四字熟語辞典を手に頭をひねる琴奨菊=佐渡ケ嶽部屋で
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日本相撲協会は28日に東京・両国国技館で九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の番付編成会議と理事会を開き、秋場所で12勝3敗の成績を残した関脇琴奨菊(27)=本名菊次一弘、福岡県出身、佐渡ケ嶽部屋=の大関昇進を正式に決める。決定後、同協会の使者が千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋に赴き、昇進を伝える。新大関の誕生は、2010年春場所後に昇進した把瑠都以来。日本人力士では07年名古屋場所後に、同じ佐渡ケ嶽部屋から昇進した琴光喜以来となる。
大関に昇進する琴奨菊は27日、千葉・松戸市の佐渡ケ嶽部屋で会見し、伝達式の口上に3年前に他界した祖父の一男さんから漢字の「一」をもらった四字熟語を使うことを明かした。
琴奨菊は大関とりに失敗した7月の名古屋場所の反省を踏まえ今回の秋場所で取り組んだ精神面の強化を重視。さらに小学3年から相撲を始めるきっかけを与えてくれた祖父への思いという2つの意味を込めて、四字熟語を選んだという。「3つ、4つ候補はある。自分なりに深い意味を込めて共感できる言葉にする。決まりつつあるが、明日話します。お楽しみでお願いします」
候補には「一生懸命」「一心不乱」などが挙げられるが「言葉でその人の顔が浮かぶようなものにしたい」と語っており「一生懸命」は朝青龍らが、「一意専心」は若乃花が大関昇進時に使ったことから、「一心不乱」か、少し凝れば「一心精進」「一意奮闘」などが有力だ。
この日は午後6時から行われる部屋の支援者のパーティー出席のため福岡県に移動。日帰りで戻ってきて翌日の伝達式に臨む。往復約1800キロに及ぶ強行軍にも「大関の地位は重い。相撲だけでなく視野を広げないと」とすでに大関の風格をにじませた。 (竹尾和久)
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