高校講座HOME >> 家庭総合 >> 第25回 洗濯の科学
純くん、今回は“お洗濯選手権”に参加。
純くんのシャツに付いている洗濯表示からの出題です。
洗濯表示の意味を正しく答えられないと…?
衣服を清潔に保つために洗濯は不可欠です。
今回は洗濯するとなぜきれいになるのか、科学的根拠を交えて洗濯の方法を
勉強していきましょう!
洗剤の機能について考える前に、サラダのドレッシングを思い浮かべてください。
ドレッシングは主に酢と油でできています。
そのため、容器を振って混ぜても5分後にはまた分離してしまいます。
しかし、卵黄を入れて容器を振ると、ドレッシングの酢と油は混ざったまま分離しません。
卵黄が酢と油をつなぐ役割を果たしたからです。
さて、油と水分を混ぜ合わせるこのような作用は、洗剤の大切な機能のひとつです。
今回は、コナンちゃんが洗剤が汚れを落とす秘密を探りにいきました!
コナンちゃんがやってきたのは洗剤メーカー。
3つの実験から、次のような洗剤の機能を確かめました。
【1】浸透作用
ビーカーを洗濯機に見立てて、水に毛糸を入れると毛糸は浮きます。
そこに洗剤を入れると、毛糸は沈みました。
洗剤の主成分である界面活性剤は、親水基と親油基という2つの部分に分かれています。
親水基は水と、親油基は油と吸着しやすい性質があります。
この場合、界面活性剤の親油基は毛糸の繊維と、親水基は水と吸着し、
繊維と水をなじませる働きをしたのです。
【2】乳化作用と分散作用
水に油(見やすくするため赤く着色してあります)を浮かせたものを用意します。
そこに洗剤を入れて混ぜると、水と油がきれいに混ざりました。
次に、水が入ったビーカーに「すす」を入れると、すすは浮かびます。
そこに洗剤を入れると、すすは浮かばず水の中にまんべんなく広がっていきました。
界面活性剤のこの2つの作用によって油や汚れは細かく分散し、水に溶けていきます。
【3】再付着防止作用
「水+すす」のビーカーに布を入れると、布にすすが付いてしまいます。
しかし「水+すす+洗剤」のビーカーでは布にすすは付きません。
それぞれの詳しい理由は番組で紹介していますので確認してみてくださいね!
繊維の種類などによって洗い方は違います。
最初に洗濯物を色ものや素材ごとに分類しましょう。
次に保護です。
伸びやすい毛のものなど、デリケートな素材の衣服はネットに入れて洗いましょう。
そして洗濯する前の処理をします。
シャツなどの場合、汚れがひどい襟やそでに部分洗い用の洗剤をあらかじめ塗っておくと汚れが落ちやすくなります。
後は、最初に分けた衣類の種類ごとに洗濯機に入れて洗濯をしましょう。
洗剤は適量を心がけましょう。多く入れたからといって効果はあまり変わりません。
また、洗濯機に入れた洗濯物が水面の上に出てしまっていたら入れすぎです。
汚れが落ちきらないだけでなく、衣服が傷みやすくなるので、余裕をもって
洗濯をするようにしましょう!
さて、洗濯が終わったらすすぎを行い、乾燥させて終わりです。
このように水で洗う方法を湿式洗濯といいます。
クリーニング店などでは、この他に乾式洗濯という洗い方もしています。
ドライクリーニングと言った方がなじみがあるかもしれません。
その乾式洗濯について、コナンちゃんがある方のところに探りに行ってきました!
コナンちゃんがやってきたのは長野県伊那市にあるクリーニング屋さん。
このクリーニング店の3代目である中村祐一さん。
クリーニングのことを知ってもらおうと立ち上げたwebページが人気となり、
今では新聞や雑誌、テレビでも活躍しています。
さわやかな風貌や優しい語り口から洗濯王子と呼ばれています。
ドライクリーニングは水の代わりに有機溶剤を使って洗濯をします。
有機溶剤について、ある実験を見せてくれました。
水の中に紙を入れると、溶けます。しかし、有機溶剤の中に紙を入れても溶けません。
このような性質から、有機溶剤を使うと、水で洗うと縮んだり色が抜けてしまう衣類も洗うことができるのです。
番組では、洗濯王子の中村さんにワイシャツのアイロンがけのポイントも教えていただきました!
番組を見て、皆さんも洗濯王子に近づこう!
クリーニング店では乾式洗濯のほかに、湿式洗濯ももちろん可能です。
また、家庭では難しいカーペットの出張クリーニングや布団の丸洗い、
防水加工なども依頼できます。
用途に合わせて依頼することが大切です!
今回は、洗濯王子がコナンちゃんに染み抜きの技を伝授してくれました。
白いシャツにカレーをとばしてしまっても、この技を知っていれば安心!
まず、重曹と酸素系漂白剤を準備しましょう。
方法は番組をよく見て、困ったときにはチャレンジしてみてくださいね!
とってもきれいになります!
白いブラウスを赤い服と一緒に洗って色移りさせてしまった、などの失敗をしないように、衣服の種類や繊維の特性にあった洗濯を判断できるようになりましょう!
衣服には組成表示を付けることが法律で決められています。
組成表示を見ると、どんな素材でできているのかがわかります。
また、組成表示には
どんな繊維がどれぐらい使われているのかが割合で表示されている混用率表示と、
衣服の表や裏など場所によって違う素材について表示する分離表示があります。
また、洗濯をするときには、素材の性質にあわせて行う必要があります。
そんなときに役立つのが、取り扱い絵表示です。手入れの方法が絵で表示されています。
番組では、コナンちゃんが「取り扱い絵表示クイズ」に挑戦します
みなさんも番組で答えあわせをしてみてください!
番組の最後では、せっけんと合成洗剤の違いと特性について解説しています。
参考にしてくださいね!