高校講座HOME >> 家庭総合 >> 第18回 食品と調理 (1)
お母さんが“1群”“2群”“3群”と書かれた札が付いたそれぞれのはかりに
食べ物を置いていきます。
食品群ごとに食べた量を量って家族の健康管理をする!というお母さん。
しかし、純くんとお父さんは間食をしていたことが発覚。
どうなる、純くんとお父さんの夕御飯!?
今回から2回にわけて「食品と調理」について学んでいきます。
1回目の今回はバランスのよい献立作りについて考えてみましょう!
栄養素には健康的に生きていくのに適切な量があります。
その基準となる数値「日本人の食事摂取基準」として、国が定めています。
食事摂取基準は、0歳から70歳以上まで年齢別に決められています。
必要な栄養素の量は年齢や性別によって変わります。
男子と女子では、男子の方が必要な栄養素の量が全体的に多くなります。
年齢による違いに注目してみると、
15歳から17歳の成長期にはカルシウムをしっかり摂る必要があり、
30歳を越えるとビタミンAの必要量は増えています。
ビタミンAには目の機能を維持したり、粘膜を強化する栄養素なので、
年齢と共に必要量が多くなっていくのです。
また、年齢とともに必要なエネルギーの量は減っていくので、
年齢を重ねても若いときと同じ量を摂り続けると、肥満などの原因となるので
注意が必要です。
「食品摂取量のめやす」とは、具体的にどういう食品をどの程度とればよいのか、
つまり、食事摂取基準で定められた必要な栄養素の量を食品で示したものです。
前回学んだ「4つの群」で見てみましょう!
1群
乳・乳製品…男子の場合、牛乳1と3/5〜2カップとチーズ
卵…1個
2群
魚介・肉…男子の場合、魚1切れ(60〜80g)、肉(40〜80g)
豆・豆製品…煮豆(20g)、豆腐(1/5〜1/4丁)
3群
野菜…煮物(120g)、サラダ(130g)、ひたし物(100g)
芋類…芋1皿(100g)
くだもの…200g
4群
穀類…女子の場合、ごはんをお茶碗にたっぷり2杯、食パン2枚
(男子は軽く1杯くらいおかわりする程度の量)
砂糖…大さじ1
油脂…男子は大さじ1.5、女子は大さじ2.5
これなら、栄養素と違って具体的に何をどれだけ摂ればいいのか
わかりやすいですね!
食品摂取量のめやすは、実際にどのように使われているのでしょうか。
栄養バランスのよい献立を作るプロのもとを訪れました!
管理栄養士の竹内冨貴子(たけうち ふきこ)さん。
雑誌や放送などで栄養改善のための指導も行っています。
ふだんから4つの食品摂取量のめやすを参考にしているのか聞いてみました。
すると、病気の方など、きちんと計算しなければならない場合を除いて、
一般の健康管理をする献立であれば、4群ごとに食材をそろえて、
余分な油を使わないなどを心がけるだけで、ほとんど間違いない献立ができるそうです。
取材をしたとき、竹内さんは1日3食の献立365日分を食品群にあわせて作るという仕事
をしていました。
多くの人に“この献立いいね!”と言ってもらえるものを作りたいと思っているそうです。
1日分の献立に使われている食材を4群の食品ごとに色分けしてみると、4つの食品群がまんべんなく使われていることがわかります。
しかし、自分で毎日考え続けるのは難しそうですよね。
竹内さんにお聞きすると、
あまり毎日変えない自分のパターンを作ると良いそうです。
毎日が100点ではなくても、
70点や80点の食事で健康管理としては十分だそうです!
調味料はちょっとした量の違いで味が大きく変わってしまうことがあります。
正しい量り方を知っておきましょう!
調味料などを量るときに使う計量スプーン。
粉末のものを量るときには、1度多めにすくってからすり切ります。
半分や4分の1の量にしたいときは、切るようにして減らして量りましょう!
番組では、計量スプーンを使わずに、
小さじや大さじの分量を量る方法も紹介しています。
チェックしてみてくださいね!!
実際に献立を作るにあたって、さまざまな料理の写真が印刷されたカードを用意しました。
このカードを使って、コナンちゃんにバランスのよい献立を考えてもらいました。
コナンちゃんの選んだ献立は…
・ふろふき大根
・あじの煮つけ
・里芋の煮つけ
・五目ごはん
では、コナンちゃんが考えた献立について、少し考えていきましょう!
和食の献立を作るときには一汁三菜ということがよく言われます。
ごはん以外に、汁物1品、主菜、副菜、副副菜の3種類のおかずを組み合わせると
バランスがよいという考え方です。
ということでコナンちゃんは豆腐のみそ汁を追加しました。
さて、献立作成には効率的な手順があります。
まず主菜を決め、続いて副菜を決めます。
足りない食品を副副菜や汁物で補うように考えると献立を作りやすくなるのです。
コナンちゃんが考えた献立を見てみると、
「里芋の煮つけ」は「あじの煮つけ」と味付けが似ているので「山芋のサラダ」に換えます。
「豆腐のみそ汁」は「ふろふき大根」と似ているので「しいたけのすまし汁」に換えます。
また、全体の塩分の量を考えて、「五目ごはん」を「ごはん」に換えましょう。
というようにして完成した献立はこちら!
・あじの煮つけ
・ふろふき大根
・山芋のサラダ
・しいたけのすまし汁
・ごはん
献立作りで気をつけなければならないこととは?
その秘密を探るべく、コウタくんが竹内冨貴子さんのキッチンにお邪魔しました!
竹内さんに、高校生のための1日の献立を考えてもらいました。
ポイントと一緒に見ていきましょう!
朝食【ポイント:朝は忙しいから簡単に!】
・ハムと野菜のスクランブルエッグ
・チーズトースト
・グレープフルーツ
・カフェオレ
昼食【ポイント:エネルギーを抑える】
・明太子ときのこの和風パスタ
・おかかマヨネーズポテトサラダ
夕食【ポイント:摂りにくい食材を取り入れる】
・青菜入り麻婆豆腐
・大根のレモンじょうゆ漬け
・わかめのスープ
・ごはん
・キウイヨーグルト
このようにして、摂りにくい食材をどこで取り入れるかを考えながら
献立をたてるとバランスがとれるようになるそうです!
番組の最後に、竹内冨貴子さんに今回作ってもらった1日の献立を紹介しています。
みなさんも作ってみてはいかがでしょう!?