中国版サブプライムローン危機 勃発か
【新唐人2011年9月28日付ニュース】3年前の金融危機を無事切り抜けた中国。金融引き締め政策の下、多くの国営企業が「影の銀行」に変身していましたが、これらの債権の返済が続々と迫り、中国版・サブプライムローン危機の勃発が案じられています。
2008年、世界金融危機が勃発すると中国は金融引き締め政策に着手。資金難に陥った中小企業に資金を提供したのは、国営企業でした。これらの国営企業は政府系銀行からお金を借りると、高い利子で中小企業に貸し出していました。また、「影の銀行」は非政府系にものも増えているそうです。
先日中国の大連市で開かれた世界経済フォーラムでは、全国人民代表大会・常務委員会の元副委員長が「中国版のサブプライムローン危機は、返済能力のない相手に金を貸した地方政府だ」と発言。
中国の四大銀行は貸し出し総額のうち約8割を国有企業に貸しているそうです。中国には、国有企業を含めた、さまざまな「影の銀行」がうごめいています。こうした貸し出しは地方政府の投資モデルにもなり、資金規模は1兆7千億ドル(約130兆円)に上るものの、これらの影の銀行は、ほとんど、あるいはまったく当局の管轄を受けていません。
これについて、中国の国営企業は豊富な資金を武器に、積極的に貸し出しをしたものの、いったん、これらが返済不能に陥れば、アメリカのサブプライムローン危機を越える混乱になると専門家は指摘。
経済評論家 草案居士:「今経済全体が縮小する中、経済が低迷する中、中国の大量の中小企業は金を借りましたが利益確保が難しい状況です。つまりこれは大きなリスクです。特に一部企業は金を借りて危機を乗り越えられればいい、無理なら逃げればいいと考えています」
中国では、新規の貸し出しが急速に増えています。国内総生産の増加に占める割合は、リーマンショック前の2倍に。不良債権率も2010年前半の1パーセントから2011年には4.9パーセントに急増しました。
ニューヨーク市立大学シティカレッジの陳志飛教授は、多くの専門家の見方として、今年は民間企業にとって改革開放以来、最も厳しい年となったと指摘。調査によると、中国の中小零細企業のうち95%が銀行から貸し出しを受けられなかったそうです。国の資金分配が合理的ではないと述べます。
NY市立大学シティカレッジ 陳志飛教授:「中国の資金分配は国有資金政策です。すでに20年の歴史があります。特に金融危機勃発後 4兆元の景気対策を実施、このコストを回収できなければ、多くの銀行で不良債権化します。国の経済活動が崩壊の危機に面します」
中国の大手銀行は国に制御されているにもかかわらず、数兆元の不良債権が生まれています。
経済学者 茅于軾さん:「一部企業は銀行から金を借ると高利子で貸し出しをしました。問題は中国では利子が市場化していないため、特権者しか金を借りられません。一般人は高利子でお金を借りるしかありません」
問題の解決には、銀行を国が独占する現状を改め、民間に開放することだと指摘しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
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