東京電力の電気料金算定のもとになる見積もり(燃料費などを除く)が、実際にかかった費用よりも、過去10年間で計約6千億円高いことが、政府の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」の調査でわかった。電気代が必要以上に高く設定されていた可能性があり、調査委は近くまとめる報告書に盛り込む。
自由化されていない家庭用の電気料金は、電力会社が今後1年間にかかる人件費や燃料費、修繕費などの原価を見積もり、一定の利益を上乗せして決める。
報告書案によると、過去10年で計6186億円分、見積もりが実績を上回っていた。大きな原因として修繕費を挙げ、1割ほど過大とした。報告書案は「経営効率化によるものというよりも、そもそも届け出時の原価が適正ではなかったと推察される」と指摘した。