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今回の学習内容

第11回 高齢者と福祉

新しい「高齢者」像

講師:埼玉大学教育学部准教授 河村 美穂
今回から、高齢者が暮らしやすい社会について考えます。子どもを育てることについて学んでいきます。いずれ自分も年をとり高齢者になります。高齢者の暮らしやそれを支える仕組み、高齢者と関わって生きることについて考えていきましょう。

学習ポイント

 新しい「高齢者」像
家庭科シアター
家庭総合第11回浦島純家庭総合第11回アドバイスする純家庭総合第11回よろず相談所設立

宮城から帰ってきた“浦島純”くん。
困ったときに、ともらった箱を開けると…おじいちゃんになってしまいました。
しばらくすると、若者が相談にやってきました。
その相談に答える純おじいちゃん。
そうこうするうち、浜にはたくさんの相談者と、若者の相談に答えるというお年寄りが
たくさん集まってきて…?

    新しい「高齢者」像
    家庭総合第11回コウタ&コナン家庭総合第11回河村先生

    今回の家庭科シアター、私たちが知っている浦島太郎の物語とは違って、
    みんなに頼りにされる“浦島純”くんは、なんだか楽しそうでした。

    というわけで!
    今回は「新しい高齢者像」について考えていきましょう!

      ポイント1【年をとるということ】
      家庭総合第11回ポイント1【年をとるということ】家庭総合第11回高齢者のイメージ家庭総合第11回人の発達のグラフ

      今回、約70名の高校生に高齢者に関するアンケートに協力してもらいました。
      質問は「“高齢者”と聞いてイメージする言葉を書いてください」というものです。

      回答を見てみると、
      和室、縁側、将棋、魔法の杖、早起きなど、いろいろなイメージがありましたが、
      多かったものは次のものでした。
      1 年金
      2 老人ホーム
      3 介護
      4 福祉
      5 ゲートボール
      6 バリアフリー
      7 優先席


      さて、高齢者というと介護が必要になるのではないかと思いがちです。
      では実際に年を取るとどのようになるのでしょうか。
      加齢による変化として、動作が遅い、耳が遠い、老眼などがあげられます。
      また、認知症の発症も高齢者になると割合が高くなります。

      ここでもう1つ、人の発達について表したグラフを見てください。
      運動能力、聴力、視力などの身体能力は加齢によって低下しますが、
      精神の状態は維持されることがわかります。

      このように身体的に衰えていくのはどうしようもないことです。
      しかし、これらは個人差がとても大きいということを理解しましょう。

        ポイント2【高齢者の暮らし】
        家庭総合第11回ポイント2 高齢者の暮らし家庭総合第11回河村先生家庭総合第11回コウタ&コナン

        実際に高齢者の方がどのように暮らしているのかを理解することから始めましょう!

        というわけで今回は、元気なおじいちゃんとおばあちゃんをご紹介します!

          家庭総合第11回福井県福井市蔵作町家庭総合第11回劇団 ババーズ家庭総合第11回ババーズ稽古風景

          自然に囲まれたのどかな町、福井県福井市蔵作町(くらつくりちょう)。
          この町には、お年寄りが集まって結成した「ババーズ」という劇団があります。
          平均年齢73歳。
          福井に伝わる物語に笑いを取り入れて舞台を作り上げています。
          年間約30回の公演をしていて、
          他県からも公演の依頼がくるほどの人気劇団です!
          アドリブが好きだという劇団最年長の松浦政子さんは85歳。
          セリフも完璧です!

          番組では、健康で元気だったらずっとババーズをやっていきたいという田中キヨ子さん
          のお宅におじゃまして、ご家族にもお話を伺いました!

          いくつになっても人生を楽しみ、生きがいを持ち続けることができるというのは、
          とてもステキなことですね!

            家庭総合第11回河村先生家庭総合第11回コウタ&コナン

            実際に会ったり、話したりして初めてわかることがあります。
            一緒に住んでいるから理解している、ということでもありません。
            高校生のみなさんから見ると、
            高齢者には夢がないというイメージを持つ人もいるかもしれません。
            しかし、それは聞いてみないとわかりません。
            みなさんも、ぜひ高齢者の方と話してみてくださいね!

              コナンのこんな生活
              家庭総合第11回納豆包み焼き家庭総合第11回納豆包み焼き家庭総合第11回コナン

              今回はコナンちゃんお得意の納豆料理を紹介してくれました!
              納豆を油揚げで包んで香ばしく焼き上げた“納豆包み焼き”です。
              外がパリパリしていておいしい納豆料理☆
              作り方は番組で紹介していますので、真似して作ってみてくださいね!

                ポイント3【私の考える高齢者像】
                家庭総合第11回ポイント3 私の考える高齢者像家庭総合第11回ゲスト 嶋田弘史さん家庭総合第11回 スタジオ風景

                今回は高齢者のことをもっと知るために、直接お話を伺うことにしました!
                スタジオには、おもちゃドクターの嶋田弘史さん(70歳)においでいただきました!

                  家庭総合第11回おもちゃドクター 修理風景家庭総合第11回おもちゃドクター嶋田弘史さん家庭総合第11回スタジオ エンディング

                  嶋田さんは千葉県浦安市で、子どもたちのおもちゃを修理するボランティア活動をしています。
                  また、「日本おもちゃ病院協会」の副代表として、
                  こうした活動を全国に広げようとがんばっていらっしゃいます。

                  嶋田さんがおもちゃドクターを始めたのは10年前、60歳のときでした。
                  それまでは農業機械の会社で働いていて、
                  新幹線や飛行機を丸ごと洗うことができる洗浄機を作ったりしていたそうです。

                  “ないものを作る”という意味で、現役時代の仕事と今の仕事は近いところがあると
                  嶋田さんは言います。
                  おもちゃの部品が全て手に入るわけではないので、自分で考えて作ることもあるのです。
                  そうして直したおもちゃを渡すとき、聞こえるか聞こえないかの小さな声で「ありがとう」と言う
                  小さな子どもの目を見ると、どれぐらい喜んでくれているのかがわかるそうです。
                  しかしその100倍喜んでいるのは嶋田さん自身だと教えてくれました。

                  そんな嶋田さんの夢は、
                  おもちゃ道を究めて、何でも直せるおもちゃドクターになること!だそうです。

                  他にも、皆さんと同じ高校生の頃のお話なども聞かせてくださいました。
                  とても貴重なお話ばかりでしたので、ぜひ番組を見て生の嶋田さんの声を聞いてみてください!

                    我ら学校家庭クラブ
                    家庭総合第11回学校家庭クラブ つばさ総合高校家庭総合第11回 学校家庭クラブ 綿家庭総合第11回 学校家庭クラブ 綿で作ったかばん

                    東京都立つばさ総合高等学校では、毎年学校の裏庭で綿を育てています。
                    毎年秋に綿を収穫します。
                    綿から糸をつむぎ、その糸を使ってはた織りです。
                    いらなくなった布といっしょに折ってかばんの完成です!

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