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被災の在来線 復旧見通し立たず

9月23日 15時37分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東北地方のJRの在来線は、八戸線を除く6つの路線でいまも運転再開の見通しが立っていません。

沿線の住民からは不便な生活のために住民が流出してしまうと心配する声があがっています。

JRの在来線は、八戸線、山田線、大船渡線、気仙沼線、仙石線、石巻線、常磐線の7つの路線が津波で駅や線路が流れるなどの大きな被害を受けました。このうち、八戸線は来年4月をめどに、全線で復旧する見通しが立ちました。しかし、残りの6つの路線は、今も復旧の見通しが立っていません。その大きな理由は、線路が通っている街自体が大きな被害を受けているため、今後のまちづくりによっては、元の場所に復旧するのではなく、線路を内陸に移す可能性があるため復旧工事を始められないことにあります。JRは国や地元自治体と連携してルートの検討を進めていますが、地元自治体の復興計画が確定していないことなどから、ルートを決められないのが現状です。例えば仙台の中心部と石巻市を結ぶ仙石線。東松島市は、まちづくりの構想案をすでに公表していて、野蒜駅と東名駅の2つの駅を山側に移転する案を提示していますが、これまでのルートで早期復旧を望む住民の反発もあって、ルートが確定できていません。同じように、山田線と大船渡線、それに気仙沼線、石巻線もルートは決まっていません。一方、常磐線は今月、津波で大きな被害を受けた宮城県山元町の山下駅、坂元駅、福島県新地町の新地駅の3つの駅は、内陸に移動させることが決まりました。しかし、線路の用地確保をどうするかといった課題も多く、具体的な復旧の見通しは立っていません。一方、JR以外の鉄道は、復旧のめどが立ちつつあります。仙台空港へのアクセスを担う仙台空港線は、来月1日に全線で運転再開することになりました。また、大きな被害を受けた岩手県の沿岸部を走る三陸鉄道も復旧に向けた方針が決まりました。三陸鉄道は、復旧に必要な100億円を超える費用を負担できないことから、本格的な復旧工事が進んでいませんでした。しかし、国土交通省が地元自治体に線路や駅といった施設を譲渡させたうえで、復旧費用の大半を補助する方針を決めたことなどから、現状のルートで3年後の復旧を目指すことになりました。