高校講座HOME >> 家庭総合 >> 第14回 地域社会と福祉
純くん、都会で暮らしていて、ふと孤独を感じることがあるようです。
そんなことを考えていると、突然近くのお地蔵さんが話し始めました。
「孤独がいやならこの雑誌を読むがいい!」と薦められた雑誌には、
“モテる男は、お世話になった人を忘れない”と書いてありました。
お地蔵さんに言われる通りに、自分がお世話になった人たちを書き出してみることにした純くん。
すると今まで気付かなかったことに気が付いたようです。
私たちは地域の中で育ち、暮らしています。
地域とどのように関わっていけばよいか、考えてみましょう!
今回はスタジオを飛び出して、富山県社会福祉協議会のある“サンシップとやま”から
お送りします!
社会福祉協議会とは、高齢者や障害者などで、福祉サービスを一人で利用するのが
困難な人を支援するための団体です。
福祉というのは、「豊かに暮らすこと」でもあります。
少し難しく言うと次のようになります。
憲法第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
私たちが安心して暮らすための基本となる考えです。
病気をしたり、不慮の事故にあったとしても、その後の生活は守られるというものです。
そのために、社会保障制度という仕組みが整備されています。
社会保障制度には、次のようなものがあります。
☆保健・医療
☆社会福祉
☆所得保障
☆労災・雇用
☆公衆衛生
それぞれの内容については、番組をチェックしてくださいね!
私たちが豊かに安心して暮らすために、社会保障制度は欠かせません。
社会保障制度を実現するための地域による街づくりの例を見てみましょう!
サンシップとやまの中にも、どんな人にも不便がないような施設の工夫が
いろいろありました。
例えば、車いすの人がアプローチしやすいように設置されているスロープ。
また、視覚障害者用誘導ブロックや、手すり、点字、
間取りが図になっている触地図、障害者用トイレなどもありました。
国としての取り組み以外にも、民間での取り組みがたくさんあります。
富山県での、ある取り組みを見ていきましょう!
訪れたのはデイケアハウス「このゆびとーまれ」。
ここは介護を必要とする人たちにデイサービスを提供する施設です。
高齢者だけではなく、障害を持つ人や小さな子どもたちも通ってきます。
これまでなら、高齢者施設や障害者施設、保育所などに別々に通っていた人たちが、
ここでは一緒に日中を過ごします。
施設の代表を務める惣万佳代子(そうまん かよこ)さん。
看護師をしていた惣万さんは、およそ15年前、さまざまな人たちが年齢に関係なく家族のように暮らすことができる福祉施設を作りたいと思うようになりました。
しかし、そういう施設は前例がなく、県のどの部署に相談したらいいのかすら、わからなかったと言います。補助金の申請もできませんでした。
そこで惣万さんは、仲間の看護士と共に病院を辞め、
退職金を出し合ってこの施設を作ったのです。
さまざまな年齢や状態の人たちが一緒に過ごすこの方法は、
いつしか“富山型デイサービス”と呼ばれるようになりました。
そして、設立から約15年、県から交付される補助金は徐々に充実していきました。
今ではこうした施設は、全国で補助金が受けられるようになっています。
いつ起こるかわからない大地震。
作業用手袋や電池式ラジオなど防犯対策をしっかりとしておきましょう。
懐中電灯も忘れずに!
番組では、懐中電灯を使って、より広い範囲を照らすための裏技を紹介しています!
次に、地域に密着した福祉について見ていきましょう。
富山県では、地域で支えあうユニークな仕組みが広がっています!
コウタくんが取材に行きました!
富山県氷見市。漁業が盛んな港町です。
朝、学校へ向かう子どもたちに向かって、元気にあいさつをしている小中学生がいます。
“あいさつ運動”です。
氷見市では、年々、高齢化や過疎化が進み、子どもの数が減ってきています。
過疎化によって子どもに目を配れる人も少なくなりました。
あいさつ運動は、小学生の通学の安全を守るために始まったものです。
同じ小学校の高学年の子どもたちや、近くの中学生が通学路に立って
あいさつをしながら見守っているのです。
“あいさつ運動”は富山県が行っているケアネット活動という取り組みの一環です。
ケアネットとは、地域の子どもや高齢者を、近所の人たちが協力し合って
助けていこうという活動です。
あいさつ運動の他にもあります。
ある一人暮らしの高齢者は一週間のうち3日間はデイサービスを、
2日間はホームヘルパーを利用していました。
しかし残りの2日間は一人で過ごさなければなりませんでした。
そこで、ケアネットで近所の人にお願いして、残りの2日間をカバーしてもらうことで
一週間を絶え間なく見守ることができるようになったのです。
2007年3月の能登の地震のときには氷見市も被害にあいました。
しかし、ケアネット活動のおかげで、被災した人たちの所在確認を
スムーズに行うことができたそうです。
ケアネット活動は、地域の人たちが助け合い、安心して暮らせる社会作りに役立っています。
富山県立有磯(ありそ)高等学校が取り組んでいるのは、
特産物を使った食品の開発です。
地元の生産組合と連携して行っています。
学校のある富山県氷見市は梅の名産地。
収穫した梅を使って、ケーキ作りをしました。
梅ジャムの甘酸っぱさがケーキにぴったり!
地元の市場でも大好評です。
地域に密着した地産地消の食品開発です!