民主党と統一会派を組む、無所属の平山誠参院議員(59)=比例=が、国会議員に無償支給される航空券の根拠となる「住所」について、ゴルフ仲間である民主党の横峯良郎参院議員(51)=同=が主宰する少年少女のゴルフ育成施設「さくらゴルフアカデミー」(宮崎市)の住所を国会に届け出て、複数回支給を受けていたことが28日、分かった。まさか、ゴルフをするために議員特権を利用したとは考えたくないが…。
この問題は、自民党の世耕弘成参院議員(48)が同日午前の参院予算委員会で指摘した。
世耕氏によれば、平山氏が当初、国会に届け出ていた「住所」は、宮崎県内の架空のもので、文字や番地を入れ替えると横峯氏の関連施設の近く。さらに、参院議運の指摘を受け、平山氏が27日に変更届を出した新しい「住所」は、「さくらゴルフアカデミー」と同一だったという。
世耕氏は、野田佳彦首相(54)に対し、「平山氏と横峯氏はゴルフ仲間だ。万が一、ゴルフをするために航空券を使っていたとすれば大問題だ。調査してほしい」と迫った。
平山氏は、埼玉県狭山市出身で、同県の川越工業高校卒。民主党の鳩山由紀夫元首相(64)と都内で飲食店を共同経営していたこともある。07年の参院選で新党日本から比例区で出馬し、落選したが次々点に名前を連ねていた。一昨年の衆院選で、新党日本の田中康夫代表(55)が衆院にくら替えしたため、繰り上げで初当選した。
しかし、当選後は新党日本とはたもとを分かち、無所属に。今月13日には、国会で携帯電話を使って天皇陛下を撮影したとして問題となった。平山事務所によると「現在の住まいは東京・麹町の議員宿舎」と語る。
平山氏と横峯氏の関係だが、「同じ参院議員会館10階に事務所があるためか、平山氏は、横峯氏がいない時にも横峯事務所に入り浸っているほど仲がいい」(民主党ベテラン秘書)という。
参院広報課によると、国会議員は議員課に住所を届け出れば、特権として、(1)JR電車乗り放題の無料パス(2)届け出住所までの往復航空券引換券を月々3回分と電車パス(3)航空券引換券月々4回分−のいずれかを選べる。これは選挙区選出も全国比例議員も同様だ。
羽田−宮崎の航空券は片道約3万7000円。どうして、平山氏は宮崎市を「住所」として届け出て、議員特権を享受しているのか。
平山事務所は「昨年2月から、この制度を利用している。宮崎県に後援者が多くいて、拠点として届け出た。毎月帰っている。今年4月に政治団体を立ち上げて、ゴルフアカデミーの中に事務所を借りた。議員(=平山氏)と横峯氏は何度かゴルフをしたことがあるが、ゴルフをするために航空券を利用したことはない。間違った使い方という指摘はあたらない」と説明する。
政治評論家の森田実氏は「もし、ゴルフのために国をごまかして航空券を受け取っていたら犯罪だ。甘い対応をせず、きちんと対応しなければ国会議員の信頼に関わる」と語っている。