2011年8月2日 11時9分 更新:8月2日 11時29分
政府は2日、サッカー女子ワールドカップ(W杯)で初優勝した日本代表チーム「なでしこジャパン」に対し国民栄誉賞を授与することを正式に決定した。同日午前の閣議で枝野幸男官房長官が報告し、その後の記者会見で発表した。授与式は18日に首相官邸で行われる。閣議後の閣僚懇談会では、授与に併せ女子スポーツに対する支援策の充実を検討するよう枝野氏が高木義明文部科学相と野田佳彦財務相に要請。高木氏は「前向きに受け止めたい」と応じた。
会見で枝野氏は「初優勝の偉業を成し遂げ、最後まであきらめないひたむきな姿勢によって、国民にさわやかな感動と東日本大震災などの困難に立ち向かう勇気を与えることに顕著な業績があった」と授与の理由を説明。女子スポーツ支援については「女子のチームスポーツ全体が厳しい環境の中でなされている。賞の名誉にとどまらず、政府としてできる支援を行う必要がある」と述べた。
国民栄誉賞は77年、プロ野球の本塁打世界記録を達成した王貞治さんをたたえるために創設された。00年シドニー五輪女子マラソンで優勝した高橋尚子さんら18人に授与されているが、団体の受賞はなでしこジャパンが初。枝野氏によると、佐々木則夫監督やスタッフを含むチーム全体が対象になる。
閣議後会見では中野寛成国家公安委員長が「延命とか人気取りとか言われる向きは昔から付きまとっていたが、さわやかな明るい話題をつくってくださったことに対して(の授賞は)、政府として当然のこと」と強調。細川律夫厚生労働相も「優勝に国民が喜び感動した。国がその栄誉をたたえ、国民総意で(賞を)贈るのはいいことだ」と述べた。【影山哲也】