高校講座HOME >> 家庭総合 >> 第13回 高齢者の福祉
純くん、今回はお父さんとデイサービスを行っている施設を見学に行きました。
そこに置かれているラジオから、かすかに音が聞こえます。
すると急に隣の電話が鳴りました。
電話に出てみると…?
いくつになっても自分らしい生き方を貫いていけることは素敵ですよね!
そういう生き方ができるように、
今日は高齢者を支える福祉のしくみについて学んでいきましょう!
年をとると、体の機能の低下は避けられず、手助けが必要になる場合があります。
そんなとき、高齢者を支える「しくみ」があります。
その「しくみ」を学ぶために、コナンちゃんがある場所を訪れました。
介護を必要とする高齢者が一時的に滞在する“ショートステイ”。
ふだん介護をしている家族が、冠婚葬祭などの理由で介護できないとき、
家族に代わって介護をします。
施設には、どんな健康状態の人でも生活しやすいように、さまざまな設備が整っています。
例えば、寝たままの姿勢で入浴できるお風呂、足が不自由な高齢者のためのお風呂など、
いろいろなタイプのお風呂がありました。
滞在期間は数日から1ヶ月程度。
その間、生活習慣が変わったり、身体の機能が衰えないように気を配っています。
この日は、昔ながらの遊び道具で遊ぶことができる近くの公園に散歩へ行きました。
昔の遊び道具を手にすれば、積極的に身体を動かしてくれるだろうという
施設のスタッフの思いからです。
そして、施設から帰るときに必ず手渡される一枚の写真。
短い間でも施設で過ごした思い出に、とスタッフが撮影したものです。
(この施設は現在閉鎖されています)
ショートステイも高齢者の暮らしを支えるしくみの1つです。
ここで、高齢者を支える福祉について考えていきましょう。
介護に関する支援は大きく次の2つに分けられます。
・在宅
・施設に入所
また、暮らしのための支援として、年金や各種の手当の支給があります。
高齢者の福祉と一言に言っても、目的に合わせ、内容や仕組みもさまざまです。
介護保険制度は、高齢者が福祉サービスを利用するときに大前提となるものです。
実際に介護保険を利用している方をご紹介します。
川崎市に暮らす大関かほるさん。
車で大関さんを迎えにきたのはデイサービスのスタッフです。
デイサービスは、介護を必要とする高齢者が、自宅から通って介護を受けるものです。
大関さんがこの施設に通い始めたのは4年前。
デイサービスを受けるようになってから、人との交流が増え、明るくなってきたといいます。
デイサービスを受けるために、大関さんは介護保険を利用しています。
介護保険は、介護が必要な人が自立した生活を送れるように支援する制度です。
利用者は費用の一部を負担するだけで、介護サービスを受けることができます。
大関さんはデイサービスに通い始めてから、カバンや人形などの手芸品を作る
という趣味ができました。
デイサービスでたくさんの友人たちと過ごす時間が、大関さんの今を支えています。
介護保険を利用するには、まず、本人または家族による申請が必要です。
その後、調査員が自宅を訪問し、身体の様子について聞き取り調査をします。
その内容と医師からの意見書を元に審査が行われ、
介護が必要かどうかの判定が行なわれます。
要介護と認定されれば、ケアマネジャーと一緒にケアプラン(介護サービスの内容)を決めます。
そして、介護サービスを行う事業者と契約を結ぶことでサービスを受けることができます。
また、介護保険は6ヶ月ごとの更新が必要です。
コナンちゃん、今回はキッチンの大掃除です!
頑固な汚れには…重曹!
こびりついた汚れに重曹をふりかけ、しばらく置いてから、
古い歯ブラシでこするときれいになります。
この日、蛇口の周りや三角コーナーの掃除もしたコナンちゃん。
きれいなキッチンで何を作るのかな!?
ポイント2で学んだ介護保険制度。
この制度は税金などの公費だけではなく、今は40歳以上の人が支払う介護保険料で、
支えられているのです。
高齢者の暮らしを支えるというとき、こうした社会制度のほかに、
目の前の高齢者を支えたいという一人一人の気持ちや行動があって
豊かな社会になるのではないでしょうか。
そのためには、目の前の高齢者のニーズをどうやってつかんで、応えていくかが大切です。
その一例として、「住まいみまもりたい」というNPO法人の活動を紹介します。
ある高齢者が粗大ゴミをだすときに、地域の人がお手伝いをしたのが発端となって始まり、
今では日常的に活動をするようになりました。
活動は発展して、不用品の再利用などゴミ問題にも取り組むようになりました。
今、メンバーは地域の企業や団体も巻き込んで、
循環型社会を構築するためのさまざまな活動も行なっています。
身近な人への日常の活動が積みあがることが、
社会全体を変えるような大きな力になることがあるんですね。
徳島県立徳島商業高等学校では、防災について研究しました。
徳島県は、南海地震という大規模な地震の発生が予測されています。
生徒への意識調査で、防災意識は高いが準備をしていない人が多いことが判り、
地域の防災力を高める活動に取り組んだのです。
通学路を実際に歩いて、危険な場所や避難場所を確認したり、
地元の消防署の救急隊員から、救急法も学んだりしました。
そして、オリジナルのキャラクターを考え、地域の人たちに防災グッズを配りました!