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中国:宇宙ステーションの無人実験機「天宮1号」打ち上げ

打ち上げられた「天宮1号」=中国・酒泉衛星発射センターで2011年9月29日、AP
打ち上げられた「天宮1号」=中国・酒泉衛星発射センターで2011年9月29日、AP

 【北京・工藤哲】中国初の国産有人宇宙ステーションの無人実験機「天宮1号」が29日午後9時16分(日本時間午後10時16分)、内モンゴル自治区と甘粛省にまたがる酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。その後予定の軌道に乗り、中国政府は「打ち上げ成功」を発表した。

 中国は2020年までに長期滞在可能な有人宇宙ステーションを完成させ、将来的には有人宇宙船の月面着陸も目指している。中国の計画が成功すれば米露に次ぐものとなり「天宮1号」の打ち上げ成功は、その第一歩となる。

 中国メディアによると、天宮1号が打ち上げられた後、11月までに無人宇宙船「神舟しん(しゅう)8号」が発射され、宇宙空間で「天宮1号」とのドッキング実験を行う予定。その後、さらに2年以内に中国初の女性宇宙飛行士の搭乗を想定した「神舟9号」、「神舟10号」も打ち上げ、ドッキングの実験を繰り返す。

 また、今回の「天宮1号」の後続として「天宮2号」「天宮3号」も15年までに打ち上げる予定だ。

 宇宙ステーションの建設・運用には巨額の費用がかかるため、単独で成功したのは旧ソ連(1971年)と米国(73年)だけ。日米露など15カ国は協力して国際宇宙ステーション(ISS)計画を進めてきたが、中国の軍事利用を警戒する米国の反対もあり、中国は参加せず独自開発してきた。中国の打ち上げ成功にはインドなども強い関心を示しているとみられ、日米露などによる既存のISS計画に対抗し、中国を軸とする新たな協力関係が築かれる可能性もある。

毎日新聞 2011年9月29日 22時45分(最終更新 9月29日 23時50分)

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