★STONE
11/06(日) 福井@福井CHOP
11/11(金) 広島@広島Cave-Be
11/12(土) 兵庫@神戸太陽と虎
11/13(日) 大阪@心斎橋DROP
11/18(金) 京都@京都MUSE
11/19(土) 香川@高松DIME
11/20(日) 愛媛@松山SALONKITY
11/22(火) 福島@郡山#9 NEW!!
11/23(水) 岩手@盛岡CLUB Change NEW!!
11/25(金) 青森@弘前Mag-Net
11/28(月) 宮城@仙台MA.CA.NA
11/30(水) 新潟@新潟RIVERST
12/02(金) 愛知@名古屋ell.FITS ALL
12/03(土) 奈良@生駒RHEBGATE
12/04(日) 愛知@岡崎CAM HALL
12/09(金) 長崎@長崎DRUM Be-7
12/10(土) 福岡@福岡DRUM Be-1
12/11(日) 熊本@熊本DRUM Be-9 V2
12/15(木) 大分@大分DRUM Be-0
12/17(土) 鹿児島@鹿児島SR-HALL
12/18(日) 宮崎@宮崎SR-BOX
12/20(火) 山口@周南rise
12/24(土) 神奈川@横浜BAYSIS
〈2012年〉
1/13(金) 千葉@千葉LOOK
1/14(土) 茨城@水戸LIGHT HOUSE
1/20(金) 神奈川@横須賀PUMPKIN
1/21(土) 静岡@沼津WAVE
1/22(日) 神奈川@小田原姿麗人
1/27(金) 岡山@岡山IMAGE
1/28(土) 鳥取@米子AZTiC laughs
1/29(日) 島根@松江AZTiC canova
2/03(金) 埼玉@熊谷HEAVEN'S ROCK
2/04(土) 群馬@前橋DIVER
2/05(日) 栃木@宇都宮HEAVEN'S ROCK
2/10(金) 東京@新宿ACB
2/18(土) 金沢@金沢vanvan V4
2/19(日) 富山@富山MARIO
2/25(土) 香川@高松DIME
and more...
<FINAL ONEMAN SERIES>
3/03(土) 愛知@名古屋ell.FITS ALL
3/10(土) 福岡@DRUM SON
3/17(土) 大阪@心斎橋JANUS
4/01(日) 東京@渋谷O-WEST

http://i-rabbits.net/

releaseinfo『FREASURE』

10/19 Release
WE LOVE REOCRDS
WLR-1018

※Live Best Album 『Live Bootleg」も会場&IMCにて発売中!



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