サッカー・アジアCLの日韓チームの対戦で「日本の大地震をお祝いします」との横断幕
サッカーの試合で、またも東日本大震災をやゆする心ない言葉が浴びせられた。
韓国のサポーターが掲げたのは、「日本の大地震をお祝いします」という横断幕だった。
セレッソ大阪の播戸竜二選手(32)は、「試合が終わって、部屋に帰ってから、携帯の方でそういう情報を見まして、非常に残念というか、悲しい気持ちになりました」と話した。
28日午後、韓国から帰国したばかりのJリーグ・セレッソ大阪の選手が不快感をあらわにしているのは、「日本の大地震をお祝いします」という、27日の韓国のクラブチームとの試合で掲げられた、震災をやゆする横断幕だった。
この心ない横断幕で、国内外に大きな波紋が広がっている。
東京・銀座の街の人は、「うそー、うそでしょう」、「あり得ない」、「人として疑いますね」、「見たくなかったかな、こういうのはあまり。知りたくなかったかもしれない」と、怒りをあらわにした。
27日、韓国・全州で行われたセレッソ大阪と韓国の全北現代モータースとのアジアチャンピオンズリーグ準決勝で、スタンドには、ある横断幕があった。
東日本大震災を中傷した「日本の大地震をお祝いします」と書かれた横断幕だった。
死者1万5,812人、行方不明者3,985人という、未曽有の被害をもたらした東日本大震災。
あまりにも心ない横断幕は、セレッソ大阪側の抗議により、前半途中に撤去された。
しかし、チームの地元・大阪の街の人は、「なんやの、これ。ばかにしてるね」、「ほんまに不謹慎やわ。どない思ってんのやろうね。字を間違えたんちゃう」などと話した。
そして、被災地の人は、「侮辱している。日本をばかにしている」、「お祝いはないわな」、「ちょっと、悔しいっていうか。こういったことは、あんまりやってほしくないと思いますね」と語った。
一方、韓国・ソウルの街の人は、「勝利を祝うより、残念と思わなければならない。同じ人間同士なのに」、「国の恥だと思う。軽率な行動だったし、深く考えてはいないと思う」などと話した。
韓国メディアも多くが事実関係を淡々と伝える形で、この問題を報じているが、中には「(日本の新聞は)観客の姿を隠さずに、そのまま露出させ、ほかの問題を引き起こしている」と、横断幕を持つサポーターにモザイクが入っていないと、日本の報道を批判する新聞もあった。
試合では、セレッソ大阪のキム・ボギョン選手(21)が、相手のラフプレーで顔面を骨折するなど荒れた展開となり、セレッソ大阪は6 - 1で敗れた。
28日午後、帰国したばかりの播戸選手は、「非常に残念というか、悲しい気持ちになりました」、「やっている選手たちは、純粋にスポーツで勝ち負けを目的としてやっているので、それを本当に純粋に応援してほしいなと思います」と話した。
震災への中傷をめぐっては、8月、日本代表のゴールキーパー・川島永嗣選手(28)が所属するベルギーリーグで、「フクシマ」コールが起きた。
その後、相手チームの社長が、川島選手に直接謝罪し、ベルギー王立サッカー協会も、チームにおよそ260万円の罰金を科した。
セレッソ大阪は試合後、アジアサッカー連盟に抗議文を提出した。
今後の相手チームと連盟の対応に注目が集まる。
(09/28 18:32)