韓国軍:パイロット不足が深刻化

毎年150人を新たに輩出するも、ここ5年間は年平均162人が退役

 1人につき109億ウォン(約7億円)=KF16戦闘機基準=を投じて養成した韓国空軍の戦闘機パイロットが、民間航空会社に就職するため相次いで退役する中、来年度に中領(中佐に相当)へ昇進するパイロットの数が、戦闘力維持のために必要な最少人員の半数にすぎないことが分かった。韓国空軍の戦闘力維持に、危険信号がともったわけだ。

 ハンナラ党の金章洙(キム・ジャンス)議員が27日に韓国空軍から提出を受けた資料によると、今年確定した来年度の「操縦特技中領進級者」の数は29人だった。昇進審査の対象になったパイロット32人のうち、懲戒歴がある3人が脱落した。しかし、空軍側によると、空中戦闘力を維持するためには、少なくとも55人のパイロットが中領に昇進する必要があるという。

 こうした事態が起きているのは、報酬が高額な民間航空会社に就職するため、パイロットが早期退役の道を選んでいるからだ。義務服務期間(2009年までは13年、10年から15年)だけ務めて早期退役したパイロットの数は、ここ5年間で年平均115人に達し、そのほとんどは民間航空会社に就職した。毎年150人のパイロットを新たに輩出しているが、ここ5年の間に退役したパイロットは、定年での退役を含め、年平均162人に達する。

 金議員は「09年基準で見ると、韓国空軍の戦闘機・輸送機パイロットは、適正人員より166人不足していた。国防部(省に相当)は10年にパイロットの義務服務期間を2年延長したが、来年には15年の義務服務期間を満了するパイロットが初めて出てくる。これで早期退役者がさらに増えれば、適正人員より100人以上不足しかねない」と語った。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) 2011 The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>