障害学生への性的暴行、全国で続々発覚

 2007年9月、知的障害がある女子生徒(15)は、江原道江陵市のある生涯教育学校に通っていた。ある日、朝早く登校し、教室の掃除をしていた女子生徒は、教師(36)に別の教室に呼び出され、ドアを施錠された上で、性的暴行を受けた。性的暴行は同年11月に学校で、09年4、5月には女子生徒の自宅と教師宅で数回にわたり続いた。この事実は、犯行現場を目撃した教師の妻が昨年7月、家庭暴力相談所に相談したことで発覚した。その後、この教師は懲役3年、執行猶予4年の判決を受け、女子生徒は、最近まで専門機関で心理治療を受けていた。

 昨年9月には慶尚北道にある福祉施設の理事長(58)が、施設で生活していた体の不自由な女性(22)に対し、09年2月から1年半にわたり、自分の部屋で性的暴行を加えた疑いで逮捕された。この事件は、当時特殊学校に在学中だった被害女性が、昨年4月に担任に「理事長に部屋に呼ばれ暴行された」と告げたことで明るみになった。

 裁判所は起訴された理事長に対し「被害女性の陳述が捏造(ねつぞう)された可能性は低いが、全体的に信ぴょう性が欠如している上、証拠がないため、有罪と認定するのは困難だ」として、無罪判決を下した。検察も控訴を断念し、判決が確定した。

■福祉法人の閉鎖性に問題

 2005年に光州市の聴覚障害者向け特殊学校、インファ学校で発覚した性的暴行事件は、映画『るつぼ』がきっかけで再び関心を集めている。しかし、閉鎖的に運営されている障害者福祉施設と障害者特殊学校のシステム、教師と生徒の関係などを考えると、まだ明るみになっていない事件が少なくないのではないか、との疑念が保護者や障害者団体の間で高まっている。

 インファ学校で起きた事件の場合、2000年から5年にわたり、問題提起はあったが、05年に保護者が障害者団体に相談するまで、外部には発覚しなかった。

 インファ学校性暴力対策委員会は、子どもたちが被害を受けたことを教師らに何度も告げたが、学校を運営する理事長の息子と親族が校内の要職を独占していたため、事件が外部に知られることはなかったと指摘した。同校では昨年7月にも生徒間で性的暴行事件が起きている。加害者の男子生徒(13)は事件後、別の地域の施設に移された。同校に勤務していた教師は「障害のある生徒たちの生活施設は男子と女子で分かれておらず、性犯罪などが起こりやすい状況だった」と証言した。

光州= 金性鉉(キム・ソンヒョン)記者 , 江陵= 洪瑞杓(ホン・ソピョ)記者
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