きっとそうさ。身体が疲れていたせいさ。
小学校5年生のとき、ある日私は突然何を思ったのか「絵画教室に行く!」と言った。
家から歩いて2分くらいのところにある教室に通い始めた。最初に描いたのはアジの開きだった。
その教室のおんなの先生のだんなさんはおもしろい人で、時々家に呼んでくださったときに、ぼくたちに議論をふっかけてきた。
「平和運動をしている人たちが、どうして党派に分かれて対立しているんだと思う?」
「エジプトは、あんなに立派なピラミッドをつくったのに、どうしてその文明が消えてしまったんだと思う?」
波頭亮さんと話していて、そんなことを思いだした。
サミュエル・ハンティントンによれば、日本は「八大文明」の一つだったが、その文明の賞味期限が切れようとしている。
「ものづくり」ばかりでは日本は食っていけない。インターネット、グローバリズムという文明の文法の変化に、真正面から向き合わなければならぬ。
「こんなに長く経済がゼロ成長って、資本主義の国ではいまだかつて例がないんだよね。」と波頭さん。
ぼくも波頭さんも、一番心配しているのは、官僚や新聞、テレビ、大学といった、本来社会を導く「エリート」であるはずのひとたちが、変化に対抗して古い頭でいるということだ。
既得権益も何も、そのパイ自体が消滅しようとしているのに。
「09年の民主党の総選挙の勝利が、唯一のチャンスだったんだけどね。」と波頭さん。
それが、狙い澄ましたように、あっという間に鳩山さん、小沢さんに対する「疑惑」のリークとキャンペーンで、つぶされてしまった。
そして、昨日の石川議員に対する、司法のプリンシプルに反したわけのわからない判決。新卒一括採用も大学入試も、一向に変わらない。
話しているうちに、ぼくはどんどん気分が落ち込んでいってしまって、まあ、おそらく日本はダメなんだろうな、感じた。これは論理的な結論である。
「どう思います、波頭さん? 未来のシナリオ? ソフトランディング? ハードランディング? クラッシュ?」
波頭さんがどう答えたかは、そのうちに発売されるであろうPHP研究所の書籍を参照してください。
PHPを出て、はっと思った。オレ、今まで走っていなかったのが、調子こいて二日連続で一時間走ったから、かなり身体が疲労している。
ということは、気分が落ち込んだのは、身体が疲れていたからかもしれない。
きっとそうさ。身体が疲れていたせいさ。日本という文明に、未来がないからではきっと決してないさ。
9月 28, 2011 at 08:44 午前 | Permalink
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