2011年7月30日 19時45分 更新:7月30日 21時34分
【温州(中国浙江省)工藤哲】中国浙江省温州市で起きた高速鉄道事故の遺族の一部が、協力組織を結成し、鉄道省を相手取って提訴する準備を進めている。政府が示した賠償額では不十分だとしており、協議が順調に進んでいないのが原因とみられる。
米政府系の「ラジオ・フリーアジア」によると、賠償額に納得できない遺族が組織を結成。その一人は、家族1人が死亡、3人が負傷しており、少なくとも150万元(約1800万円)を求めているという。遺族は法廷の場で合意を目指したいとしており、法律の専門家などに支援を求める考えだ。
一方、新華社通信は30日、50万元(約600万円)から91万5000元(約1100万円)に増額された賠償金の基準額で、10人の犠牲者の遺族が同意したと伝えた。
事故発生から1週間の30日は、各地での抗議集会がインターネット上で呼びかけられていた。上海市の鉄路局前では、若い男性1人が花束を持って約3時間立ち続ける無言の抗議を行ったが、集合場所とみられていた温州市庁舎前広場では目立った動きはなかった。インターネット上では31日も全国各地で追悼や抗議行動が呼びかけられている。