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ドーパミン、利益予測に関与=依存症の解明に期待―玉川大

2011年9月6日6時6分

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 快感などの情動に関与する神経伝達物質ドーパミンを分泌する細胞が、目先の快感や利益だけでなく、将来予測される利益によっても反応することが、玉川大脳科学研究所の木村実所長らのグループの研究で分かった。6日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。

 ドーパミンが長期的な予測と関連し、意思や行動の決定にも影響していることが予想され、木村所長は「ドーパミン分泌に異常がみられる薬物やギャンブルなどの依存症のメカニズム解明につながるかもしれない」としている。

 グループは3個のうち1個だけジュースが出るボタンを用意し、ニホンザルに繰り返し押させた。1度目でジュースを得られる確率は3分の1、2度目の場合は2分の1、3度目では100%で、ドーパミン細胞は目先の利益が得られる確率が上がるほど、強い反応を示した。

 一方、学習したサルがジュースのボタンを押した後、同じボタンで3回続けてジュースを得られるようにした場合、ドーパミン細胞は2回目、3回目となるにつれて活性が下がっていった。ボタンの選択が必要なく、得られるジュースの量が1回目で予測できるためとみられる。 

[時事通信社]

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