広島市などで4保育所を運営する社会福祉法人「ひまわり福祉会」(安佐南区)で2億8000万円の不正経理が発覚した問題で、県の監査後の今年4月、同法人を市政功労者として市が表彰していたことが28日分かった。
市議会厚生委員会で近松里子市議(共産)の質問に対し、市側が明らかにした。それによると、30年にわたって保育所を運営した功労者として、昨年12月に市保育課が推薦し、今年4月1日に表彰状と盾(1万5000円相当)を贈った。
しかし、不正は昨年10月に県が実施した指導監査で発覚し、今年1月には勤務実態がない職員への給料支払いを指摘する情報も市に届いていた。市は2月に保育所を訪問して調査したが、不正を見抜けなかったという。
市側は「不正をにおわせるような情報はあったが、(県の指示で設置した)第三者委員会の調査による不正の内容が発覚しておらず、表彰した」と説明した。【樋口岳大】
毎日新聞 2011年9月29日 地方版