東京都は、東日本大震災で出た岩手県内のがれきを都内に運び込んで焼却処理することを決め、30日、岩手県との間で協定を結ぶことになりました。
東日本大震災の被災地では、建物などが津波によって壊されたり、流されたりして出た大量のがれきの処理が問題になっていて、被災地だけでは処理しきれない状況になっています。国が被災地以外の自治体にがれきの処理を求めた結果、東京都は、被災地のうち、岩手県で処理しきれずに残っているがれきを、平成26年3月までの2年半にわたって受け入れることを決め、30日、岩手県との間で協定を結ぶことになりました。都では、今後、がれきを焼却処理などする業者を公募で決めたうえで、来月から岩手県宮古市のがれきをコンテナに入れて鉄道で都内に運ぶことにしています。がれきを運び出したり、焼却したりする際には放射性物質の濃度が測定され、処理されたものは、最終的に江東区青海の先にある処分場に埋め立てられる計画です。東京都によりますと、事前に宮古市にあるがれきや焼却したあとの灰について、放射性物質の濃度を測ったところ、埋め立てが可能となる国の目安をいずれも下回っていたということです。被災地のがれきを東北以外の地域が受け入れるのは東京都が初めてで、都は最終的に東北の被災地からおよそ50万トンのがれきを受け入れる予定だということです。東京都環境局は「被災地の復旧や復興の支援につなげていきたい」と話しています。