高校講座HOME >> 家庭総合 >> 第22回 食生活と環境問題
純くん、今回はお父さんと釣りにやってきました。
すると、お腹がすいて倒れこんでいる船乗りを発見しました。
そこで、持ってきたお弁当を分けてあげることにしました。
なぜか、日本の食料事情に詳しい船乗りに、ふだん食べている食材をたくさん輸入していることを教えられた純くんでした。
食事は毎日のことで、楽しみでもありますね。
そんな身近なことが、実はさまざまな環境問題と密接に関係しています。
日本では世界中の食べ物を手に入れることができます。
世界の食べ物が食べられるというのは、とてもありがたいことです。
しかし、だからこそ考えてもらいたいこともあります。
今回は食生活と環境問題について考えていきましょう!
みなさんは「食料自給率」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、国内で消費される食料(エネルギー量)が、どの程度国内で生産されているかを示す指標です。
現在、日本の自給率は40%程度です。
アメリカ128%、フランス122%、ドイツ84%と比べても、
日本は低い水準にあることがわかります。
日本の食料自給率について、どう考えたらよいでしょうか?
輸入量が多いと、輸送にかかる燃料や、排出される二酸化炭素などが増え、
地球環境へ負荷がかかることになります。
一方、食料を輸入することで、災害や異常気象などで国内の生産力が低下した場合にも、
食糧の安定した供給ができるようになります。
また、何といっても世界中の食材を食べられるのは楽しみですね!
番組では、自給率について知るための自給率計算ソフトも使いました。
料理ごとに、おおよその自給率を知ることができます。
こちら(農林水産省HP内:http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/zikyu03.html)から
ダウンロードして使うことができますので、みなさんも実際にやってみましょう!
世界で一年間に生産される穀物の量は20億トン。
一人あたりに換算すると、およそ300キログラムにあたります。
ある試算では人一人が生きていくのに必要な穀物は180キログラム程度だと言われていることを考えると、世界には十分な量の食料があることになります。
しかし今、世界で飢餓に苦しむ人は9億人を超えていると言われています。
その理由として、穀物を家畜の餌として消費しているからだという指摘があります。
例えば、牛に穀物を与えて育てるとおいしい牛肉になると言われています。
その場合、牛肉を1キログラム作るためには8キログラム以上の穀物が必要だという
データもあるのです。
日本は世界一の穀物輸入国です。
日本が輸入する穀物の量はおよそ2700万トン。
その60%は家畜の飼料として使用されています。
肉牛を飼育するための穀物が飢餓の原因の1つになっているということでした。
それ以外にも、身近な食べ物が世界的な環境問題につながっていると言われています。
例えば、マグロの乱獲は資源の枯渇につながると危惧されています。
また、輸入される加工食品の中には日本で認められていない農薬や添加物が使われている場合もあります。
そのことで、健康被害につながることも考えられます。
料理をしているとついついやってしまう「お鍋の吹きこぼれ」。
今回は吹きこぼれを防ぐアイデアを紹介します!
例えば、パスタやそばやうどんをゆでるときにはどうしたらよいか。
番組で紹介していますので、ぜひご覧ください!
最近、環境に配慮した消費者、「グリーンコンシューマー」を目指そうという運動が注目を集めています。
例えば、水を節約して使ったり、資源はしっかりリサイクルする。
また、資源を有効に使う調理法を実践したり、ゴミの削減を意識することなどです。
今回は、食生活に関わる環境問題を改善していこうという活動を
コナンちゃんが取材に行きました!
誰でも参加できる「環境問題を考えるツアー」を行っている東京都大田区の工場。
このツアーに、東京都立つばさ総合高等学校の生徒と一緒にコナンちゃんが参加しました。
工場では、首都圏から集められた生ゴミなどを、家畜の飼料の原料にリサイクルします。
工場で作られた原料を使った飼料は人気があり、飼料メーカーに残らず買い取られていくそうです。
生ゴミは元来焼却していて、まったくリサイクルされていませんでした。
それを少しでもリサイクルにまわして、ゴミを減らそうということです。
続いては、個人の取り組みが地域に広がっていった例をコウタくんが紹介します。
秋田県で大人気の、地産地消ヒーロー「超神ネイガー」。
この日はネイガーショーが開かれていました。
ショーのテーマは地産地消。
地元の食べ物を大切にしない人を見つけては悪の組織にスカウトする悪者が登場。
そんな悪者をネイガーが次々と倒すというストーリーです。
ネイガーを生み出したのは、スポーツクラブを営む海老名保(えびなたもつ)さん。
地元を元気づけたい、食文化を守りたいという地産地消にかける思いをネイガーに託しているのだそうです。
秋田県では高校生による地産地消の取り組みも盛んです。
アスパラの生産地として有名な秋田県横手市。
アスパラは出荷するとき、下の方を切り取り捨ててしまいます。
そこで、切り取った部分を使えないだろうか?と、
秋田県立横手清陵学院高校の家庭クラブのメンバーが横手市のお菓子屋さんに呼びかけました。
そうしてできあがったのが「アスパラまんじゅう」です。
その他にも、清陵学院高校の家庭クラブは、地産地消の取り組みを続けています。
そのひとつが地元の農家を訪れてインタビューすること。
その内容は、2ヶ月ごとに、農協の広報誌に掲載されています。
今回は横手市山内でおいしいと評判の高橋藤一さんのセリの秘密を取材に行きました。
良いセリの条件は柔らかいこと!という高橋さん。
山内は朝晩の気温の差が大きく、山から流れてくる水が豊かなので、野菜がおいしいそうです。
番組の最後に、秋田県立清陵学院高校の家庭クラブの取材した記事を紹介しています。
取材を通じて高校生たちが感じた地産池消の大切さがリポートされています!!