婚活市場で結婚相手として好まれるのは7:3で草食系男子

[2011年09月29日]


男女の恋愛を学問と捉え、研究・発表する早稲田大学の森川教授。今回は、肉食男子と草食男子のレポートです

女性に積極的にアプローチせず、性欲も控えめな草食系男子ですが、結婚相手としては人気が高いというデータが出ています。ただ、いつも優しいだけではダメ。ときには肉食系になることが必要だと、恋愛に関する著書を多数執筆している早稲田大学国際教養学部(政治学)の森川友義教授は言います。それは、女性の排卵周期と密接に関係した恋愛の極意とは? 以下が森川教授のレポートです。

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女性は性周期によって男性の好みが変わります。妊娠可能な排卵期では「男らしい」「たくましい」「指導力のある」、いわゆる肉食系の男を好み、妊娠が困難な非排卵期では、「優しい」「柔和な」「笑顔が多い」草食系の男を好むことが科学的データからわかっているのです。

このことが何を意味するのかといえば、女性には「たくましい男の精子と合体して子供を産み、優しい男に育ててもらいたい」という願望が遺伝子レベルであるようだということです。簡単にいえば「肉食系の男の子供を産んで、草食系の男に育ててもらいたい」ということです。

しかし、実際にはそんなことは不可能で、最終的にはどちらかを選ばなければなりません。さて、女性は草食、肉食どちらの男と結婚したいのでしょうか? 多くの実験結果をみると、女性はだいたい7:3の割合で草食系の男を好むことがわかっています。日本では昨今、草食系男子が敬遠されているはずなのに、いったいなぜなのでしょうか?

進化生物学者のコンセンサスは以下の仮説に集約していきます。

「女性は肉食系男子を根源的に求めているが、乱暴で浮気性なところは大嫌い。子育ても不得意だし、子供との時間をつくってくれないのは困る。だから仕方なしに草食系男子で妥協している」

どうやら、これが現実のようです。では男はどうすればよいか? 肉食系の男は非排卵期に優しさを見せ、草食系の男は、排卵期に男らしさを見せるといった演出が必要です。肉食と草食を使い分ける演技力こそ恋愛の極意なのです。

さて、こうした性周期と恋愛との関係性を探る研究は現在、非常に盛んなのですが、最近の研究をひとつ披露します。それは「女性は知的な男と結婚したがる」というものです。

カリフォルニア大学デイビス校の心理学者プロコッシュ博士らは性周期と男の知性の関係を調べました。実験では男性被験者のIQを測定し、知性の高いグループ、中間グループ、低いグループの3つに分類。おのおのの男性の話し方や見かけなどを被験者の女性が採点しました。すると、以下の結果が出ました。

①長期的関係、つまり結婚相手として知的な男が好まれた
②短期的な恋愛を楽しむような関係ではそうでもなかった

知的な男は結婚向きで、セフレ向きではないということです。知性は遺伝しますので、女性としては、知的な男の子供を産みたいということなのかもしれません。

ここで大事なのは、現代社会で知性とは、学歴やプレゼン力、経済力として解釈されるということです。特に「知性をお金に換える能力」はとても大切です。

(撮影/井上賀津也)

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