「三菱重工業」の防衛や原発関連の生産拠点などでサーバーやパソコンがウイルスに感染した問題で、ウイルスが添付されたメールの中には、ふだんからやり取りしている人の名前を使って送られたものがあったことが分かりました。警視庁は、社内のメールの情報が事前に盗み出されていた疑いがあるとみて、感染経路などを調べる方針です。
この問題は、先月、三菱重工の「長崎造船所」や「神戸造船所」、それに「名古屋誘導推進システム製作所」など原発やミサイルなどの生産拠点にあるサーバーとパソコン合わせ83台が、ウイルスに感染していることが確認されたものです。警視庁などによりますと、ウイルスは、電子メールを送りつけて感染させる「標的型メール」と呼ばれるもので、メールの中には、ふだんからやり取りしている人の名前を使って送られたものがあったことが分かりました。また三菱重工側の解析の結果、ウイルスに感染したサーバーやコンピューターを外部から操作する際に、中国語の入力が必要な仕組みになっていたということです。今のところ、製品や技術に関する情報の流出は確認されていないということです。警視庁は、社内のメールの情報が事前に盗み出されていた疑いがあるとみて、近く被害届を受理したうえで、不正アクセス禁止法違反や業務妨害などの容疑を視野に捜査する方針です。